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愛が尽きる時に散る想い第2話

この話は約1464字。当サイトでは第1〜3話を試し読みできます。

彼は私をベッドに寝かせると、英語の読み物を手に取り、ゆっくりと読み始めた。

私は翻訳家で、耳を慣らすために普段から英語をたくさん聞く必要がある。結婚して以来、瑛翔は毎晩私が眠りにつく前に、こうした英語の刊行物を読んでくれた。

五年間、一日も欠かさず、毎晩。

もちろん、私は彼の時間をこれ以上無駄にしたくなくて、自分からこう切り出したことがある。

「関連資料や動画ならあるから。あなたは毎日仕事で疲れているでしょう、もう読まなくてもいいのよ」

その時、彼は私の額に愛おしそうにキスを落とし、優しい口調で言った。

「でも、俺は詩織のために読みたいんだ。一生ね。

詩織が毎晩眠る前も、毎朝目覚めた後も、見たり聞いたりするものが、すべて俺のことであってほしいんだ」

この五年間、私に関することなら、どんな些細なことでも彼は最優先し、何事も自ら率先してやってくれた。

それに、結婚して何年も経つのに、彼の周りには女性の影が一切なく、友人たちと遊びに行く時でさえ、バーのような場所には決して行かなかった。

瑛翔は若くして傑出し、港市一の大富豪でもある。何年も私のお腹に音沙汰がないのを見た義母は、とっくに彼に何人か女をあてがおうとしていた。

けれど、彼はその度に断り、私のために家族との関係が険悪になることさえ厭わなかった。

その時期、彼の家族も本気で怒り、あらゆる場面で彼に圧力をかけてきた。

やつれた彼の顔を見て、私は一度ならず泣いて彼と別れたいと懇願した。

それでも彼は、その度に私を強く抱きしめ、揺るぎない声で言った。

「別れない。永遠に。何があっても、俺たちは一緒にいるんだ」

かつては、瑛翔のような素晴らしいパートナーを持てた自分を、私自身でさえ羨ましく思っていた。

体の下の感触は温かく柔らかい。我に返ると、いつの間にか瑛翔にベッドまで運ばれていたことに気づいた。

彼は私のために布団をかけ直し、その長い指で私の眉間をなぞった。

私は眉をひそめ、彼の手から逃れた。

「眠いから、やめて」

瑛翔の手は宙で固まり、やがて優しく私の頭を撫でた。

「じゃあ、おやすみ」

月が天高く昇る頃、隣から深いような浅いような寝息が聞こえてくる。私は寝返りを打ちながらなかなか寝付けず、いっそ目を開けた。

瑛翔の慣れ親しんだ安心する香りが私を包み、彼の大きな手は私の腰に回され、強く抱きしめられていた。

彼が眠りながら私を強く抱きしめているのは本当で、そして、彼の心変わりもまた、本当だった。

翌日、瑛翔が公開されたばかりの映画を観に行こうと誘ってくれた。

私が頷くより先に、玄関のベルが鳴った。

執事が入ってきて、ドアの隙間から、白いドレスの裾のようなものが見えた。

「今井社長、お客様がお見えです」

その言葉を聞いた瑛翔は眉をひそめ、ドアの外の姿に気づくと、その声には瞬時に、隠しきれない動揺の色が混じった。

「今日は仕事をしないと言っただろう?なぜ空気が読めない奴が家まで来るんだ?」

私は彼の手に力を込め、なだめるように言った。

「まあまあ、落ち着いて。会社の急用かもしれないじゃない」

私はドアの外の美しい人影に目をやった。

紗希だった。

私が執事に客人を招き入れるよう言おうとしたが、一足先に瑛翔に遮られた。

私が彼を見つめると、彼は視線をさまよわせ、こう説明した。

「詩織、思い出したんだが、会社で急ぎのプロジェクトがあってね。少し戻って処理しないといけないかもしれない。でも安心して、すぐに戻るから。そしたらまた一緒に映画を観に行こう、いいかい?」

私は胸の内に渦巻く感情を抑え、感情のこもらない声で言った。

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