100回の許し第3話
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この5年もの間呼び続けてきた「叔母さん」という呼び方は、まさにこの時のために用意された最高の言い訳だった。
花火ショーは続行されるはずだったが、もう誰も私を気に留めていなかった。
あいにくの空模様で、突然大雨が降り出した。
悠は慌てて人混みをかき分け、「莉緒は体が弱いから、雨に濡らすわけにはいかないんだ。皆さん、少し道を」と言った。
彼は莉緒を大切そうに車の中へ庇い入れた。
私だけが、その場に一人取り残された。
雨水は骨身に染みるほど冷たかったけれど、私は寒さを感じなかった。
きっと、この5年の結婚生活で、もう慣れてしまったのだろう。
家に戻り、熱いシャワーを浴びた。
リビングに出ると、ちょうど悠がそこにいた。
彼は少し躊躇した後、私に感謝の言葉を述べた。「でも、さっきのこと、ありがとう。たち......僕たちは秘密結婚だから、あの場で公表したら、莉緒のイメージが悪くなる。
そのうち......君との関係も、ちゃんと公表する機会を作るから」
私は彼に、もう関係を公表する必要はない、とは言わなかった。
この結婚はもう終わりに向かっている。いっそ、最初から存在しなかったことにした方が、私にとっても彼にとっても良いだろう。
彼は突然、私を気遣うように言った。「ところで、君はどうしてあそこにいたんだ?」
私は微笑み、彼をじっと見つめて、なかなか口を開かなかった。
彼の視線が泳ぎ始めた頃、ようやく言った。「橘秘書に言われて行ったのよ」
そこで彼はようやく思い出した。今日の花火大会は、元々彼が私に約束したものだったことを。
けれど、莉緒との甘い時間に夢中で、すっかり忘れていたのだ。
「ごめん。来週......来週は無理だ。出張があるから。来月なら、必ず連れて行くよ」
私は首を横に振った。「その時にね」
悠は私の物分かりの良さに満足し、そっと私を抱きしめた。
こんなにも、彼の腕の中が冷たいと感じたことはなかった。
あの日以来、悠はやはり出張へ行った。
ただ、それは莉緒を連れての出張だった。
仕事の合間には、二人でキャンドルライトディナーを楽しみ、隣の県の博物館へ足を運んだ。
彼が私とは決して行ってくれなかった、名物の海鮮屋台にも行ったらしい。
彼は私に言った。「社長様がそんなものを食べるなんて、品位を落とす」と。
けれど、莉緒の前では、悠は何の肩書きもない、ただ彼女を深く愛する一人の男に過ぎなかった。
カウントダウン、残り3日。
悠はついに戻ってきた。
彼が出張していた半月の間、私は一度も彼に連絡しなかった。
彼は塵一つないヴィラを見て、まるで5年間の結婚生活で私がどれほど尽くしてきたかを突然知ったかのように、私に言った。「咲良、お疲れ様、好きだ」
5年だ。彼が前回好きだと言ったのがいつだったか、もう思い出せない。
「本当は明後日、花火を見に連れて行こうと思ってたんだけど、最近は打ち上げ禁止で......」
彼がただ私を花火に連れて行きたくないだけなのは、私にも分かった。
きっと莉緒が何か言ったのだろう。
「なら、いいわ」
悠は呆然とし、私が本当にそれで済ませると思っていなかったようだ。
「......気にしないのか?」
いつもの私なら、とっくに狂ったように彼を責め立てていただろう。どうして約束したことをいつまでも果たせないのかと。
しかし今、私は彼のそんな虚ろな約束など、どうでもよかった。「たかが花火じゃない。見なくても構わない」
まるで悠のように、本当は私にも必要ないのだ。
長い沈黙の後、悠は再び口を開いた。「じゃあ明後日、西の町のあのヴィラを見に行こうか」
「その日は七夕祭りがあるらしい。西の町のヴィラからなら、ちょうどよく見えるはずだ」
私は携帯を見て、カレンダーに明後日が七夕祭りだと表示されているのを確認した。そんな大切な日に、彼が私に会いに来る?
ただの口実だろう。
「その日、沢村さんと一緒じゃなくていいの?」
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