株と空約束で同僚を騙す社長第3話
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これから、小森可偉は毎日残業し、夜中まで食材を切り続けていた。
だが、彼がどれだけ努力しようと関係なく、私は定時になればさっさと退勤していた。
他の同僚も少しはやる気を見せたものの、30日間も高強度の労働を続けられる者はほとんどいなかった。それは寺田社長にとってはむしろ都合が良かった。
寺田社長の考えでは、毎月1度の会議で少し励ましの言葉をかければ、スタッフたちは1週間か10日くらいは勤勉になる。それだけでも、レストラン全体の利益を少しは向上させられるというものだった。
その月の決算をまとめてみると、確かに全員が経費削減に努めたことがわかった。
例えば、水道代や電気代を節約し、ティッシュや割り箸の使用量も控えた。また、お客様に無料で提供する梅ジュースの量まで減り、さらには食材費用まで削減されていた。食材費はレストランのコストの大部分を占めるため、寺田社長はこれを非常に喜び、「社員に空約束を与えたのは正解だった」と自画自賛していた。
全員に目標ができたおかげで、サービスも以前より格段に良くなり、ネット上でも高評価が続出していた。その結果、ユーチューバーたちも注目し始めた。
そんな中、人気のあるグルメレポーター「小リンゴの美味探訪」が火鍋専門店でのライブ配信を終えた帰り道に、偶然深夜のうちのレストランを見つけた。
彼女は厨房でまだ誰かが働いている様子を見て、視聴者にこう呼びかけた。
「わぁ、みんな見て!この店、最近ネットで話題になってるけど、なんと深夜2時にもまだ作業してる人がいるのよ!ココスの労働時間といい勝負じゃない?ちょっと覗いてみようか?コメントでアイデアを教えて!何が見たい?」
ライブ配信のコメント欄には視聴者たちが盛り上がり、10分も経たないうちに、視聴者数が3,000人以上増加した。
【コメント欄】
「また小リンゴがやらかす気か?」
「サービスが本当にいいのか見てみよう!深夜に追加注文したら、対応してくれるのかな?」
「いやいや、厨房の衛生状態をチェックしろよ。小リンゴの配信で無傷で終わる厨房なんて見たことない!」
コメントがどんどんヒートアップする中、小リンゴも興奮を隠せなかった。
四川料理店のうちのレストランは、料理の味が絶品で、最近ネット上で高評価を受けているだけでなく、サービスもココスに匹敵すると評判だった。
もしこのレストランの弱点を見つけられなければ、そのまま高評価として紹介し、宣伝費をもらえばいい。
逆に何か不備を見つけたら、この注目度を利用してさらに自身の評判を上げられるだろう。
努力する人は、やはり強い、と小リンゴはそんなに考えた。
「フフフ、厨房、いくわよ!」
男性カメラマンは小リンゴに続き、レストランの中へ入っていった。
深夜の店内は客もおらず、ホールの照明も消されて薄暗かった。
カメラが店内の環境をぐるりと映し出す。
「みんな、聞いて!シェフはすでに退勤してるみたいね。炒め物は火鍋みたいに作れるわけじゃないから、今からの注文は難しそう」
そして、カメラが薄暗い場所で脚立を登る人影を映した瞬間、コメント欄が爆発した。
【コメント欄】
「ちょっと待て、あれ人だよね?泥棒じゃない?」
「バカじゃないの?泥棒が脚立に登る?」
「あの人、暗闇で何やってんだ?」
カメラマンが大きな声で叫んだ。
「おい!そこの脚立の上、何してるんだ!」
声に気づいた小森可偉は、客が来たことに戸惑いつつも、手に持っていた布巾を片手に脚立から降りてきた。そして深夜に訪問してきた2人を困惑した表情で見つめた。
だが、年末に株を手に入れるという目標を胸に、彼は笑顔を絶やさないように心掛けていた。
配信画面のコメント欄は一気に好意的な言葉で埋まった。
【コメント欄】
「深夜2時なのにこの笑顔!噂は本物だな」
「もし俺がオーナーだったら、めっちゃ嬉しい」
「これが運がいいってやつだな!」
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