逆境を力に変えて第1話
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夫と結婚して5年目、ようやく彼との子を授かることができた。
しかしその矢先、後輩が大きなお腹を抱えて私の前に現れた。
「私、先輩の旦那さんの子供を妊娠しました。この子を産ませてください」
彼女はそう言った。
それに対して、私は笑った。
その後、私は夫に彼自身の検査報告書を渡した。
そこにははっきりと、「生殖能力なし」と記されていた
* * *
大内羽嵐はとても美しい。その美しさはどこか仙女のような雰囲気を漂わせる、冷たい透明感のある美しさだ。今は、白いマキシを身にまとい、化粧一つせず、赤く縁取られた目をして、私の向かいに座っている。
「先輩、私が間違っていたのはわかっています。でも、この子には罪はありません......」
彼女は涙目になりながら、少し膨らんできたお腹をそっと撫でた。その姿は、いかにも哀れを誘うものだった。
かつての私は、こういう見た目に弱かった。彼女の従順さや優しさにほだされ、特別に目をかけていたくらいだ。でも、今となっては何を見ても嫌悪感しか湧いてこない。
もしここが公共の場でなければ、目の前のコーヒーをその顔にぶちまけてやりたいところだ。自分が人を陥れる時と同じ苦い思いを味わわせてやるために。
しかし、私は怒りを必死に抑え、何も言わず、カプチーノをスプーンで静かにかき混ぜていた。
頭の中は、まるで高速回転する歯車のようにぐるぐると思考を巡らせていた。
皮肉なものだ。私は新居聡利と結婚して5年、一度も子どもを授かることができなかった。どれだけ努力しても何も起きなかったのに、2ヶ月前、酔った彼に衝動的に求められたたった一度で、妊娠した。
この嬉しい誤算を知ったのは、ほんの30分前のことだ。妊娠検査のエコー写真はまだ私のバッグの中にある。新居聡利にもまだ伝えていない。
その矢先に、大内羽嵐がもっと「驚くべきサプライズ」を私に持ち込んできたのだ。
これまで私はずっと新居聡利が能力不足だと疑っていた。だが、どうやら問題は彼の能力ではなく、単純に「二重奏」が苦手だったらしい。
私が黙り込んでいると、大内羽嵐は焦った様子を見せ、またお得意の「純真無垢」な表情を浮かべた。
「本当は、この子を産むつもりはありませんでした。でも、医者に言われたんです。この子を諦めたら、私はもう二度と子どもを授かれないかもしれないって......」
そう言うと、大粒の涙がぽろぽろとこぼれ落ちた。
私は顔を上げて彼女を見つめ、吐き気をこらえながらティッシュを1枚差し出した。
「妊娠してどのくらい経つの?それと、聡利にはもう話したの?」
まさかこんなにも冷静でいられるとは思わなかったのだろう。大内羽嵐は少し戸惑った様子で間を置いて答えた。
「聡利さんは先輩をとても愛しています。だから、私が話せば、きっとこの子を諦めるよう言われてしまうと思って......」
つまり、新居聡利はまだ彼女の妊娠を知らない。では、私を訪ねてきた理由は何だ?
この二人、かなり面白いことをするものだ。
「それで、私に何をしてほしいわけ?」
私は眉をひそめ、彼女の言葉に込められた意図に驚きながらも感心してみせた。
「私は聡利さんをとても愛しています。彼を失いたくない。この子も諦めたくない。それに、先輩のご家庭を壊したくもありません。この街には、私が頼れる人は先輩しかいないんです。ただ、この子を無事に産むまでの間だけでいいんです......その後は、この街を出ますから」
話しながら、彼女は再び涙を流し始めた。
2人の美しい女性が向かい合って座っているだけでも目を引くのに、彼女の涙が加わり、周りの人々の視線をさらに集めていた。
私は恥ずかしくて仕方がなかった。
「遠回しな言い方はやめて。要点を言いなさい」
「私と聡利さんは、毎週2回は会っています。でも、もう妊娠3ヶ月になると、隠しきれなくなると思うんです。会社も辞めてしまい、収入もなくなりました。それに、聡利さんが借りてくれたアパートにも、もう住み続けられません......」
彼女が遠回しに「自慢」している話を聞く気力もなく、私は話を遮った。
「つまり、私にお金を出して住む場所を探してもらい、子どもを産むまで面倒を見てほしいってことね?」
大内羽嵐は、まるで申し訳なさそうに小さく頷いた。
本当に底なしの図々しさだ。私は鼻で笑いながら答えた。
「よくそんな自信があるわね。私が承諾すると思った?むしろその子を堕ろすよう迫るかもしれないって考えなかった?」
「だって......聡利さんが言ってました。先輩は子どもが大好きだけど、自分では授かれないって......」
大内羽嵐は潤んだ瞳でおずおずと私を見つめるが、その奥には、明らかに勝ち誇ったような得意げな光があった。
彼女の意図は実に単純明快だ。私が子どもを望んでいるのに授かれないのを利用し、金銭でこの子を買わせようとしている。そして子どもを無事に産み終えたら、それを武器にして私を追い出すつもりなのだろう。
本当に不快だ!
でも、ここで怒りを爆発させては彼女の思うつぼだ。だから、私はこう言った。
「急な話だから、少し考えさせて。ひとまず帰りなさい。結論が出たら連絡するわ」
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