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離婚して僧侶に溺愛された第1話

この話は約1927字。当サイトでは第1〜3話を試し読みできます。

結婚して三年、内藤聡は三年間、約束を破り続けた。

今日は結婚三年目の記念日。だが、やはり彼は現れなかった。

諦めきれず、私は最後の電話をかけた。

電話の向こうで、彼の声が揺れ動く。

「恵理、ちょっと用事があるんだ、もう少し待ってくれ」

その直後、かすかだが妙に鮮明な甘ったるい声が聞こえた。

「そのおばさんじゃ満足できないんでしょ?聡くん、もう少し優しく」

電話はそこで切れ、画面には、私をずっと待っていた僧侶から、ちょうど九十九回目のプロポーズメッセージが届いていた。

今度は、私は返事を返した。【鍋料理、肉多めで、食べに来る?】

* * *

結婚して三年、夫は三年間、約束を破り続けた。

今日は結婚三周年の記念日。だが、やはり彼は現れなかった。

諦めきれず、私は最後の電話をかけた。

電話の向こうで、彼の声が揺れ動く。

「恵理(えり)、ちょっと用事があるんだ、もう少し待ってくれ」

その直後、かすかだが妙に鮮明な甘ったるい声が聞こえた。

「そのおばさんじゃ満足できないんでしょ?聡くん、もう少し優しく」

電話はそこで切れ、画面には、私をずっと待っていた僧侶から、ちょうど九十九回目のプロポーズメッセージが届いていた。

今度は、私は返事を返した。

【鍋料理、肉多めで、食べに来る?】

……

柿沼政宗(かきぬま まさむね)が店に入ってきた時、レストランの立ちこめる湯気は、まるで雲のように漂っていた。

坊主頭は顔立ちを試すと言われるが、彼が髪を剃ったことで、もともと整いすぎていた容貌はさらに際立っていた。

「恵理さん、僕は肉を口にすべきじゃないよ」

彼は私の正面に腰を下ろした。真っ白な僧衣が、その清らかな雰囲気を引き立てている。

次の瞬間、その長い指が箸を操り、辛い鍋の肉をつまみ上げて口に運んだ。

唇がラー油に濡れ、赤く艶めき、思わず触れたくなる。

「肉は口にしないんじゃなかったの?」

私はその唇に視線を止めた。

彼はわざと口元を舐める。「本当はそうなんだけど、君を見たら僧侶になりたくなかった」

私は口元をゆるめた。何年ぶりかの再会なのに、彼はいまだに私の好みを知っている。

「食べなさい」

少し気分が和らぎ、私は自ら彼のためにタレを調えてやった。

食事の間、私は何度かスマホを見た。

そのたびに、内藤聡(ないとう さとし)からのチャット画面は沈黙したままだった。

本当は、この店は聡と一緒に結婚三周年を祝うために予約したものだった。

けれど彼は、幼なじみの女と一緒にいた。

鍋の澄んだ白いスープを見つめていると、この三年間の結婚生活が、息苦しいほど重くのしかかってくる。

私は彼の辛いものが苦手な体質を思って、辛くない鍋にしたけれど、彼は私に気を遣わせたくないからと、最初から来なかった。

空いたままの片側の鍋が、やけに目障りだった。

食事が終わると、政宗は口元を拭い、再び清らかな僧侶の姿に戻った。

数珠を指先で弄び、伏せたまなざしに暗紅の影を宿す。「恵理さん、他の男と結婚できるのに、なぜ僕とはできないんだ」

私は眉を上げて彼を見つめた。

思った以上に野心的な言葉。

けれど、彼と結婚するのも悪くない。

そう考えていた時、スマホの画面が光った。

そこには聡からの【用事がある】の文字。私は笑った。「どうして駄目なの?今すぐ私と籍を入れよう」

「じゃあ、聡との結婚は……」

「まず離婚届を出す」

私は優雅に口を拭き、立ち上がった。

聡が恥ずかしくないなら、もう遠慮はいらない。

役所で、私は離婚届と結婚届を同時に出す。

政宗と時間を決め、迎えに来てもらうことにしてから、別荘へ荷物をまとめに戻った。

扉を押し開けた瞬間。

聡が幼なじみの永井桜(ながい さくら)とピアノ椅子で乱れていた。桜は、私が数億円かけて買ったピアノに手をつき、二人の動きが激しい音を叩き出していた。

扉を開けた音に、二人は怯んだように動きを止めた。

聡は慌てて桜を突き放した。

平静を装っていたが、ピアノ椅子に残った濡れ跡がすべてを物語っていた。

「恵理さん、怒らないで。聡くんは、ただピアノを教えてくれていただけよ」桜はスカートを押さえ、涙声で訴える。

ピアノを教えるのに、体の奥まで教える必要があるのか?

私は冷ややかに二人を見て、軽くうなずき挨拶代わりにしてから部屋へ入った。

ドアの外から、再び卑猥な声が漏れてくる。

「んっ、聡くん、ゆっくりして、お願い……恵理さんあんなに綺麗なのに、まるで飢えてるみたい」

「彼女は冷たすぎるんだよ!結婚して何年も経つのに、触れることさえ許さない。そんな女、男が好きになるはずないだろ。それに比べてお前は腰も柔らかいし脚も長い、まるで小悪魔だ」

聡の吐き捨てるような声が、わざと私に届くほど大きくなる。

けれど彼は知らない。

私が冷淡なのは、ただ彼が汚らしいからだ。

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