想い人と一緒に転生したら、彼の叔父と結婚することになりました第1話
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川瀬家との縁談が決まったその日、私は両家の取り決めをきっぱりと断って、迷わず川瀬家の叔父・川瀬順仁(かわせ よりひと)を選んだ。
場はどよめいた。
東都では、月野家の令嬢・月野雪菜(つきの ゆきな)が川瀬承太郎(かわせ じょうたろう)を慕っていることは、誰もが知っていた。
恋心を抱き始めた頃から、私は「承太郎以外とは結婚しない」と公言してきた。十年ものあいだ彼の後を追い、自分を見失い、彼の言葉に逆らう勇気もなく、彼の望むままに生きていた。
前世、私は望み通り承太郎と結婚した。
だが挙式当日、門の外で彼に拒まれ、胸元にナイフを突きつけられ、こう言い放たれた。「俺が愛し、結婚したいのはずっと柔美だ。門をくぐりたければ、棺桶に入って来い」と。
月野柔美(つきの よしみ)は私の実の妹。川瀬家が彼女を認めず、彼は私との結婚を強いられたのだ。
それでも結婚後、彼は柔美に似た女を探し続け、公然と愛情を示した。
愛人たちが私を辱め、踏みにじるのを、彼は黙認した。
妊娠中、私は階段から突き落とされ、母子ともに命を落とした。
転生した今生、私は彼から遠ざかり、むしろ彼と柔美を結ばせようと決めた。
ところが意外にも、川瀬家が縁談に同意したその日、彼は狂ったように取り乱した。
* * *
川瀬家に着いたばかりなのに、まさか川瀬承太郎(かわせ じょうたろう)と鉢合わせするなんて思ってもみなかった。
彼はちょうど外から戻ってきたところらしく、友人たちに囲まれていた。
私の姿を見た瞬間、取り巻きが下品に笑った。
「雪菜、お前って本当にしつこいな。毎日毎日あの手この手で承太郎とわざと鉢合わせを狙って、今度は家にまで押しかけてきたのか?」
「月野家にこんな娘がいるなんて恥ずかしいな。ご両親、よく人前に出られるよな」
承太郎も、露骨に嫌そうな顔をした。
「何年も俺の後をつけ回して、散々迷惑をかけてきただろ。今度は家まで来て、一体何のつもりだ?」
「月野家と川瀬家の業務提携が決まって、川瀬おじさんから晩餐会に招かれたの。あなたを探しに来たわけじゃないわ」
「……業務提携だと?」
承太郎の友人たちがざわめいた。
無理もない。提携のことは、まだ公にはされていなかったからだ。
私の祖父と承太郎の祖父は、生死を共にした仲だった。二人の間には約束があった。将来もし両家が提携することになれば、私と結婚した者が川瀬家を継ぐ、と。
私が承太郎を想っていることは誰もが知っていた。だから川瀬家の晩餐会に招かれたという事実は、彼が家業を継ぐと受け取られたも同然だった。
川瀬家ほどの名門で後継者になるのは、決して容易なことではない。
「承太郎、おめでとう!これで将来は社長だな」友人たちが次々と祝いの言葉をかけた。
承太郎は得意げな笑みを浮かべながらも、私を見る目だけは冷たかった。そして、初めて自分から歩み寄り、耳元で低く囁いた。
「俺は前世の失敗を繰り返すつもりはない。結婚したいなら、俺と柔美が一緒にいることを受け入れろ。
名義だけの立場は用意してやる。だが、愛は柔美にしか与えない」
心臓が大きく跳ねた。
そうか。彼もまた転生していたのだ。
我に返って言葉を返そうとしたとき、背後から柔らかな声が聞こえた。
「……お姉さん」
振り向くと、月野柔美(つきの よしみ)が頼りない足取りでゆっくり近づいてきた。
顔色は青白く、いつも以上に病弱そうに見える。承太郎は慌てて駆け寄った。
「柔美、どうして一人で来たんだ」
彼女は身を寄せながら、小さく笑った。「承太郎、お姉さんを責めないで。ちょっと風邪っぽいだけだから。
今日は両家にとって大事な日だから、どうしても来なきゃと思ったの。一人でも大丈夫よ」
その言葉には、私が彼女を放っておいたかのような含みがあった。
案の定、承太郎は憎悪を込めた視線を向けてきた。「柔美はお前の実の妹だろう。体調が悪いのに、一人にしておくなんて……冷たいにもほどがある。
雪菜、お前って本当に薄情だな」
吐き捨てるように言いながらも、柔美を見る目はすぐに優しく変わった。
「柔美、少し休ませてやろう。使用人に生姜湯を用意させる」
そう言って肩を抱き、私の前を通り過ぎるときにだけ、冷たく言い放った。
「さっきの話、よく考えておけ。でなければ、川瀬家の敷居を二度とまたぐことはできない」
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