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死後3年目、ようやく私の冤罪は晴らされた第3話

この話は約1671字。当サイトで読める3話の試し読みのうち、最後の話です。続きの第4話からは公式アプリで読めます。

かつて晴臣は、私のことを誇らしげに語ってくれていた。東都中央大学で最年少の考古学者として認められていた私は、実力も実績もあった。だからこそ晴臣の心を射止めることができたし、やがて私たちは結婚して、考古学者夫婦として注目されるようにもなったのだ。

私たちの夫婦生活はいつもべったりというようなものではなかったが、平穏で、喧嘩ひとつしたことがなかった。

そんな私たちが初めて激しくぶつかったのは、私が死ぬ半年前のこと。晴臣が突然、「考古調査隊に新しいメンバーを加えたい」と言い出した。そして、その人物こそが、海外から戻ってきたばかりの彼の後輩――紗奈だったのだ。

しかし、東都中央大学の考古調査隊は、毎年個人の能力を基準に選抜されるため、特別扱いや推薦枠などは、これまで一度も認められたことはなかった。そのうえ、その年の選考はすでに終わっていた。

私は晴臣と、結婚して以来初めてとなる激しい口論をし、晴臣を、紗奈に何か特別な感情でもあるのか、と問い詰めた。

そう問い詰める私に、晴臣は「疑い深すぎる」と私を罵り、紗奈はただの後輩で少し気にかけてやっているだけだ、と言った。

結局、その口論は晴臣が何も言わずにドアを強く閉め、出て行くことで終わった。

あんなにも感情をむき出しにする晴臣を見たのは、それが初めてだった。

普段の彼は、私に対しても周囲の人間に対しても、いつも淡々としていた。だから周りの人たちも、彼を感情に流されない落ち着いた人、だとよく褒めていた。

でも今なら分かる。それは冷静だったわけではなく、ただ、私のことをそれほど大切に思っていなかっただけなのだ。

結局、紗奈は考古調査隊に加わった。晴臣が上層部をどう説得したのかは分からないが、そうなった以上、私も受け入れるしかなかった。

それからの半年間、私と晴臣との関係は氷のように冷え切った。

私は紗奈に対して好感を抱いてはいなかったが、特に意地悪をするつもりもなかった。それに、紗奈には才能があると感じたため、私自身のプロジェクトに参加させるなど、正当に評価しようと努めた。

そして3年前、あの新たな遺跡が発見された。私はいつものように調査隊を率いて初期調査を終えると、いくつかの出土品を東都中央大学へ持ち帰り分析を進め、本格的な調査を1週間後に始める予定でいた。

だが翌日、私はふと、もう少し詳しく調べるために、追加でいくつかの出土品を持ち帰ろう、と思い立ち、誰にも告げず、一人で遺跡へ向かった。

そこで、まさかあんな現場に遭遇するとは思いもしなかった。

数人の男たちが、遺跡から出土品を運び出していて、少し離れた場所では、紗奈がその男たちのリーダーと思われる人物と話をしていたのだ。

考古学者である私は、紗奈が出土品を文化財密売組織に流そうとしているのだと、一瞬で理解した。

しかも、彼らの手際の良さを見る限り、こんなことをするのは今回が初めてではないということも明らかだった。

この半年間、なぜか出土品の記録と数が合わなかったことに、私は違和感を抱いていたのだが、その理由も瞬時に判明する。

私は静かに遺跡から抜け出し、警察へ通報するつもりだったのだが、不注意にも物音を立ててしまい、彼らに気づかれてしまった。

紗奈は密売組織の人間たちと共に私を拘束した。そして――20回以上も刃物で私のことを滅多刺しにしたのだった。さらに、彼らは私から身元の特定ができるものはすべて奪い、それだけで終わらず、遺跡の中心部に爆薬まで仕掛けた。

「人は金のために命を懸けるもの。あなたが私の邪魔をするなら、容赦する理由なんてないのよ」

紗奈はそう言い残すと、男たちを先に逃がし、自分だけが奇跡的に脱出したように見せかけた。そして、私がすでに逃亡したという、あの嘘を作り上げたのだ。

あの時の私は、もうわずかに息が残っているだけで、その後すぐに起こった爆発の衝撃で意識を失い、次に目を覚ました時には、もう肉体を失った魂になっていた。

土の中に埋もれたまま、私は3年もの時を過ごした。

そして今日、ようやく私の遺骨は日の光の下へ戻ってきたのだった。

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