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豪雨の後に枯れた愛第3話

この話は約1325字。当サイトで読める3話の試し読みのうち、最後の話です。続きの第4話からは公式アプリで読めます。

口の端に冷笑を浮かべながら私は言った。

「救いようのない二人ね。私に手を出してほしくないなら、二度と私の前に現れないで」

蒼がまだ生きているだと?

今年聞いた中で一番おかしな話だった。

東條大先生は、私の家族のことなど一度も気にかけたことがなかったのだろう。

蒼は冤罪を着せられた後、思い詰めて刑務所の中で自ら命を絶った。

聡はそれを知らない。

だが今となっては相手は他人だ。教える必要はない。

聡は私の腕を掴んで離さず、声を低く抑えて、歯の隙間から一言一言絞り出した。

「俺たちの問題に琴音を巻き込むな。今すぐ彼女に謝れ」

蓮が彼の脚の後ろに隠れながら、顔の半分だけ出して、父親の口調を真似た。

「ママ、謝って」

そしてもう一度続けた。

「ママ、謝って、ママが悪い」

十ヶ月かけて産んだ子を見つめた。

三年前の法廷でも、この子はあの無邪気な顔で、あの致命的な言葉を口にした。

とっくにぼろぼろになっていた心が、この瞬間、不思議なほど静かだった。

ゆっくりと肩の力を抜いて、笑みさえ浮かべた。

「分かった、離して、謝るから」

聡が手を離した瞬間、私は琴音の丁寧に巻かれた髪を掴んだ。

全身の力を込めて、頭を地面に叩きつけた。

引き剥がされた時、彼女が地面に倒れているのが見えた。

額に血の筋がついており、血が丁寧に描かれた顔の半分を覆っていた。

清々した。

これでこれからも清々しい気分でいられる。

聡の目が充血し、拳がきしむほど握りしめられた。

「瑶、お前は頭がおかしい!」

鼻で笑った。

「二度と私の前に現れないで。現れたら、会う度に痛い目に遭わせてやる。

分かってると思うけど、私はもう失うものなんてないから」

聡の胸が激しく上下して、顔には怒りが滲んでいた。

最終的に彼はただ身をかがめて呻いている琴音を抱き上げて、振り返らずに車へ向かった。

「後悔するぞ」と言い捨てた。

あの時は、後に聡がこれほど冷酷になれるとは思わなかった。

だがたとえ分かっていても、私は彼に頭を下げるつもりはなかっただろう。

家に帰りドアの鍵を開けようとした瞬間、電話が鳴った。

電話に出ると、上司の冷たい声がした。

「白石さん、会社の組織再編で、あなたのポジションがなくなりました。

今日の午後、時間がありますか?退職の手続きに来てください」

解雇された。

これに聡の手が回っていないはずがなかった。

弁護士業界で名の知れた弁護士だ。

人の生活を壊すなんて、造作もないことだろう。

午後、私は落ち着いたまま書類にサインして、最後の月給を受け取った。

会社のビルを出る時、受付の女の子がこっそりクッキーの箱を押しつけてきた。小声で言った。

「瑶さん、お気をつけて」

帰り道、おばあちゃんの大好きな甘栗を買って、手の中で温めながら歩いた。

ドアを開けると、栗の香りが広がる前に、おばあちゃんがよろよろと出てきた。

いつものように弟のことを聞くこともなく、ただ枯れ枝のような腕を広げて、私をぎゅっと抱きしめた。

手のひらが私の背中をとんとんと叩いた。小さい頃、寝かしつけてくれた時と同じように。

「瑶は大丈夫。おばあちゃんがいるよ。

何があっても、おばあちゃんが瑶を支えてあげる」

私はその腕の中で固まったまま、手に持っていた甘栗の袋を床に落とした。栗がころころと転がった。

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