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愛さなければよかった第3話

この話は約1806字。当サイトで読める3話の試し読みのうち、最後の話です。続きの第4話からは公式アプリで読めます。

それから一ヶ月後、私は妊娠が判明した。

三年前、私が二度目の離婚を切り出した時、元紀はその日のうちに実家へ戻った。

その直後、私は週に一度だけ子どもの神前潤(こうさき じゅん)に会う権利を得た。

結婚して七年、元紀はいつも私の弱みを的確に握り、離れることも逃げ出すことも許さなかった。

私はただ、彼の手のひらで踊らされる滑稽な操り人形になるしかなかったのだ。

そして、今日が三度目だ。

同情してくれたのか、遊真は私の依頼を引き受けてくれた。

私が差し出した戸籍謄本を受け取ると、彼は目を見開いた。

「神前さん、この戸籍謄本は……偽造されたものです。

あなたとご主人は、法的には夫婦ではありません」

「えっ?」

私は勢いよく立ち上がった。聞き間違いだと思った。

「戸籍謄本が偽物だなんて、そんなわけないでしょう? もう一度よく見てください!」

遊真は眼鏡の位置を直し、念入りに確認した。

「申し訳ありません、神前さん。しかし、これは紛れもなく偽物です」

「は……」

私は乾いた笑いを漏らした。けれど、涙は勝手に溢れ落ちてきた。

七年、2555日。私は毎日、何百回も自分に問いかけ続けてきた。

――どうして元紀を信じてしまったのか?

どうして、彼との結婚を承諾してしまったのか?

冷酷非道で、人を思うままに利用するこの神前家という悪魔の住み処に嫁いでしまった。

その現実を受け入れるのに七年かかり、離婚する勇気を振り絞るのに六年を費やした。

なのに今、弁護士の遊真は私にこう告げた。

私と元紀は、そもそも結婚していなかったと。

どうりで、神前家の人々が私を「ふしだらな女」と罵るわけだ。

――なんだ……結局のところ、私は外にいるあの愛人たちと何一つ変わらなかったんじゃないか……

涙を拭い、親切な遊真に礼を述べてから、私はゆっくりと事務所を後にした。

結婚していなければ、別れるのはずっと簡単だ。

ただ、潤のことだけが心残りだ。

潤は私と元紀の子どもで、今年でもう四歳になる。

あの子を産んだ時、私は難産による大量出血で手術台の上で死にかけた。

薄れゆく意識の中で、医者が元紀に「母体と子ども、どちらを優先しますか」と尋ねる声が聞こえた。

元紀は躊躇うことなく答えた。

「子どもだ」

その氷のように冷たい言葉が、朦朧とする意識の中で、私の目を瞬時に覚まさせた。

私は自分に言い聞かせ続けた。

――清子、死んではだめ。元紀に愛されていなくてもいい、あなたには子どもがいるじゃない。

この子には母親が必要なのよ。

その執念だけで、私は死の淵から這い上がることができた。

言ってみれば、潤こそが私がこの世に生きる最大の理由なのだ。

だが、産後二日も経たないうちに、義母の神前文枝(こうさき ふみえ)が強引に潤を連れ去ってしまった。

彼女は言った。「清子、この子をあなたに育てさせないのは、この子自身のためなのよ。

忘れないでちょうだい。あなたは所詮、貧しい田舎から這い上がってきたふしだらな女よ。

この子があなたのそばにいたら、あなたと同じように人から蔑まれるだけよ」

その瞬間、私は抵抗する気力を完全に失った。

――お義母さんの言う通りだ。

私には潤に何もしてあげられない。彼女のもとにいる方が、あの子にとって一番幸せなのだと。

そうやって必死に自分を納得させてきたけれど、夜中に目が覚めるたびに、潤のために用意していた服やおもちゃを抱きしめ、声を殺して泣かずにはいられなかった。

私の泣き声で目を覚ました元紀は、時々潤の動画を送ってくれることがあった。

その動画だけを頼りに、私は三年、すなわち1095日もの時間を耐え抜いた。

潤が一歳になってようやく、文枝は週に一度の面会を許可してくれた。

そして、今日がその約束の日だ。

神前家の屋敷に着くと、中はひっそりと静まり返っている。

ドアの外で十分以上声を張り上げたが、誰も開けてはくれない。

そう、元紀の「妻」として七年過ごしてきたにもかかわらず、私は未だに神前家に自由に出入りする資格すら与えられていないのだ。

通りかかった使用人が見かねて教えてくれたところによると、潤は朝早くに元紀に連れ出されたらしい。

私は苦笑した。わかっている、これは元紀なりの私への罰なのだ。

ここ数年、私が少しでも意に沿わないことをすると、彼は決して潤に会わせてくれなかった。

そのたびに私は頭を下げ、プライドを犠牲にして子どもに会う権利を乞うてきた。

私は深く息を吸い込み、潤のために元紀に電話をかけた。

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