燃える心第1話
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妹もどうやら生まれ変わったようだ。
前世では彼女は京市の御曹司と激しく愛し合っていた。
彼女は授業をサボったり、ケンカをしたり、車を猛スピードで走らせたりしていた。そして最後には、その御曹司のために豪雨の中で命を落とした。
だが、彼女はそのすべてを、私のせいにした。
生まれ変わった彼女は、両親に私を御曹司がいる落ちこぼれクラスへ転入させようと提案した。
「お姉ちゃん、今度はあなたが彼にいじめられて、彼と悲劇の恋をする番よ」
私は笑った。
人は生まれ変わっても、頭まで生まれ変わるわけじゃない。
彼女が百回生まれ変わったとしても、私の相手には到底なれない。
* * *
前世、私は養父母に家族の食事会という名目で家に呼び戻され、生きたまま殴り殺された。
死ぬ間際、彼らの醜悪な顔が目の前に迫っていた。
「もともとお前を養っていたのは綺星のためだ。今、彼女がいなくなったんだ。お前も死ぬべきだ」
私の頭にバットが振り下ろされた。
流れる鮮血が、視界を真っ赤に染め上げていく。
……
暗闇の中から、私は突然目を見開いた。
目に飛び込んできた光景のあまりの鮮明さに、二秒ほど呆然とした。
馴染んだ室内に明るい日差しが差し込み、目の前には養母と妹が座っている。
すぐに、養母の焦った声が耳に届いた。
「綺星、これはどういうこと?あなたがクラス替えを申請したって、先生から電話があったけど。しかも学年で一番の落ちこぼれクラスに?」
向かいに座る妹である陸川綺星(りくかわ あやせ)は、少し間を置いて顔を上げた。
「クラス替え……クラス替え?」
彼女は瞬きをし、何かに気づいたように反応した。
綺星は視線を巡らせ、私を指差した。
「お母さん、先生が勘違いしたの。クラス替えしたいのは私じゃなくて、お姉ちゃんのほう。
十三組には劣等生がたくさんいるでしょ。お姉ちゃんはいつも人助けが好きだから、きっと喜んで彼らを助けに行くわよ」
前世で、綺星は京市に名を馳せている御曹司である周防秋津(すおうあきつ)に一目惚れした。
入学してわずか二ヶ月で、彼女は泣きながら秋津のいる十三組に転入したいと騒ぎ出した。
そこは学年最下位の落ちこぼれクラスだ。
養母はいつも彼女を甘やかし、仕方なく同意した。
その結果、彼女は秋津と七年間も縺れ合うことになった。
最期は彼の酒気帯びの暴走運転に付き合い、豪雨の中で命を落としたのだ。
一方で、私は前世で秋津とほとんど接点がなく、卒業後に数度会ったときに言葉を交わした程度。
だが綺星は、私を目の上のたんこぶのように見ていた。
秋津と彼女の関係が不安定なのは、心の中に私という想い人がいるからだと、綺星は頑なに信じ込んでいた。
今、彼女が私を見つめる目には、隠しきれない悪意と憎悪が宿っている。
私は一瞬で悟った。
なるほど。綺星もまた、生まれ変わったのだ。
彼女の言葉を聞くと、養母は私へと顔を向けた。
「綺星の言う通りだわ。今日中に学校へ行って、あなたのクラス替えの手続きをしてくるから」
一切の疑いようがない口調だ。
私はわかっている。父の恩義があったから、陸川家夫婦は私を養子にした。
しかし彼らは、最初から最後まで、私のことをただ綺星にこき使われる下僕としてしか見ていなかった。
本当の娘として扱われたことなど一度もなかった。
前世では、綺星がどうしてもクラス替えをしたかった。そのため、養母は心配し、私も一緒に行かせようとした。
だが綺星が断固拒否したため、養母もそれ以上は言わなかった。
その後、綺星は得意げに私のもとへ来てこう言った。
「前にあなたがバイオリンのコンクールに出たとき、秋津が授業をサボって見に行ったのよ。そのこと、私が知らないとでも思ってるの?
だから、あなたに彼と一緒にいるチャンスは与えないわ」
私はそんな愚かな姿をただ見つめ、何も言わなかった。
秋津が私のバイオリンのコンクールを見に来た?
冗談じゃない。
彼は恐らく、バイオリンの弦が何本あるかすら知らないだろう。
その噂は、私がわざと遠回しに流したものだ。
目的は、ただ私を綺星に巻き込ませないことにある。
しかし今、彼女は生まれ変わった。
ならば私も、違う舞台で遊んでみるのも悪くない。
その夜、綺星は音も立てずに私の部屋へ忍び込んできた。
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