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愛が燃え尽きるとき第2話

この話は約2264字。当サイトでは第1〜3話を試し読みできます。

桜は奏太の初恋の彼女。

かつて彼を捨てて海外へ行き、心ごと持ち去った女。

「奏太、両親はあなたの家の事情を知って、私たちの交際に反対してるの。私だって仕方なかったのよ。お願い、這い上がって迎えに来て」

彼が再び頂点に立った時、彼女はLINEでこう送ってきた。

【奏太、決めたわ。家族と縁を切っても、あなたとやり直したい!】

私が桜と初めて出会ったのは空港だった。

彼女は私が奏太の袖を掴む手を振り払い、そのまま彼の胸に飛び込んだ。

「奏太!家族と絶縁したの!私たち、もう一度始めよう!」

それは十年で初めて、奏太の声に笑みが混じった瞬間だった。

「もう大人なんだから、落ち着けよ」

桜は鼻をくしゅっとさせて無邪気に笑いながら、首を傾げて私を見た。

「この人があなたに付きまとってるっていう、あの目の見えない子?」

そう言うと、彼女はタバコを一本取り出し、火を点け、赤く光る火先を私の手の甲に押し当てた。

私が火傷の熱に反射的に手を引き、思わず叫ぶと、彼女は楽しそうに笑った。

「避けないの?へえ、本当に見えてないんだ。

惜しいわね。自分が私にどれだけ似てるか、見れたらよかったのに」

私が苦しみに震えている間、奏太は彼女のタバコを取り上げただけだった。

「女の子が変なこと覚えるな。タバコは体に悪い」

桜は私の耳元に口を寄せ、ささやいた。

「偽物はどんだけ上等でも偽物よ。

偽物さん、そろそろ私の奏太を返してくれない?」

でも、あの時、私は諦めなかった。私たちは結婚したのだ!

私は彼の正式な妻だ!

しかしその夜、私は日が昇るまで彼を待っていた。

翌朝、奏太が家に戻ってきて荷物を取りに来たとき、彼の体からは桜の香水の匂いがした。

奏太は言った。「桜が帰ってきたんだ。お前はもう席を譲るべきだろ」

彼は離婚を望んだが、祖父の元秘書が忠告した。「もしご自身から離婚を申し出れば、佐野家の財産や会社の一切があなたの手から離れます。ただし、小松さんから別れを切り出せば別です……」

奏太は激怒し、私に無理やり離婚を迫ったが、私は首を縦に振らなかった。

私たちは喧嘩を繰り返し、奏太は家の中をめちゃくちゃに破壊した。

最後に彼は吐き捨てた。

「いいさ、見てろよ。お前がいつまでしがみついていられるか!」

彼はドアを乱暴に閉めて出て行った。私は荒れ果てた部屋で、黙って座っていた。

奏太は知らない。もし私が彼を諦めてしまえば、私が彼のために差し出したすべてが無に帰すということを。

今、私は鏡の中の自分を見ている。

奏太、私はもう行くわ。

……

私は体調が悪いと嘘をつき、桜の誕生日パーティーには行きたくないと告げた。だが奏太はすぐに拒否した。

「昨日人に噛みついて謝ってもないだろ!今日は桜の誕生日だ。きちんと謝れ!」

私は容赦なく車に押し込まれ、首の傷を掴まれて激痛が走った。

彼が私に謝罪を強いたのは、私が桜の腕を引っ掻いたからだ。

昨日、桜は誕生日パーティーの準備と称して仲間を集め、混乱に紛れて私をトイレに押し込んだ。

「このクソ盲目、あんたって本当にしつこいのね!

自分が奏太にとって特別だとでも思ってる?笑わせないで。

ここにいるみんな知ってるのよ。あんたなんて、私がいなかったからって我慢して抱かれてただけの、タダマンよ」

私の髪は何束も引きちぎられ、頭皮から血が滲んだ。呻き声は拳で喉元に叩き込まれ、掻き消された。

桜は冷笑を浮かべ、私の首を締め上げた。

「一言で、あんたを別の男のベッドに送るのなんて簡単なのよ?

山田社長とか、ずっといやらしい目であんたを見てるじゃない。

あ、見えないんだったね、あの脂ぎったハゲ頭も……」

息ができず、私は反射的に彼女の腕を引っ掻いた。

よろめきながら外へ逃げ出し、やっとの思いで奏太を見つけて泣きながら訴えた。

けれどその直後、背後から幽霊のように現れた桜の声が響いた。

「私、確かに気が強いけど、あんな言いがかりはひどくない?

目が見えないっていうから手伝ってあげたのに、私のことを不倫者って罵って、いきなり顔を引っ掻くなんて!」

彼女の声は周囲の注目を集めた。

「私は佐野とやり直したい。でも不倫じゃないわ!

小松、あんたこそ不倫者くせに、よくもまあ被害者ヅラできるわね!

目が見えないからって、周りも見えてないとでも思った?」

周囲の人々が同調し始める。

「桜ちゃん、もういいよ、こういう人ってさ、貧乏育ちでろくな経験してないから、少しでもいい男ができたらしがみつくんだよ」

「それに桜ちゃんがライバルじゃ、他に勝ち目ないからって、可哀想なふりしてるだけでしょ」

私は晒し者のように非難された。震える手で奏太の袖を掴み、命綱のように握りしめた。

でも彼は冷たく私の手を振り払った。「小松、もうやめろよ」

桜は上機嫌に寛大な提案をした。

「じゃあ、このお酒を飲んだら、許してあげる」

私がアルコールアレルギーだと知っていながら、奏太は冷たく言い放った。

「聞こえなかったのか?酒を飲んで詫びろよ」

その酒は、顎を掴まれて無理やり喉に流し込まれた。

次に意識が戻った時、私は見知らぬベッドの上で、熱にうなされていた。本能的な欲求に手探りで触れたのは膨らんだ腹だった。

奏太じゃない。

恐怖と混乱で逃げようと必死に抵抗するも、私はこめかみを強打され、意識が飛びそうになった。

両手を押さえつけられ、どう叫んでも、どう懇願しても無駄だった。

最後には弄ばれた人形のようにベッドに投げ捨てられた。

その瞬間、私はようやく理解した。奏太には、心なんてないんだ。

涙で潰れた声で、封印していたシステムを呼び起こした。

「家に帰りたい……」

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