捨てられた秘密の恋人第2話
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私はとても居られなくなり、トイレに行くという口実で席を立った。
出て間もなく、修司が私の後を追ってきた。
彼の目には以前の温かさはなく、代わりに冷たさの中に私には理解できない感情が混じっていた。
私の目は少し酸っぱいような痛みを感じ、涙が抑えきれずに流れた。
目の前のこの男が私をただの弄び相手だと思っているなんて、信じられなかったし、受け入れられなかった。
「井上温子」
私の心が震えた。
今や私のフルネームで呼ぶようになった。
彼は私を見つめ、手を伸ばして私の涙を拭おうとしたが、私は身をかわして避けた。
「ごめん」
たった一言だったが、私たちの関係はすでに明らかだった。
修司は一ヶ月以上海外に行っていて、彼に会いたくて、翌日まで待てずに、はしゃいで友人たちのパーティーにやって来たのだ。
まさか、こんな残酷な事実に直面するとは。
「温子、本当に申し訳ない」
私は乱暴に涙を拭った。「修司、さっきの言葉、全く説明するつもりはないの?」
彼は私を見ず、窓の外を見ていた。
「俺は君に何も悪いことをしていない。この三年間、君には十分優しくしてきたと思う」
私は苦笑した。「友佳を好きなら、どうして私と付き合ったの?」
その名前を聞いた途端、彼の表情は一気に冷たくなった。
「俺が彼女を好きだって知ってて、どうしてまだ俺と付き合ってたんだ?それは自分で自分を卑しめているだけじゃないか?」
修司の一言で、私の全身は冷たくなり、彼を罵ろうとしたが、声が出なかった。
突然、彼の電話が鳴り響き、携帯を見ただけで、彼の目はたちまち優しくなった。
「友佳……」
私の予想は当たった。やはり友佳だった。
しかし、私は修司が私を愛していないとは、一度も予想していなかった。
彼の話を聞きたくなくて、私は俯いて個室に戻った。
正彦たちはまだ修司について話していた。
「友佳が戻ってくるからこそ、あいつは急に機嫌が悪くなったんだよ」
正彦は酒を一口飲み、全てを知っているかのように言った。
「今回海外に行ったのも友佳に会いに行ったからだけど、顔すら見られなかったんだと。彼はこっそり遠くから見るのが精一杯だったんだ」
「恋愛してるから友佳のことを忘れたのかと思ってたけど、結局あの女の子もただの弄び相手で、彼の心はまだ友佳にあるんだ」
そうか、彼が今回海外に行ったのは友佳に会うためだったのか。
どうりで毎月海外に行って、出張だと言っていたわけだ。
「修司は何年も友佳のことが好きだったんだ。こっそり彼女の肖像画を描いて、誰にも見られないようにキャビネットに隠してるんだ」
私の頭はガンガンと鳴り響き、皆が修司の秘めたる愛や、彼がどれだけ愛のために尽くしたかを称賛するのを聞いていた。
無理に微笑もうとしたが、体は震えが止まらず、唇を噛み締めて血が出ていた。
正彦は突然話を転換した。
「でもあの彼女はかわいそうだな、女の子の時間を無駄にして、名分も与えないなんて」
正彦は突然私の肩を叩いた。
「温子、さっき冗談を言ったんだ。誰と付き合うにしても修司だけはダメだ。彼の言葉を信じるな、あいつは本当にろくでもない」
兄の言葉が私の心臓を突然鈍く痛ませた。
もう遅い、私は信じてしまった。
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