私はこの子を産んで億万長者になってみせる第2話
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私が何も言わないので、彼はため息をついて、ある場所の住所を送ってきた。
「明日ここへ会いに来い」
電話を切って、その送られてきた住所をマップ検索してみたら、それは西園寺グループの住所だった。
だから西園寺隼の苗字はまさに金持ち社長って感じだと思って、すぐにグーグル検索してみた。
それを見た後、私はにやりと笑い、安心して夢の世界へと入って行った。
西園寺グループの入り口に着いて、西園寺隼にメッセージを送ってから、そこに本物の令嬢である瀬戸愛莉がいるのに気づいた。
本当についてない。
私が転生して間もなく、彼女がいかに横柄な態度で私を追い出したのか忘れることはできない。
更に、私は何度も無実の罪を着せられた。私の育ての親は、長い間本当の娘と一緒にいてあげられなかった申し訳なさから、本物の令嬢である彼女がいくら私をいじめても、何も言わずずっと許していた。
こんなことになったのは、当時瀬戸家の人間がうっかり赤ん坊を取り違えてしまったせいなのに、まるで全て私の責任だという感じだ。
瀬戸愛莉は、本来自分が持つべきものを私に奪われ、辛い思いをしてきたことで私を恨んでいるのだ。
瀬戸家の人間は私が彼らの本当の娘の輝かしい人生を奪ったと責め、彼女が何度も私をいじめるのを見て見ぬふりをしていた。
全責任を私に押しつけ、自分たちは何も悪くないと言わんばかりの、よくある家族愛の強い連中だ。
彼女は私を見ると足を止め、偉そうな態度で「あら、誰かと思ったら、どっかの見すぼらしい子じゃないの。西園寺グループに来られるような身分だったっけ?」と言った。
私は気を落ち着かせて、彼女に言い返そうとしていたところ、突然誰かの声に遮られてしまった。
「彼女がそのような身分じゃないなら、他に誰がここに来られるんだ?
お前か?」
声のする方へ目を向けてみると、全身黒スーツに包まれた西園寺隼が私のほうへ向かって歩いて来た。
「上でお前をずっと待っていたのに、全然上がって来ないと思ったら、こんなところで油を売っていたのか?」
私がそれに返事をする暇もなく、甘えた顔の瀬戸愛莉が彼に返事をした。
「西園寺社長、今から上に行きますわ。わざわざ私を迎えに来てくださるなんて」
西園寺隼は冷たい態度で彼女の妄想を打ち破った。
「誰だ?お前には話しかけていない」
驚愕した様子の彼女を見て、私は思わず笑い声をあげた。
西園寺隼の毒舌は誰彼構わず発揮される。私も最初、彼に一言も言い返せなかったんだから。
「なに笑ってんだ?さっさと俺について来い」
私は急いで彼の後に続いた。後ろで悔しそうにしている瀬戸愛莉を残して私達は去って行った。
オフィスにいた秘書が私にお茶を渡そうとしたが、西園寺隼がそのお茶をただのお湯と交換した。
彼の視線は常に私のお腹の上に注がれていた。
「何か話せよ。口がきけないのか?あの時はとても口うるさい奴だったじゃないか?」
私は身を縮こめ、なるだけ自分の存在感を減らすよう努力していた。「どうするつもり?」
彼は嘲笑って言った。「何がどうするつもりだ?その子供はまだ俺の子だと決まったわけじゃないんだ。それなのに俺にどうしろってんだ?」
私は手と手をこすり合わせながら笑って言った。
「こうなっちゃったんだから、子供の養育費をちょっとくれないかな?」
彼は呆れかえった顔で私を見つめ、指先で携帯を何回かタップした。「瀬戸葉月、お前は相変わらず金に貪欲で好色なやつだな。俺がちょっとの金に困る奴だとでも?今送金してやる」
何を言ってるの、この人。そのお金を拒否するようなバカがいるとでも?
携帯画面に表示された無数の0の数字を見て、私はふふふと笑ってしまった。
お金、お金よ。
その時、まだあと二人いることを思い、すぐにテンションが上がってきた。
西園寺隼は私のだらしのない様子に見るに堪えないらしい。
「さて、お次は一体誰のところに行くつもりなんだ?」
私は、にやついた顔を真顔に戻し、彼の表情を見て恐る恐るこの名前を出した。「桐生蒼真よ」
彼は眉をピクリと上げて、奇妙な顔で私を見た。
「ちょうど俺も桐生グループに行くんだ。一緒に行くか?」
私はそれを聞いてすぐに手を横に振って断ろうとした。そんな恐ろしい場面など想像したくもない。
彼は笑って言った。「遠慮するな。俺は良い人間なんだから」
私はなんとか逃れようとしたが、彼に引っ張られる形でお腹を支えながら車に乗った。
西園寺隼に桐生蒼真のオフィスへと連れて来られて、もはや生きた心地がしなかった。私達二人を見た桐生蒼真はとても驚いていた。
彼は西園寺隼に手を伸ばした。「西園寺社長、どうやら契約の件は日を改める必要がありそうですね」
西園寺隼は後ろから私を引っ張り前に突き出した。「いいや、桐生社長。今日はちょうどある契約について話し合う必要があるんだ」
私はソファに座り、二人の視線が注がれる中、診断書を取り出した。「その、えっと、私妊娠したんです……」
そう言う声はだんだん小さくなっていった。
西園寺隼は何か見せ物でも見るかのように両手を胸の前に組み、桐生蒼真は驚いた様子でその診断書を受け取り何度も見返していた。
最後に眼鏡をクイッと上にあげ、私を見て言った。「私の子ですか?」
私はしどろもどろになり、どう返事をしていいか考えていた時、西園寺隼が皮肉な笑みをこぼしてこう言った。
「桐生社長、何を考えているんだ?あなたはただ33パーセントの確率だ」
それを聞いて桐生蒼真は彼を見て尋ねた。「まだ他にもいるんですか?」
西園寺隼は私のほうを向いて「ああ、こいつに聞いてくれ」と私に聞くようあごで促した。
二人のだんだんと冷めていく顔を見ながら、私は怯えてしまい声を出せなかった。
もし目つきだけで人を殺せるというなら、私はきっと疑うことなくもうすでにこの世には存在していないだろう。
二人は一度お互いに目を合わせ、桐生蒼真が口を開いた。「あと一人は一体誰なんです?」
私は俯いて、両手をぎゅっと交差させて言った。「白鳥……白鳥玲央です」
西園寺隼は笑って言った。「瀬戸葉月、お前の男を見る目は確かだな」
それを聞いた私はすぐに背筋をピシッと伸ばし、得意げにこう言った。「あなたに言われる必要はないわよ。私を誰だと思ってるの?私のこの目はイイ男を測る定規よ」
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