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愛の終わり、もう二度と会えない第1話

この話は約1987字。当サイトでは第1〜3話を試し読みできます。

夫の黒川雅人(くろかわ まさと)は、社交界で名の知れたプレイボーイだった。

彼の周りには美人が絶えなかった。

しかし、彼は私に一目で心を奪われ、私のために、周りにいたすべての女を追い払った。

誰もが、私が彼の運命の女性だと言った。

結婚して七年、彼の「子供が嫌い」という一言だけのために、私は七度も中絶を繰り返した。

父の日のその日、出張中のはずの夫が、秘書のインスタに映っていた。

横で子供が元気な声で「パパ」と呼んでいた。

つまり、彼の言う「子供が嫌い」とは、私との子供が嫌いだったのだ。

涙で視界が滲む中、私はある番号に電話をかけた。

「まだ奥さん欲しいの?」

* * *

夫の黒川雅人(くろかわ まさと)は、社交界で名の知れたプレイボーイだった。

彼の周りには美人が絶えなかった。

しかし、彼は私に一目で心を奪われ、私のために、周りにいたすべての女を追い払った。

誰もが、私が彼の運命の女性だと言った。

結婚して七年、彼の「子供が嫌い」という一言だけのために、私は七度も中絶を繰り返した。

父の日のその日、出張中のはずの夫が、秘書のインスタに映っていた。

横で子供が元気な声で「パパ」と呼んでいた。

つまり、彼の言う「子供が嫌い」とは、私との子供が嫌いだったのだ。

涙で視界が滲む中、私はある番号に電話をかけた。

「まだ奥さん欲しいの?」

向こうから、はっきりとした返事が返ってくる。

電話を切り、私は涙を拭った。

その時、雅人の秘書からのメッセージが届く。

ディズニーランドを背景にした、三人の家族写真だ。

子供の顔は、雅人にそっくりだ。

すぐに林綾音(はやし あやね)の言い訳も追ってくる。

「すみません、奥様。間違えて送ってしまいました。誤解なさらないでください。

社長は、父親のいない子を不憫に思って、出張と偽って私たちに付き合ってくださっているだけなんです」

稚拙な芝居に、私は一目で見抜ける。

「気にしなくていいわ。どうせ私生児でしょ。小さい頃から父親がいなくて、誰にでもパパと呼びかけるのは無理もないわ。林さん、ちゃんと教えてあげた方がいいんじゃない?」

次の瞬間、雅人から電話がかかってくる。

「川口真澄(かわぐち ますみ)、何てことを言うんだ!拓は私生児なんかじゃない、僕の子だ」

その言葉に、私の凍りついた心がまた鋭く痛んだ。

「君のために、周りの女を全部断ってきた。綾音だってそうだ。

彼女は僕たちの邪魔になるのを恐れて、一人で海外で拓を産んだ。母子だけでどれだけ辛い思いをしてきたと思う」

雅人には、彼女たちの七年間の苦労は見えても、私が七度も中絶を重ねてきた苦しみは見えない。

電話の向こうで、綾音の泣き声が聞こえる。「社長、やはり奥様は、私と拓のことをお嫌いなんですね。私が悪かったんです。拓を産まなければよかったです。生まれた時から私生児のレッテルを貼られてしまうなんて」

「今夜、拓を連れて帰る。これからは、拓は僕が正式に認知した子だ」

雅人の声は疑いようもなく強硬で、私が答える間もなく電話は切れた。

私は呆然とソファに座り、涙が糸の切れた珠のように零れ落ち、服を濡らした。

スマホに保存された七枚のエコー写真が、まるで私の無力さを嘲笑っているかのようだ。

その夜、雅人は約束を果たす。

黒川拓(くろかわ たく)を連れてきた。

もちろん、傍らには綾音もいる。

三人はディズニーの親子お揃いのTシャツを着て、まるで彼らが本物の家族で、私だけが余計な存在のようだ。

雅人は拓を抱き、家の中を見せながら、目に抑えきれない溺愛の色を浮かべている。

「拓、これからはパパと川口おばさんとこの大きなお家に住むんだよ、いいな?」

拓はうなずくと、すぐに綾音を見る。

「ママは?ママも一緒がいい」

綾音は苦りきったように言った。「拓、いい子ね、これからは川口おばさんがママなのよ」

拓は激しく泣き叫び、憎しみに満ちた目で私を睨んだ。

私は腕を組み、無表情で立ちはだかった。

「私に子供はいない。勝手にママなんて呼ばせないで」

綾音は泣き叫ぶ拓を抱き、困惑した様子で雅人を見つめる。

雅人は不満げに眉をひそめ、苛立った口調で言った。

「川口、何をムキになっているんだ!綾音はそんなに思いやりのある女で、自分の子さえも君に譲ると言っているんだぞ?痛みもなく母親になれるなんて、こんな幸運な話はないだろうが」

私は静かに彼を見つめる。

「つまり、黒川、あなたは私が母親になる権利を奪いながら、よその子を受け入れろって?じゃあ、私があなたのために堕ろした七人の子供は、いったい何だったの?」

雅人の顔に、一瞬だけ後悔の色が浮かんだ。綾音はそれを鋭く察知した。

彼女は涙で潤んだ目で拓を抱き上げると言った。「奥様が私と拓を受け入れてくださらないなら、これ以上お邪魔はしません。もう二度と社長のそばに現れません。拓、パパにさようならを、もう二度と会えないよ」

拓は涙ながらに「パパ」と叫んだ。

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