私を火の中に置き去りにして、親子は狂った第3話
この話は約1477字。当サイトで読める3話の試し読みのうち、最後の話です。続きの第4話からは公式アプリで読めます。
今さら説明しても仕方ない。
私は淡々とうなずいた。
「どう思おうと勝手よ。私が生きてて、がっかりしたんじゃない?」
「でも大丈夫......」
私は健太の無表情な目をじっと見つめた。
「健太、離婚しましょう」
「あなたを自由にして、本当の愛を追いかけていいわ」
そして翔太の方を向いてじっと見た。
「それからあなたも、望み通り、もうあなたのママじゃないから」
彼らの驚いた顔を見て、私は静かに笑った。
よかった、これでみんな解放された。
振り向いて去ろうとしたけど、健太が私の手首を掴んだ。
彼の声は少し震えていた。
「美咲、どういうことだ?綾乃を先に助けたからって、俺と離婚するのか?」
「お前は無事だったし、妊娠も嘘だったじゃないか。俺はまだ怒ってもいないのに、逆に離婚したいって?そこまでするか?」
私は面倒で黙ったまま、手を振りほどこうとした。
でも彼の手はますます強くなり、手首が赤くなってきた。
ずっと黙っていた一郎が、逆に目を赤くしていた。
彼は怒って健太の手を振りほどき、私を背中に隠して叫んだ。
「僕のママに触るな!ママは手術したばかりで、まだ弱ってるんだ。お前のせいで痛がってる!」
思わず笑いそうになった。彼は小さな虎みたいに、目の前の人を睨んで、自分の力で私を守ろうと必死だった。
でも残念ながら、彼は小さすぎる。だから翔太が飛びかかってきたとき、簡単に押し倒されてしまった。
翔太は拳を振り上げて、一郎に殴りかかった。
「デタラメ言うな!彼女は俺のママだ、お前のじゃない!」
一郎は殴られて反撃できず、頭を抱えて避けていたけど、口では負けていなかった。
「今は違う!ママが言ったんだ、お前が彼女を火事の中に置き去りにして、死んでほしいって!」
「彼女は言ったよ、僕が彼女を助けたから、これからは僕だけのママになるって!」
翔太は一瞬呆然とし、目が少し赤くなっていた。
でもふと下を見ると、一郎の首にある銀の御守りのネックレスが目に入って、また怒りが戻った。
彼はそのネックレスを引きちぎり、握りしめた。
一郎の顔は真っ赤になっていた。
「それは俺のママのだ!お前がつけるな!」
彼は突然顔を上げて、少し祈るような目で私を見た。
「ママ、これ僕にくれるって言ったじゃん?なんで彼にあげたの!」
私は微笑んで、彼を引き起こした。
抱きしめずに、そっと彼を押し返した。
一郎を起こして、服についた埃を払ってあげた。
彼を抱き寄せて、ついでに翔太の手からネックレスをひったくった。
淡々と彼に注意した。
「同じデザインのネックレス、あんたも持ってたじゃない。自分でゴミ箱に捨てたけど」
去年の彼の誕生日に、私は半月かけて勉強して、全く同じ平安ロックのネックレスを二つ作った。叩き続けて手に血豆ができた。
一番上手くできたものを彼にあげて、もう一つは自分の首にかけた。
でも彼は受け取ったとき、見るのも面倒そうに捨ててしまった。
振り返って綾乃がくれた新作のレゴを抱きながら、嫌そうな顔で私に言った。
「ママ、これからはそんな安物を僕に渡さないで」
ゴミ箱に横たわるネックレスを見て、心が張り裂けそうだった。
それでも気まずく笑って、うなずくしかなかった。
今になって、彼は一郎のそれを奪おうとしている。
私が手伝わないのを見て、彼は悔しくて涙まで出てきた。
「ママ、僕このネックレスが欲しいんだ。お願い......」
「好きなら、パパに買ってもらえばいいでしょ」
私は冷静に彼の言葉を遮り、一郎の手を引いて去ろうとした。
振り向くと、健太の暗く沈んだ目と正面からぶつかった。
「美咲、この子がさっき君が手術したって言ってたけど」
「何の手術?」
縦書き表示中:本文は右から左へスクロールします(← → キーでも移動できます)
第4話は公式アプリで
当サイトでの試し読みはここまでです。アプリをインストールし、下のアプリ用コードを入力すると、この作品の第4話からそのまま読み進められます。
R87541- 下のボタンから公式アプリをインストールします(無料)。
- アプリを開き、「コードを入力」にこのコードを入れると、この作品が本棚に入ります。
作品ページへ戻る 当サイトに掲載しているのは試し読みの章だけです。