豪雨の後に枯れた愛第3話
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口の端に冷笑を浮かべながら私は言った。
「救いようのない二人ね。私に手を出してほしくないなら、二度と私の前に現れないで」
蒼がまだ生きているだと?
今年聞いた中で一番おかしな話だった。
東條大先生は、私の家族のことなど一度も気にかけたことがなかったのだろう。
蒼は冤罪を着せられた後、思い詰めて刑務所の中で自ら命を絶った。
聡はそれを知らない。
だが今となっては相手は他人だ。教える必要はない。
聡は私の腕を掴んで離さず、声を低く抑えて、歯の隙間から一言一言絞り出した。
「俺たちの問題に琴音を巻き込むな。今すぐ彼女に謝れ」
蓮が彼の脚の後ろに隠れながら、顔の半分だけ出して、父親の口調を真似た。
「ママ、謝って」
そしてもう一度続けた。
「ママ、謝って、ママが悪い」
十ヶ月かけて産んだ子を見つめた。
三年前の法廷でも、この子はあの無邪気な顔で、あの致命的な言葉を口にした。
とっくにぼろぼろになっていた心が、この瞬間、不思議なほど静かだった。
ゆっくりと肩の力を抜いて、笑みさえ浮かべた。
「分かった、離して、謝るから」
聡が手を離した瞬間、私は琴音の丁寧に巻かれた髪を掴んだ。
全身の力を込めて、頭を地面に叩きつけた。
引き剥がされた時、彼女が地面に倒れているのが見えた。
額に血の筋がついており、血が丁寧に描かれた顔の半分を覆っていた。
清々した。
これでこれからも清々しい気分でいられる。
聡の目が充血し、拳がきしむほど握りしめられた。
「瑶、お前は頭がおかしい!」
鼻で笑った。
「二度と私の前に現れないで。現れたら、会う度に痛い目に遭わせてやる。
分かってると思うけど、私はもう失うものなんてないから」
聡の胸が激しく上下して、顔には怒りが滲んでいた。
最終的に彼はただ身をかがめて呻いている琴音を抱き上げて、振り返らずに車へ向かった。
「後悔するぞ」と言い捨てた。
あの時は、後に聡がこれほど冷酷になれるとは思わなかった。
だがたとえ分かっていても、私は彼に頭を下げるつもりはなかっただろう。
家に帰りドアの鍵を開けようとした瞬間、電話が鳴った。
電話に出ると、上司の冷たい声がした。
「白石さん、会社の組織再編で、あなたのポジションがなくなりました。
今日の午後、時間がありますか?退職の手続きに来てください」
解雇された。
これに聡の手が回っていないはずがなかった。
弁護士業界で名の知れた弁護士だ。
人の生活を壊すなんて、造作もないことだろう。
午後、私は落ち着いたまま書類にサインして、最後の月給を受け取った。
会社のビルを出る時、受付の女の子がこっそりクッキーの箱を押しつけてきた。小声で言った。
「瑶さん、お気をつけて」
帰り道、おばあちゃんの大好きな甘栗を買って、手の中で温めながら歩いた。
ドアを開けると、栗の香りが広がる前に、おばあちゃんがよろよろと出てきた。
いつものように弟のことを聞くこともなく、ただ枯れ枝のような腕を広げて、私をぎゅっと抱きしめた。
手のひらが私の背中をとんとんと叩いた。小さい頃、寝かしつけてくれた時と同じように。
「瑶は大丈夫。おばあちゃんがいるよ。
何があっても、おばあちゃんが瑶を支えてあげる」
私はその腕の中で固まったまま、手に持っていた甘栗の袋を床に落とした。栗がころころと転がった。
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