未来からの電話、裏切り者への断罪第3話
この話は約1518字。当サイトで読める3話の試し読みのうち、最後の話です。続きの第4話からは公式アプリで読めます。
目を覚ますと、楓斗と愛音は私の手を握り、ひどく心配そうな顔をして病床の傍らに立っていた。
心の中はぐちゃぐちゃだった。一方は親友と最愛の人、もう一方は未来の私からの電話。
私はいったい、どちらを信じればいいというの?
楓斗は私の蒼白な顔を見ると、真っ先に口を開いた。「優花、火事の時、煙がひどすぎてお前の顔が全く見えなかったんだ。
声を聞いてお前だと思い込んで、愛音を抱きかかえて外に出た。後で間違いに気づいてお前を探しに戻ろうとしたけれど、ロビーに出る前に気を失ってしまって……」
愛音も私の手をギュッと握りしめた。「私も優花のおかげで助かったわ。まさかヤキモチなんて焼いてないわよね?」
私は口元に引きつった笑みを浮かべた。「……まさか」
でも、楓斗が火の中から離れる時、彼が叫んでいたのは間違いなく愛音の名前だった。
どうして彼は私に嘘をつくの?
私は思わず目を閉じ、そっと眉間を揉みほぐした。
「優花、疲れただろう?」楓斗は私の仕草を見て、思いやりたっぷりの顔で言った。「医者が、倒れた時に煙をかなり吸い込んでいるから、今は休む必要があるって言ってたよ」
「それじゃあ優花、お邪魔になっちゃうからゆっくり休んでね。また後でお見舞いに来るから」
愛音は楓斗の言葉に合わせ、二人は私の病室から出て行った。
まさにその時、私のスマホが再び鳴った。
着信画面に「三年後の私」と表示されているのを見て、私はほとんど反射的に電話に出た。
「今のあなたは、もう信じたかしら?」電話の向こうの私が言った。
私はふくらはぎに巻かれた分厚い包帯をじっと見つめ、何も答えなかった。
三年後の私は、ゆっくりとため息をついた。
私は思わず拳を強く握り締め、かすれた声で尋ねた。「楓斗と結婚したら、私は、そんなに惨めな末路を辿るの?」
「生き地獄よ」
「生き地獄」――その四文字が、鋭い刃のように私の心臓を突き刺した。
長い沈黙の後、私はようやく震えた声で言った。「……分かったわ」
電話を切った後。
私はやはり楓斗のところへ行き、はっきりと問い詰めようと思った。
ふくらはぎの痛みを堪え、足を引きずりながら病室を出た。
病室を出て間もなく、楓斗に電話してどこにいるか聞こうとしたその時、突然、微かに艶めかしい声が耳に入ってきた。
その瞬間、全身に雷が落ちたかのような衝撃が走った。
音を辿り、廊下の隅にあるドアが半開きの病室へと視線を向ける。その隙間から見えたのは、熱っぽく肌を重ね、睦み合う二つの影だった。
その二人とは他でもない、親友の愛音と、最愛の婚約者である楓斗だった。
「俺の可愛い小悪魔、寂しかったか」
楓斗は待ちきれない様子で愛音の唇を塞いだ。
愛音はクスッと笑い声を上げた。「優花が病室で寝ているっていうのに、抜け出して私を抱きに来るなんて、随分と冷酷なのね」
楓斗は鼻で笑った。「お前こそが俺の最愛の人だ。優花なんて、親を納得させるためのただの『お飾り』に過ぎない。
俺を満足させられるのは、世界中でお前だけなんだよ」
楓斗の口から出た言葉は、私の知っている彼とはあまりにもかけ離れていて、まるで見知らぬ誰かのもののように聞こえた。
私は本当にただの身代わりで、彼が一番愛しているのは親友の愛音だったのだ……
本当に、反吐が出る。
笑いたかったが、心臓を大きな手で鷲掴みにされたようで、笑うことなどできなかった。
続いて、耳を塞ぎたくなるようないちゃつく声や卑猥な嬌声が次々と聞こえてきた。
三年後の私が、楓斗に蹂躙され、生き地獄のような日々を送ることになる――その言葉の意味を、私は今、最悪な形で理解した。
スマホを手に取り、私は三年後の私に電話をかけた。
「もしもし、このすべてを変えたいの。力を貸してくれない?」
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