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遥か彼方にこそ、真の美しさがある第2話

この話は約1498字。当サイトでは第1〜3話を試し読みできます。

家のドアを開けると、そこには私と暁が共に暮らした痕跡が至る所に残っていた。

お揃いのスリッパ、ソファの上のオーダーメイドのクッション、テーブルの上の二人のツーショット写真......

私は家で唯一のツーショット写真を裏向きにしてテーブルに伏せた。あの頃のことを思い出した。

この写真は、去年の私の誕生日に、私が暁に懇願して撮ってもらったものだ。写真の中の彼は氷のように冷たく、笑顔一つ見せなかった。

ツーショット写真を目にすると、私はまるで感情を失ったかのように、無言で荷物をまとめ始めた。

暁の書斎を開けた時、私は壁一面に貼られた詩織の写真を目にした。幼少期から高校、大学時代まで、写真の中の暁と彼女は親密な様子で、見つめ合う彼の瞳には溺愛の情が満ちていた。

その時、私は彼がずっと私に語ろうとしなかった幼馴染のことを思い出した。なるほど、長年秘められていたが、詩織はずっと彼の心の中にいたのだ。

しかし、心の中に誰かがいるのなら、なぜ私の求愛を受け入れ、私の真心をもてあそんだのだろう?

私は書斎のガラスケースに陳列された、彼が毎年詩織のために用意した誕生日プレゼントを見た。

私の誕生日には、彼は笑顔一つ見せず、ましてや心を込めたプレゼントなど、夢のまた夢だった。

この書斎は、暁が家の中の聖域として、私を一切近づけさせなかった場所だ。今、突然目の前に突きつけられた真実に、私の心臓はズキズキと痛み出した。

彼が私と付き合っていたこの五年も、ずっと書斎で詩織との過去を懐かしんでいたのだ。

そう思うと、私は思わず嫌悪感を覚え、書斎を飛び出して、あの唯一のツーショット写真を力任せに切り刻み、ゴミ箱に捨てた。

深夜、暁は酒の匂いを纏って帰宅し、手に持っていた袋を私の目の前に投げつけた。

私を見る彼の目に、後ろめたさの欠片もなく、むしろ上から目線で、施しを与えるかのように私を見た。「湊、今回の君の功績は詩織に譲ってやってくれ。彼女は帰国したばかりの新人だから、君よりも実績が必要なんだ」

私は何も言わなかった。彼の恥知らずな本性を初めて目の当たりにして、私の心は、ゆっくりと氷のように凍りついていった。

この企画案のために、私がどれだけ徹夜を重ね、大口顧客と胃がキリキリするほど酒を飲んだか、暁が知らないはずがない。

しかし今、幼馴染の詩織のためなら、彼はこんなもっともらしい言い訳まで持ち出すのだ。

私が黙っているのを見て、暁は初めて腰を低くして私をなだめた。「分かった、今日の酒席で君が言ったカッとなった言葉は、全て水に流そう。

君がこの数日頑張ったのは知っている。だから、以前から欲しがっていたドレスを特別に買ってきたんだ。開けて見てごらん。これからは会社で詩織と仲良くやってくれ」

そう言い終えると、彼は勝手にバスルームへシャワーを浴びに行った。

私が袋を開けてみると、そのドレスは明らかに誰かが着た形跡があり、黄色い酒の染みがはっきりと残っていた。

それを見て、私は思わず笑ってしまった。おそらく詩織が服を汚したため、暁は彼女に新しい服を与え、その汚れた白いドレスを私に渡してなだめようとしたのだろう。

それもそうか。私に与えるものなのだから、暁がいつ私に心を砕いたことがあっただろう。私自身でさえ、彼の心の中では常にどうでもいい存在だったのだから。

夜、私は寝返りを打ち続けた。暁が夢の中で詩織の名前を、甘く、ねっとりとした声で呼ぶのが聞こえ、私の涙は枕を濡らした。

彼の心には、最初から私などいなかったのだ。ならば、この五年間は暁が私に紡ぎ出した夢だったとしよう。

今、夢から覚めた。暁はもういらない。この恋も、ここで終わりだ!

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