清楚系腹黒女をかばい続けた夫、離婚後に破産する第2話
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ドアを開けた瞬間、私は完全に呆然とした。
いつもディスプレイケースに飾られていたトロフィーや賞状が全部なくなっていた。
壁に掛けていた私が手がけたポスターも外され、代わりに見慣れない絵が飾られている。
でも一番腹が立ったのは、雨音が私の椅子に座っていることだった。
机の上にはデザイン原稿が山積みになっていて、そばにはコーヒーカップまで置かれていて、まるでここの主人のようだった。
彼女は私が入ってきたのを見ると、一瞬慌てたような顔をしたが、すぐに例の無邪気な顔に戻った。
「雪乃さん、いらっしゃいました。慎一が、ここで一時的に作業してもいいと言ってくださったんです。外がうるさくて、集中できないので」
慎一。
この呼び方が妙に気に障った。
「私のものはどこ?」
雨音は分からないような顔をして、目を逸らした。
「何のことですか?」
「私のトロフィー、賞状、作品よ」
「ああ、それですか。慎一が一度片付けるようにって。ああいうのがあると私がプレッシャーを感じるからって」
私は彼女をじっと見つめてから、振り返って慎一を探しに行った。
彼は何人かのクライアントと会議中で、私がドアを開けて入ってきた時、眉をひそめた。
「慎一、話があるの」
「今は会議中だ、後にしてくれ」
「今よ」
私は有無を言わせぬ調子で言った。クライアントたちは空気を読んで、改めて話し合うことを提案した。
会議室に私たち二人だけになった時、慎一はようやくイライラした様子で口を開いた。
「また何だよ。昨日説明しただろう?」
「どうして私のワークスペースの物が全部なくなってるの?」
彼は少し後ろめたそうな顔をしたが、口調は相変わらず強気だった。
「雨音には静かな環境で仕事をする必要がある。あのトロフィーとかを置いておくと確かにプレッシャーになるからな」
「あそこは私のワークスペースよ」
「会社の中は全部俺のものだ。どう使おうと俺の勝手だろう!」
この言葉で私はビンタを食らったような気持ちになった。
そうだった。ここは彼の会社で、彼が一から築き上げた若林クリエイティブなのだ。
そして私は、名目上はクリエイティブ・ディレクターだが、実際にはただのアイデア要員のようなものだった。
結婚当初、私は技術協力という形で彼の会社に加わったが、株式の持ち分はわずかで、大部分の決定権は彼が握っていた。
私はずっと、最初の利益関係を超えて、私たちの間には本当の愛と信頼があると思っていた。
でも今になって分かった。彼の心の中で私は依然として自由に扱える部下でしかないのだ。
「若林慎一、あなた変わっちゃったんだね」
彼の目に何かが浮かんだが、すぐにいつもの頑固な顔になった。
「俺は変わってない。お前が気にしすぎなんだよ。場所を貸すだけのことで、そんなに騒ぐことじゃないだろ」
私は会議室を出て行った。心の中で決心していた。
彼が私の気持ちを気にかけないなら、私ももう我慢することはない。
その後数日間、私はわざと慎一を避けるようにした。
朝は彼より先に家を出て、夜は彼が寝てから帰って、二人でいる時間をなるべく作らないようにした。
でも意外なことに、雨音の方から私に近づいてきた。
彼女が私の臨時オフィスのドアをノックした時、顔にはあの真面目そうな笑顔を浮かべていた。
「雪乃さん、私のことを誤解されてる気がして、本当にただ勉強したいだけなんです」
私は顔を上げず、画面から目を離さなかった。
「勉強するのに人の場所を取る必要ないでしょ」
彼女は私の向かいの椅子に座り、親しげな口調で話した。
「実は私、ずっと雪乃さんの作品に憧れていたんです。同じ会社で働けるなんて、本当に光栄です」
「本当に憧れているなら、私の企画を自分の作品として使ったりしないはずよ」
雨音の一瞬だけ表情が曇ったが、すぐにあの無邪気な笑顔を取り戻した。
「雪乃さん、誤解です」
「慎一があの企画案は会社の共同制作だと言って、私に発表させたのは私のプレゼン能力を鍛えるためだったんです」
私はようやく顔を上げて彼女を見つめた。
この女の子は確かに美しかった。肌は白く、顔立ちも整っている。
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