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自由に向かいましょう第2話

この話は約1847字。当サイトでは第1〜3話を試し読みできます。

ダミアンの顔が険しくなった。

「気を引くためのゲームのつもりか?」彼は冷笑した。「芝居はよせ、エララ。子供じみているぞ」

「子供じみてる?」

私はその言葉を繰り返し、噛み締めた。

「そうね。私は子供じゃない。何が馬鹿げているか、もう十分に分かる年齢よ」

「いい加減にしろ」彼の声には警告が含まれていた。「レオには君が必要だ。一時的な感情で彼を見捨てることなど許されない」

「私が必要?」私は振り返り、彼の目を真っ直ぐに見据えた。「それとも、彼には使用人が必要なだけ?」

「何を言っているんだ?」

「事実を言っているのよ」

私は金庫に歩み寄り、暗証番号を入力しながら言った。

「8年前、父は私をここに送り込んだ。彼は事業のために、あなたの庇護を喉から手が出るほど欲していた。取引は単純だったわ――私があなたの息子の世話をする。その見返りに、あなたが私の家族を守る」

ダミアンの表情が変わった。「それだけではないはずだ」

「もちろんよ」

私は鍵と帳簿のコピーを取り出した。

「私は『彼女』にならなければならなかった。彼女の幽霊に。彼女の服を着て、彼女の香水をつけて。あの忌々しい笑顔まで真似をして」

「エララ――」

「でも、あなたは決して私に正式な立場を与えなかったわよね?」

私は彼の前のデスクに鍵と書類を置いた。

「この8年間、私の公式な肩書きは『後見人補佐』。名ばかりの、ただの高級な使用人よ」

ダミアンはそれらの品を凝視した。屋敷のマスターセキュリティキーと、ファミリーの財務帳簿のコピーだった。

「財務記録を調べたのか?」

「調べたですって?」私は鼻で笑った。「ダミアン、あなたが私に家計を任せたのよ。当然、すべての項目を把握しているわ。あなたが毎月、私の父に送金している『お小遣い』も含めてね」

彼は数秒沈黙した後、突然私の手首を掴んだ。

「わかった。何が望みだ?肩書きか?」彼の声は強張っていた。「ヴォルコフ夫人になりたいのか?いいだろう。私と結婚しろ。この家の真の女主人になれ」

私は手首を掴むその手を見た。

彼はまだ指輪をはめていた。彼女と結婚する時の指輪を。彼女は8年も前に死んでいるというのに。

「離して」

「私は本気だ」彼は万力のように握力を強めながら低く言った。「金。権力。地位。言ってみろ。すべて君に与えてやる」

「私が欲しいものは、あなたには絶対に与えられない」

私は力任せに手を振りほどき、ドアの方へ後ずさった。

「何が望みなんだ?」彼の声には微かな焦燥感が混じっていた。

「自由よ」

その言葉は、銃弾のように彼を撃ち抜いた。

ダミアンの顔が石のように硬直した。

「自由だと?」彼は嘲笑った。「私は君に豪邸を与えた。高級車も。上限のないブラックカードもだ。世の女たちは、君の生活を手に入れるためなら人殺しだってするだろう」

「だったら、その女たちの誰かを探せばいいわ」

私はドアノブに手を伸ばしたが、鍵がかかっていた。

ダミアンはポケットから鍵を取り出し、冷たい笑みを浮かべた。

「理知的に話し合えると思っていたんだがな」彼は帳簿のコピーを細かく引き裂きながら言った。「だが明らかに、君には頭を冷やす時間が必要なようだ」

紙切れが雪のように床へと舞い落ちた。

「私を閉じ込める気?」

「私は家族を守っているだけだ」

彼はドアの方へ顎をしゃくった。

「そしてそれには、君自身から君を守ることも含まれている」

足音が近づいてきた。2人のボディガードがドアの前に現れた。

「彼女が正気を取り戻すまで、何人たりともこの部屋への出入りのは禁止だ」ダミアンは命じた。

ドアが乱暴に閉められた。

私はアトリエに一人取り残された。周りには私が丁寧に集めたアンティークが並んでいる。

しかし今や、それらは牢獄の装飾品にしか見えなかった。

私は窓辺に歩み寄り、眼下の庭園を見下ろした。

そこには小さな記念碑があり、日付が刻まれていた。2016年4月15日。

クリスタが死んだ日。

そして、私がこの家にやって来た日。

私たちのいわゆる「記念日」は、決して私のためのものではなかったのだ。

それはダミアンとクリスタの結婚記念日だった。

そして私は、その特別な日に連れてこられた、彼女の影に過ぎなかった。

8年。私は8年間も、嘘の中で生きてきたのだ。

突然、鋼鉄の玉が私の額に命中した。

その痛みに、私は弾かれたように振り向いた。

向かいの建物のバルコニーに、パチンコを手にしたレオが立っていた。

「まだ居座る気か?」彼の声は悪意に満ち、毒々しかった。「次は鉄の玉じゃないぞ。弾丸だ。お前の眉間をぶち抜いてやる」

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