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彼は初恋と曖昧な関係、私は静かに去った第2話

この話は約1452字。当サイトでは第1〜3話を試し読みできます。

今やっと、久しぶりに友達と楽しく過ごせた。

お開きのとき、友達が口々に文句を言った。「彼氏できたら、私たちなんかどうでもよくなるのかと思ったよ。もう二度とそんなことしないでよね。どんなイケメンでも、友達の方が大事だから!」

私は大きくうなずいて答えた。「今度から、時間さえ合えば絶対行く。もう安心して」

純一と付き合ってから、私は何もかも彼中心で動いていた。

仕事も生活も、すべて彼を中心に回して、自分の世界も、友達も、全部手放していた。

今思うと、本当に愚かな選択だったと思う。

スマホをちらっと見ると、純一から返金通知が届いていた。送ったお金がそのまま返ってきたのだ。

私が家に着いたのは、もう深夜三時を回ったころ。

電気をつけると、ソファに座る純一の姿が目に入った。

一瞬、幻でも見ているのかと思ってしまった。

酔っぱらった私を見て、彼は立ち上がりもせず、呆れたような目を向けてきた。

「葵、嫉妬ならそう言えばいいのに。彼氏がいる女のくせに、こんな時間まで飲んで帰るなんて、みっともないと思わないのか?」

私はふらふらと壁に手をつきながら、ようやくソファにたどり着いた。

純一は私の酒臭さに顔をしかめた。「お前の友達とは付き合うなって言ったよな?またあいつらとバカ騒ぎか?

一花とはそんな関係じゃないって、何度も言ってるだろ。今はただの友達だ。お前もいい加減、あんなことでこんなに飲む必要はない」

私は頭を押さえて、うんざりしたように返した。「勘違いしないで。ただ久しぶりにみんなで集まって、楽しくて飲みすぎただけ」

その言葉を聞いた瞬間、純一の声は一気に荒くなった。「いい加減にしろ。こっちはもう譲歩してるんだ。いつまでその態度でいるつもりだ?限界ってもんがあるんだよ。俺だって忍耐強い人じゃないんだからな」

頭がガンガンして、彼の怒鳴り声が余計に響く。

こめかみを揉みながら、私はつぶやいた。「言いたいこと終わった?じゃ、寝るわ」

純一は息を吸い込み、怒りを飲み込んで、手を差し伸べてきた。

だが私は最後の理性でそれをかわした。

そして、ふらつきながらも別の部屋へ向かい、ドアに鍵をかけた。

その夜、ノックする音も気にせず、私はぐっすり眠った。今までにないほど、静かで穏やかな眠りだった。

朝、目を覚ますと、純一はリビングのソファに無言で座っていた。

顔はまるで雷雲のように暗くて、怒っているのが一目でわかった。

でも、私は何も言わず、淡々と身支度をして家を出た。

私は舞踊団に行って、退団届を出した。

ここにいたのは、家から近かったから。純一のために、何かあってもすぐに帰れるように。

でも、もうその必要はない。

先生には何度も引き止められたけど、私は首を横に振り続けた。

先週、海外のダンスカンパニーに出していた履歴書に返事が来た。合格だった。

そのカンパニーは、昔から憧れていた場所だった。でも私は純一のために、それを諦めてきた。今、ようやく夢を追うタイミングが来た。

退団手続きをしながら、私は親友に電話した。

「おめでとう!」と喜んでくれた後、少しの沈黙のあとに聞かれた。「で、純一くんには話したの?」

私は笑いながら答えた。「いいや、話してない。今回は、私一人で行くの」

手続きを終えた後、私は出国に必要な書類を準備し始めた。

両親は離婚しており、国内には友達数人と純一しかいない。

以前は、純一がいるところが私の家だと思っていた。

でも今は、もう家なんてない。

まるで浮き草みたいに、流れ着いた場所が私の居場所になる。

家に戻ると、純一は出かけるところだった。

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