海景マンション怪談第1話
この話は約1401字。当サイトでは第1〜3話を試し読みできます。
私はライブコマース配信者で、格安で海の見えるマンションを借りた。そして、大学の同級生も一緒に誘い込んだ。
しかし、入居して間もなく奇妙な出来事が起こり始め、マンションから次々と不可解なルールが通知された。
「一、以下の内容を信じないでください」
「ない」の部分が線で消されていた。
「二、本ステーションは、海景マンションのすべての正常な住民にサービスを提供します」
「三、宅配ボックスを暴力的に開けないでください」
……
その後、ステーションやエレベーター、封鎖された部屋で、ルールを破った者が次々と命を落とした。
* * *
「9月20日、深夜」
深夜0時、宅配便が届いた。
手のひらサイズの箱を見つめると、そこには青い文字でこう書かれていた。
「紅島ステーション、受け取りをお願いします」
好奇心に駆られ、私はハサミも使わずに箱を手で破いた。
中には粗末なボタンが1つ入っており、あまり価値があるようには見えない。
ボタンの隣には一枚の紙が静かに置かれていた。
「緒方真帆へ」
眉をひそめて封筒を開けた。
「おめでとうございます。選ばれたあなたは、これからの期間、以下のルールを必ず守ってください。私たちはあなたの安全を保証します」
「一、受け取った物の中身は誰にも話さないでください」
「二、このマンション内で生鮮食品を食べないでください」
「三、問題がある場合は管理人が助けます。なので袖口に青いボタンがついている管理人を探してください」
「四、袖口に青いボタンがついた人の言うことを信じないでください」
「青い」という部分は太く、何度も書き直したように見えた。
「五、昼間は海で泳がないでください」
海の近くのマンションなので泳ぎに行くこともある。しかし、なぜ私が夜の海を泳ぐ習慣を知っているのだろう。
「五、ボタンの色を変更しないでください」
同じ番号だが、違う字体で書かれていた。
「六、手紙に書かれているすべての内容を信じてください」
「七、0時以降はマンションへの出入りが禁止されます。解除通知があるまで外に出ないでください」
冗談だろう!私は手紙を丸めてゴミ箱に投げ捨てた。
私は緒方真帆で、今年大学を卒業したばかりだ。でもまだ良い仕事が見つからず、ショッピングサイトのライブコマースをしている。
夜11時過ぎ、ソファにだらしなく座りながら、目の前に積まれたカップラーメンの荷造りをしていた。
突然、ドアを激しくノックする音がした。
ドアスコープから外を見ると、灰色の作業着を着た男が立っていた。黒いキャップが深く顔を覆っており、表情が見えなかった。
キャップには「紅島ステーション」のロゴがついていた。
今日の広告を見るまで、そんなステーションがあることすら知らなかった。
23:59。
こんな時間に配達?
男の帽子のツバが長すぎて、表情が全く分からない。
一瞬で、「夜中の宅配便を装った強盗」や「配達員を装った殺人犯」などのニュースが頭をよぎった。
「荷物はドアの前に置きましたよ」ドアの外から声が聞こえた。
そのまま去るのを待っていたが、足音は一向に聞こえない。
再びドアスコープを覗いた瞬間、戦慄が走った。
青い瞳が、ドアスコープの向こう側でこちらを見つめていたのだ。
瞳が大きく開いたり閉じたりしており、ドア越しでもその呼吸を感じることができた。
私と目が合うと、「笑」った。
粗い顎の上で唇が引き裂かれ、不気味な笑顔を作り出した。
その光景が頭に焼きつき、思わず震え上がった。
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