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愛の果ては、他人でした

言語日本語
試し読み第1〜3話(当サイト)
掲載日
読み方横書き・縦書きを切り替え可

『愛の果ては、他人でした』は日本語の小説です。当サイトで第1〜3話を試し読みできます。

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冒頭試し読み第1話より・約500字

友だちとの飲み会。

私は沢村結衣(さわむら ゆい)。テーブルの向こう側で、夫の友人、相原亮太(あいはら りょうた)がふいにフランス語を口にした。

「なあ、お前が外で囲ってるあの子さ、もう妊娠二ヶ月だろ。どうするつもりなんだ?」

その問いを向けられた相手、そして私の夫でもある沢村誠(さわむら まこと)は、ほんの少し口元を上げただけで、顔色ひとつ変わらなかった。「外で囲ってるあの子」というのは、恐らく坂井花音(さかい かのん)のことだ。

まるで聞き慣れた天気の話でもしているみたいに、私の皿に刺身を乗せてくる。

その手つきのまま、同じくフランス語でさらりと言った。

「ゆいは子ども嫌いだからさ。花音にはちゃんと産ませて、子どもごと海外に出すつもり。俺の跡継ぎってことで取っておくよ」

噛みしめたエビは、もう何の味もしない。ただ頬を伝うものだけが、やけに熱い。

「結衣、どうした?」

すぐ隣で、慌てた東国語の声が響く。そっと涙を拭ってから、私はいつもの笑顔を無理やり貼りつけてみせた。

「このピリ辛ソース、ちょっと効きすぎたみたい」

本当は、しょっぱい醤油の味しかしない。

辛いのは舌じゃなくて、胸の奥。

涙の理由はただひとつ。

※作品紹介ではなく、第1話の書き出しをそのまま掲載しています。第1話の続きを読む

目次試し読み3話

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