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結婚して七年、夫は息子を連れて再婚した第2話

この話は約1889字。当サイトでは第1〜3話を試し読みできます。

家に戻って間もなく、両親が大量の贈り物を車に積んで押しかけてきた。

高圧的な口調で言った。

「この贈り物は全部、私たちが自分で選んだものよ。もう千紗は蒼介と結婚したの。これ以上騒ぎ立てたって、あんたのためには何一つならないのよ」

「そういうことだから、これからは蒼介が千紗と過ごしたあと、あなたのところにも顔を出すの。おとなしく『愛人』でいればいいじゃない」

その言葉に、思わず口元が冷たく歪んだ。

「愛人?いつの時代の話をしてるの?蒼介に女をあてがいたいなら勝手にすればいい。でも、その相手が私だなんて、冗談じゃない!」

私は彼にもらった結婚指輪を取り出し、二人に投げつけた。

「これを蒼介に返してきて。これから何人女を囲おうと、私には関係ないって伝えておいて」

私があまりに毅然としているのを見て、両親はかえって不機嫌そうな顔をする。

これ以上言わせまいと、私は容赦なく二人を追い出した。

それから、自分の荷物をまとめた。

蒼介と蓮に関する物はすべて捨てる。

人も、思い出も、全部いらない。

夜が明けても、蒼介は帰ってこなかった。

ネットには、彼と千紗の華やかな結婚式の映像が溢れている。

指輪の交換、誓いの言葉、そして友人たちの歓声の中で交わすキス。

二人の表情は初々しく、熱に浮かされたようだ。

私と蒼介が七年も「秘密の結婚」をしていて、五歳の息子までいることを知らなければ――誰だって、彼がこれが初めての結婚だと思うだろう。

スマホの画面を閉じると、蒼介の秘書が玄関に現れた。

笑みを浮かべながら、彼が私に贈った指輪の箱を差し出した。

「神崎社長からの伝言です。――これ以上わがままを言うなら、その『指輪』が『離婚届』に変わるかもしれませんよ」

指先が震えた。

私はその箱を握りつぶしそうになった。

怒りが、はらわたが煮えくり返る。

蒼介は今、千紗と「新婚旅行」の真っ最中だと知った。

私はすぐに一番早い便を予約し、彼の正体を暴くため、彼らの新婚旅行先へと飛び立った。

行き先は海沿いのリゾート――かつて、私と蒼介も訪れた場所だ。

あのとき、彼は背後から私を抱きしめ、「一生、離れない」と囁いた。

その記憶が、今は嘲笑のように胸を刺す。

現実に戻ると、リビングには千紗がいる。

私のネグリジェを身にまとい、ゆっくり階段を下りた。

まるでこの家の女主人のように、ソファに腰を下した。

「ごめんなさい、お姉ちゃん。昨夜は私と蒼介さんの初めての夜だったの。彼、まだ寝ているわ。

今の蒼介さんは私の夫よ。何か話があるなら、私に言ってちょうだい」

千紗は何気なく髪をかき上げ、首筋に並ぶ無数のキスマークを晒している。

目の奥が焼けるように痛み、拳を握りしめた。

「そんなに自信があるの?彼が『あなたの夫』だって?」

私はバッグの中にある彼がくれた指輪の箱に手を伸ばそうとした。

その瞬間、二階から重なる声が響いた。

「「どうしてここにいるんだ!」」

蒼介と蓮が階段を駆け下りた。

父と息子、そっくりな眉と瞳が、同じように警戒の色を帯びて私を見つめた。

千紗の目尻がすぐに潤んだ。

「蒼介、お姉ちゃんがあなたに会いたいって言うから、少し待っててもらってたの。でも、急に私を罵り始めて……」

私はすぐに反論した。

「違う!私はそんなこと――」

言い終わる前に、蓮が勢いよく走り出し、私を体当たりした。

「この悪い女!ママをいじめるな!」

悪い女――?

衝撃で体が固まった。心臓を鷲掴みにされたような激痛が走った。

息子の目に映る私は、ずっと「悪い女」だったのだ。

たまらず言葉がこぼれた。

「蓮……どうしてそんなこと言うの。私はあなたの――」

「もういい!それ以上わけの分からないことを言うな!」

蒼介の怒声が遮った。

彼は私の手首を乱暴に掴み、力任せに外へ引きずり出した。

玄関の影、人の目の届かない場所で、蒼介は私の顎を掴み、低く脅すように言った。

「楓、よく考えろ。俺との関係、そしてお前がようやく手に入れた『お嬢様の座』を。

もし千紗に、蓮が本当はお前の子だと知られたら――お前は一生、息子に会えなくなるぞ」

――本当に、彼は千紗のためならどこまでもやる。

でも、私が欲しかったのは、結婚でも、『お嬢様の座』なんて肩書でもなかった。

蒼介の愛、そして両親の愛――それだけだった。

なのに、一番大切にしてきた者が、一番私を軽んじていた。

胸の奥が締め付けられ、視界が揺れた。

瞬きをした途端、涙が頬を伝った。

その涙を見て、蒼介の声が少し柔らかくなった。

指先で私の目尻を拭いながら、穏やかに言った。

「もういい。いい子にしてろ」

――その背後で、千紗の驚いた声が響いた。

「蒼介……お姉ちゃん……何をしてるの?」

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