離婚したら元夫が泣き崩れた第2話
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ようやく諦めがついた感じだった。
以前は彼は生まれつきあんまり笑わない性格だと思い込んでいた。
今思えば、そんなわけがない。ただ微笑みを見せる相手が私ではなかっただけだ。
私と彼の間に愛情はあっただろうか。
ははっ、愛情なんてただの自己欺瞞だったかもしれない。結局、本気で信じてしまったのは私だけだった。
そろそろ全てを断ち切り、自分を苦しめるのをやめようと決意した。
だから私は彼に電話をかけた。
「どこにいるの?」
裏に望海の笑い声がはっきりと聞こえても、彼は平然として、いつも通りの冷たい口調で答えた。
「残業だ」
嘘をつくのも言葉を惜しんでいるみたいだ。
笑い声が遠ざかっていく。どうやら彼はしばらく静かな場所へ移動し、その嘘を少しでも本物らしく見せようとしているようだ。
「風斗、もう疲れた。離婚しよう」
おそらく私の断固とした口調から何かを感じ取ったのだろう、彼はしばらく沈黙した後、突然怒りを爆発させた。
「南、お前頭おかしいのか?今度は何を騒いでるんだ?頭おかしいなら病院にでもいけ、俺を煩わせるな」
「離婚協議書を送るから、サインしてね」
そう言うと、私は即座に電話を切り、向こうの風斗の怒り狂う声を無視した。
目の前の光景は、見知らぬようでどこか懐かしい。
ここで私はかつて、彼の洗濯をし、食事を作り、髪を乾かし、足を洗い、マッサージで疲れを癒した。
幾度となく彼を慰め、悩みを聞いてあげた。
でも結婚五年目になって、ようやくわかった。
私がどれほど尽くそうとも、どれほど完璧であろうとも、結局は無駄だったのだと。
私は彼が思っている人ではなかった。
その人なら何をしても正しい。そして私は、その人がいない時の代用品に過ぎなかった。
時間潰しに、ないよりまし。
私は自分の持ち物を全て持ち出し、かつて家だと思っていた場所を後にした。
それから荷物を抱えて、結婚前のアパートに戻った。
彼の邸宅ほど広くないけれど、ここにいると心が安らぐ。
そして私は弁護士に連絡し、離婚についての細部を話し合った。
その弁護士は仕事のできる人で、円滑な離婚のためにいくつかの案を提示してくれた。
……
二日間休んだ後、三日目の昼、風斗の電話で目が覚めた。
「南、どこにいるんだ?俺を焦らすつもりか?
すぐに戻ってこい、記念のプレゼントも買っておいたからな」
相変わらずの詰め寄り、責任転嫁、まったくもって厚かましい。
彼は決して私の立場など考えようとしない。
夫婦は仲間であるはずなのに、彼の目にも心にも私は存在しない。
昔、私は会社で忙しすぎて気を失って倒れたことがあった。
一方、望海が拾った野良猫が毛玉を吐いて、彼女はどうしていいか分からず慌てた。
それを知ると、風斗は心配で、そのまま倒れている私の前を通り過ぎ、置き去りにして、400キロ以上も車を走らせて望海に会いに行った。
普段あまり仲の良くない同僚でさえ、私を気遣い、救急車を呼んで病院に連れて行ってくれた。
私が意識を取り戻して最初に目にしたのは、自分の夫ではなく、普段私のことが気に食わない同僚だった。
同僚は私を助けたいと、治療費の支払いや医師とのやり取りまでしてくれた。
それなのに私の夫は、私の前を通り過ぎて病院に連れて行くことすらしなかった。
一言の気遣いさえなかった。
当然私は腹立たしくなり、「本当に私のこと愛してるの?」と問いただした。
すると風斗は前と同じように、怒りながら私を責め立てた。
「こんな些細なことで騒ぐか?労災の金はもう振り込んだだろう?別れたいなら離婚すればいい」
彼はいつも離婚で脅す。その場でそれを持ち出すと、私はもう反論できない。
かつての私は、彼を骨の髄まで愛していた。彼を失うわけにはいかない、彼なしでは生きられないと思った。
それでも彼と望海のやり取りが、私の目に焼き付き、脳裏に刻まれていた。
風斗と離婚しないために、私は自分を欺くしかなかった。
毎晩自分に言い聞かせた。彼の言うことは全て真実だと。彼と望海はただの仲の良い友達で、二人は潔白で、彼は私を愛していると。
こうして私は、自ら紡いだ嘘の中に生きてきた。
彼は相変わらず上から目線で私に指図し、一方私は愚かで自覚のない彼の言いなりになる犬みたいだった。
でも、もう自分に嘘を付きたくなかった。
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