愛は流星のように、銀河へと消えていく第1話
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父の親友の弟、名目上は「叔父」と呼ばれる荻原宗太(おぎわらしゅうた)と、六年間も秘密の関係を続けていた。
彼と最も激しく求め合っている最中、電話が鳴った。
海外にいる父からだった。
「お前、いつになったら海外に行って柴崎家と結婚するつもりだ?今のお前の評判じゃ、もらってくれるだけでありがたいと思え」
その言葉を耳にした宗太は、動きをいっそう荒くした。
和沙の身体は打ちつけられ、声を抑えるのがやっとだった。
彼女は唇を噛みしめ、必死に声を漏らさないようにして、電話の向こうに慌てて言った。
「お父さん、それ全部デマよ。柴崎家の息子なんて知らないし、その結婚、私はしない」
電話を切った瞬間、息をつく暇もなく、彼女は体ごと裏返され、再び彼の下に押し倒された。
宗太は耳元に噛みつくように囁いた。「和沙、他の男と結婚してみろ、許さない」
そう言いながら、彼は躊躇なく彼女の中にすべてを解き放った。まるで罰のように、痕跡を残した。
* * *
父の親友の弟、名目上は「叔父」と呼ばれる荻原宗太(おぎわら しゅうた)と六年間も秘密の関係を続けていた。それは、芳賀和沙(はが かずさ)にとって密やかな悦びだった。
彼と最も激しく求め合っている最中、電話が鳴った。
海外にいる父からだった。和沙は仕方なく電話に出る。
「お前、いつになったら海外に行って柴崎家と結婚するつもりだ?今のお前の評判じゃ、もらってくれるだけでありがたいと思え」
その言葉を耳にした宗太は、動きをいっそう荒くした。
和沙の身体は打ちつけられ、声を抑えるのがやっとだった。
彼女は唇を噛みしめ、必死に声を漏らさないようにして、電話の向こうに慌てて言った。
「お父さん、それ全部デマよ。柴崎家の息子なんて知らないし、その結婚、私はしない」
電話を切った瞬間、息をつく暇もなく、彼女は体ごと裏返され、再び彼の下に押し倒された。
宗太は耳元に噛みつくように囁いた。「和沙、他の男と結婚してみろ、許さない」
そう言いながら、彼は躊躇なく彼女の中にすべてを解き放った。まるで罰のように、痕跡を残した。
和沙は戸惑い、震える声で尋ねた。
「……もし、妊娠したらどうするの?」
彼は満足げに耳元でくすりと笑った。
「そのまま産めばいい」
激しく愛し合ったあと、宗太は彼女にキスをして、「夜は戻らない」と告げた。
不安を拭えず、和沙はピルを買うために外に出ることにした。
マンションを降りたところで、彼の車が近くに停まっているのが見えた。ドアが半開きになっている。
和沙が彼のもとへ行こうとしたが、彼の腕の中にしっかりと抱かれている女性がいた。顔を寄せ、深くキスを交わしていた。
それは昨日帰国したばかりの、彼の婚約者、浜崎心美(たちばな ここみ)だった。
「彼女とは遊びだよ。
俺が愛してるのは君だけだよ、和沙。
関係を公にできないのは、君のためだ」
宗太の優しい言葉が今も耳に残っている。彼女はそれを信じていた。本気で、彼の仕方ない事情に胸を痛めていたのに。
長いキスが終わり、心美が彼の胸元に寄り添った。
「もうすぐ婚約するのよ。いつになったら和沙ときっぱり切れるの?」
「もう少し待ってくれ」宗太の声には、感情がなかった。
「まさか、本当にあの女を好きになったわけじゃない?」
心美は疑いがかった声で問いかけた。
宗太は薄笑いを浮かべ、冷たい口調で答えた。
「俺が彼女を愛してる?忘れたのか?兄が死んだのは、あの女の父親、翔真のせいだ。
近づいたのは、すべては復讐のため。彼女を徹底的に壊して、翔真への報いを果たすためだ」
心美は笑いながら、彼の首に手を回す。
「知ってるわよ。学生の頃、あなたの言う通りに、あの女を何度もいじめたじゃない。まるで犬みたいに。
あなたの指示通り、彼女の男関係が乱れてるってデマを流して、今や街中みんなが知ってる、和沙は生まれつきの尻軽女って。それでも足りないっていうの?」
和沙は頭が真っ白になった。全身の血が凍りつき、まるで魂ごと抜け落ちたようだった。
かつて彼女を地獄に叩き落としたいじめ、評判を傷つけられる汚い噂、すべて、宗太が仕組んだものだった。
バカみたいに、彼の言う「時期が来たら」なんて信じて、いつか未来をくれると待ち続けていたんだ。
しばらくして、彼の冷たい声が再び響いた。
「もちろん足りない。
俺のために婚約を断らせて、将来誰にも嫁げなくしてやる。父親とも絶縁させて、一生孤独にさせてやる」
心美は妖艶に笑いながら彼に絡みついた。
「はは、そのジジイもぶちギレるわね。でも、本当の話?私を騙してない?」
宗太は心美の顔を両手で包み、優しく言った。
「騙すわけないだろう?証明してやる。君が一番大事だよ」
そう言って、彼は車のドアを勢いよく閉めた。
そしてすぐに、車は激しく揺れ始めた。
車内から聞こえる微かな音。七月の暑さの中で、和沙の歯は寒さに震えていた。
ぼんやりと薬局に入り、避妊薬を買い、無表情で飲み下した。
そのあと、彼女は街角にしゃがみこんで、身体を丸めて、声を上げて泣いた。
あんなにも彼を愛していたのに。心から、純粋な気持ちを差し出していたのに。どうして、こんなに踏みにじられなければならなかったの?
彼女が十歳のとき、父の親友が事故で亡くなり、遺されたのが十六歳の弟、宗太だった。
父は彼を引き取り、「おじさん」と呼ぶように言った。
そのとき、和沙は一目で涼しげな目元の少年を好きになった。
けれど彼は、ずっとそっけなかった。
一年後、彼女はいじめられるようになった。
高校に入ってからも、父は海外勤務が多く、面倒を見てくれるのは宗太だったが、いじめはひどくなった。
服を脱がされ、水をぶっかけられ、写真を貼られた。
「尻軽女」、「恥知らず」と周囲はそう言った。
屋上から飛び降りようとした絶望の瞬間、彼が駆け上がってきて、強く抱きしめてくれた。
「和沙、俺は信じてる」
あの日から、彼女は彼に恋をした。「叔父」だからこそ、気持ちは胸の奥に隠したまま。
大学入試後、和沙が薬を盛られ、ホテルに連れて行かれたとき、彼が助けてくれた。
そしてその夜、二人は一線を越えた。
大学では、彼女の噂はさらに過激になった。ついにはあのデマが事実であるかのように定着してしまった。
だが彼は言ってくれた。「和沙、俺は信じてる。潔白な者は、必ず分かってもらえる」
その言葉を信じ、彼女は恐れなくなった。昼は「叔父と姪」、夜は恋人。そんな秘密の関係に溺れていた。
卒業するまで、下劣な噂は止むことなく、和沙は宗太がそばにいてくれるから大丈夫だと思っていた。
まさか全ての根源が彼自身だったなんて。
その夜、彼女は街角で一晩中座っていた。
朝になり、涙はすっかり乾いていた。
和沙は父の芳賀翔真(はが しょうま)に電話をかけた。穏やかな声で、静かに告げた。
「柴崎家との結婚、受けるわ。
七日後、海外で式を挙げる」
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