和紙文幼馴染に騙され転校した俺の逆転劇 · 第3話設定≡

幼馴染に騙され転校した俺の逆転劇第3話

この話は約1280字。当サイトで読める3話の試し読みのうち、最後の話です。続きの第4話からは公式アプリで読めます。

翌日、俺は新しい申請書を持って学校へ行き、ハンコをもらった。

俺の旅立ちを意味する鮮紅の印が、紙の上にしっかりと押されるのを見て、心にぽっかりと穴が開いた気がした。

しばらく呆然としていると、誰かに立ちふさがれた。

結衣が少し眉をひそめていた。

「奏多、家の暗証番号変えた?

昨日、拓真を送った後にすぐあなたの家に行ったんだけど、どうしても開かなくて……」

俺は彼女の言葉を遮り、短く答えた。

「ああ、変えた」

彼女は少し不満そうにしたが、まるで何事もなかったかのように親しげに聞いてきた。

「新しい番号は何?教えてよ、お世話しに行ってあげるから」

俺は淡々と言った。

「必要ない。転校したら、もうここには住まないから」

結衣は俺の手にある折り畳まれた申請書を見て、ハッと思い出したような顔をした。

「忘れてたわ。

奏多、安心して。私も明日ハンコをもらってくるから」

こうして結衣と並んで歩きながら話すことなど、拓真が帝都第一高校に転校してきてからというもの、めっきり減ってしまった。

俺は目を閉じ、名残惜しさを捨てきれないまま、カマをかけてみた。

「俺たちの仲だろ、不安も何もないさ」

結衣は長い間沈黙し、唐突に口を開いた。

「奏多、実は私……」

突然、結衣の背後に拓真が現れた。ノートの束を抱え、甘えるように不満を漏らす。

「結衣、勉強教えてくれるって約束だったのに、どうしていなくなっちゃうの?」

そう言って、彼はノートを結衣に手渡した。

「結衣が作ってくれた学習計画、二ヶ月先まで埋まってたから、それに合わせた資料を準備しておいたよ」

彼は茶目っ気たっぷりにウインクした。

「勝手に見ちゃってごめんね、怒らないでくれる?」

「怒るわけないじゃない……」

結衣の笑顔は引きつっていた。彼女は気まずそうに俺をちらりと見た。

俺が何の反応も示さないのを見て、なぜか少し落胆したような顔をした。

そうか。俺を突き放すと同時に、お前はもう他の奴と未来の計画を立てていたんだな。

ただその未来に、俺の居場所は最初からなかったというだけだ。

俺は必死に表情を取り繕ったが、心の奥底では、鉛を飲み込んだような重苦しさが、果てしなく広がっていた。

掌につめを立て、無理やり自分を現実に引き戻す。

「お邪魔だったな、俺は行くよ」

拓真は今初めて俺に気づいたような顔をし、大袈裟に驚いて見せた。

「あ、奏多さん……

もしかして、僕が結衣と一緒に勉強してるから、不機嫌になっちゃったんですか?

でも、僕は家が貧しくて、奏多さんみたいに恵まれてないから……」

そう言いながら、彼はまたしても泣き出した。

俺は彼の茶番に付き合う気になれず、冷淡に告げた。

「どいてくれ」

結衣の目に浮かんでいたわずかな罪悪感は消え失せた。

彼女は俺の手首を掴み、怒りを滲ませた。

「奏多、何その言い方は?」

彼女は有無を言わせず俺を拓真の前に引きずり出し、怒鳴った。

「拓真に謝って!」

心に残っていた最後の聖域が、音もなく崩れ去り、瓦礫と化した。

今回ばかりは、俺は迷うことなく手を振り上げ、結衣の頬を力任せに張り飛ばした。

「結衣、謝るべきなのはお前だ。

だが拓真にじゃない。俺に対してな」

縦書き表示中:本文は右から左へスクロールします(← → キーでも移動できます)

第4話は公式アプリで

当サイトでの試し読みはここまでです。アプリをインストールし、下のアプリ用コードを入力すると、この作品の第4話からそのまま読み進められます。

R99272
  1. 下のボタンから公式アプリをインストールします(無料)。
  2. アプリを開き、「コードを入力」にこのコードを入れると、この作品が本棚に入ります。
iPhone・iPad
で入手
Android
で入手

アプリで第4話を読む

作品ページへ戻る 当サイトに掲載しているのは試し読みの章だけです。