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果てない夜、揺らめく心第3話

この話は約1937字。当サイトで読める3話の試し読みのうち、最後の話です。続きの第4話からは公式アプリで読めます。

鈴奈が再び目を覚ましたのは、病院だ。

看護師が彼女の手の甲に刺さった点滴を調整しており、彼女が目を覚ましたのを見ると口を開いた。「森田さん、やっと目を覚ましましたね。けがが重く、入院して経過を見ていただく必要があります。ご家族にも連絡を取らなければなりませんし、医療費も……」

鈴奈は天井を虚ろに見つめ、何の反応も示さなかった。

看護師がもう一度繰り返した。「森田さん……」

「医療費はもう支払いましたが」

低く、鈴奈の心臓が締め付けられるほど聞き覚えのある声が、病室の入り口で響いた。

鈴奈は慌てて顔を向けた。そこには黒いスーツに身を包んだ慎也が、背筋を伸ばして病室の入口に立っている。

看護師はその様子を見て、病室を出て行った。

慎也は歩み寄り、彼女の包帯の巻かれた傷を視線でなぞり、手を伸ばして彼女の額に触れようとした。

鈴奈は首を横に振って避けた。「千代田社長は日々多忙でしょ。関係のない人間の看護に来る必要はないじゃないの?」

その言葉に、慎也の動作が一瞬止まった。

「俺が来なければ、他に誰か来るのか?」

その一言は、最も鋭い刃のように、鈴奈の心の奥底を突き刺した。

そうだ。自分には他に誰がいるだろう?

母親は早くに亡くなり、父親は寧音をひいきし、義母は偽善的だ。その家はとっくに自分の居場所ではない。

彼女は気まぐれで反抗的な振る舞いで自分を偽り、誰も必要とせず、何事も気にしていないふりをしてきた。

この三年間、慎也が幾度となく彼女が必要とする時に現れた。彼女は彼に頼ることに慣れ、後ろ盾を見つけたと錯覚してしまった。

しかし今、自らの手で彼女を深淵へと押し戻したのも、また彼だ。

鈴奈は痛みに麻痺しながら言った。「誰も来なくても、あなたが関わる必要はない。あなたが言ったでしょ、私たちはもう終わったって!千代田社長、私はそこまで自分を卑下したりしない。あなたが私を好きじゃないと言ったのに、私が死に物狂いでくっつくと思う?」

彼女は深く息を吸い、最後の誇りを必死で保ちながら、反撃した。「あなた、本気で私が好きになったと思ってるの?ただの冗談よ。あなたとは体の関係だけだと私も思ってるの。私が元気になったら、もっといい男を見つけるわ!」

慎也は、彼女がわざとらしく凶暴に振る舞いながら目尻を真っ赤にしている様子を見て、眉がかすかにひそんだ。

そのとき、急ぎの足音とともに看護師が入ってきた。「千代田さん、森田寧音さんの検査が終わり、ずっとお待ちです」

鈴奈はまるで尻尾を踏まれた猫のように反応した。「彼女のところへ早く行ってよ。私にはあなたが必要ない!」

慎也は数秒黙って彼女を見つめ、やがて口を開いた。声は淡々としている。「俺が来たのは、他でもない。

君は夕美の友人だからだ。彼女が俺に頼んで、君の面倒を見ろって」

鈴奈はついに笑った。

彼女は全身が震えるほどに笑っている。傷口は痛いが、それでも胸の奥の痛みに比べれば微々たるものだ。

「安心して……」と、彼女は笑いを止め、涙の跡で濡れた顔を上げ、氷のように冷たい眼差しで言った。「私、そんな思い込み、してないから」

慎也の胸がわずかに揺れ、深い瞳に一瞬、淡い感情が走ったように見えた。

鈴奈が涙を流すのを、彼が初めて見た。

以前、ベッドでひどく彼に振り回されても、彼女はただ目元を赤くするだけで、決して涙を零さなかった。

今、その顔にくっきりと残る涙を見て、慎也は眉をさらにひそめて喉を動かしたが、結局何も言わず、看護師に続いて病室を出て行った。

彼の決然とした背中を見つめ、鈴奈はついに力尽き、病床に崩れ落ち、涙が枕を静かに濡らすままにした。

いつまでも泣き続けると思っていたのに、妙なことに、涙はすぐに乾いてしまった。

残ったのは、ただ死んだような冷たさだけだ。

その後数日、鈴奈は病院で一人、自分の世話をすることにした。

傷の手当てで冷や汗をかき、食事は味気なく、かみしめても味がしない。

時折、廊下で看護師たちの囁きが聞こえる。隣のVIP病室の寧音は本当に幸せだと。慎也は細やかに世話をし、食事を自ら食べさせ、夜も付き添い、大事にしていると。

あるとき、彼女はその病室を通りかかり、かすかに開いた扉の隙間から見た。慎也はベッドのそばに座ってリンゴの皮をむいている。寧音は彼の肩にもたれ、優しく微笑んだ。

その光景は、まるで真っ赤に焼けた鉄の杭のように、鈴奈の瞳孔に深く突き刺さった。目の前が暗くなるほど、心臓が痛みで締め付けられた。

しかし、彼女は泣かなかった。

鈴奈の最大の長所は、愛することも、手放すこともできることなのだ。

これから先、自分は慎也のために涙を一滴も流さない。

退院後、彼女が最初にしたことは、ビザの手続きだ。

このところには、もう一刻たりとも留まりたくない。

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