
あなたの特別を、私はもう待たない
| 言語 | 日本語 |
|---|---|
| 試し読み | 第1〜3話(当サイト) |
| 掲載日 | |
| 読み方 | 横書き・縦書きを切り替え可 |
『あなたの特別を、私はもう待たない』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。
冒頭試し読み第1話より・約550字
平日の朝は、通勤途中に彼の車に乗せてもらうのがいつもの流れだったのだが、ただし会社に関係を知られないよう、降ろしてもらうのは会社から5キロほど離れた駅。しかし、その日はいつもの場所に近づいたところで、私は弱々しく声を上げた。
「今日、生理でお腹がすごく痛くて……そのまま会社の地下駐車場まで行ってくれない?」
宗佑は顔をこちらへ向け、血の気のない私の顔をじっと見たが、それでも、返事に迷いはない。
「この時間、会社の地下駐車場は人が多い」
結局、私はいつもの駅で車を降りるしかなかった。
それから20分後、腹部を押さえながら、冷や汗をかきながらようやく会社までたどり着いた私の目に飛び込んできたのは、宗佑の車から降りてくる新人の女性インターン・成海夕夏(なるみ ゆうか)の姿だった。
彼女は頬を赤らめ、車内へ向かって頭を下げる。「桐生社長、会社まで送ってくださってありがとうございました。それに、わざわざ遠回りして生理痛の薬まで買っていただいて……」
自分の席に戻ると、私は無心で鎮痛剤を1錠飲み込み、そのまま宗佑にラインを送った。
【別れよう】
すぐに既読がついたが、宗佑からの返信はなかった。
10分後、部署合同のミーティングが始まり、宗佑も会議室に姿を現した。
一瞬だけ目が合ったものの、その表情には何の変化もない。
※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む
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