幼稚園のイベントで、夫が幼馴染の息子の父親になる第2話
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ほどなくして、幼稚園のファミリーデーが正式に始まった。
各家族はあらかじめ用意されたテーブルにつき、立夏は前列に座っている城崎剛をじっと見つめ、しょんぼりと私に聞いた。
「ママ、どうしてパパは私たちと一緒に座らないの?」
娘のふわふわした頬をそっとつまんだ。まだこんなに小さい子を、複雑な問題に巻き込むわけにはいかない。
「だって、ママはドラえもんだよ。どんな問題も解決できるし、だからパパは他の子供を助けるために使われるんだよ」
その時、幼稚園の先生が最初の活動、積み木遊びを発表し、「一番早く完成した子には宇宙船のレゴをプレゼントしますよ!」と微笑んで言った。
立夏は急に目を輝かせ、宇宙船を指差して叫んだ。
「ママ、あれがほしい!」
「よし、一緒にがんばろうね!」
砂時計の砂が流れきろうとする頃、立夏は小さな手を元気よく挙げた。
「先生!完成しました!」
先生が近づいて確認し、表彰しようとしたその瞬間、前列から一人の男の子が「バッ!」と駆け寄ってきた。
神楽だ。
彼は私たちが組み上げた積み木を一気に崩し、胸を張って言い放った。
「これで第1位は僕だ!」
崩れた積み木を見つめる立夏の目に、大粒の涙が浮かんだ。そして、怒りで大きな積み木を掴み、神楽に向かって投げつけた。
城崎剛が駆来た途端に言ったのは、「立夏!どうして手を出すんだ!?早く神楽兄さんに謝れ!」
立夏は頑として言い返した。
「嫌だ!私の積み木を壊したのは彼だもん!彼が悪い!」
娘の後ろにしっかりと立っている私はきっぱりと言った。
「城崎、誰が悪いかは明らかだろう?謝るべきなのは神楽のほうよ!」
その時、小山琴菜が城崎剛の腕を軽く引きながら、穏やかな声で言った。
「剛、もういい。気にしないでおこう。大らかに構えて」
幼稚園の先生が場を和ませようとしたその時、立夏が突然、大粒の涙をこぼしながら叫んだ。
「パパ、どうして守ってくれないの?どうして怒るの?」
その一言に、その場にいた全員が驚きの表情を浮かべ、私、城崎剛、そして小山琴菜の間に視線が行き交った。
城崎剛は顔を紅潮させ、小山琴菜は何か言いたげな表情を浮かべていた。
神楽は腰に手を当て、険しい顔で立夏に言い放った。
「誰が君のパパだよ!勝手に呼ばないで!これは僕のパパだ!」
娘はその言葉にびくっとし、しゃくり上げながら泣き叫んだ。
「パパ!何か言ってよ!」
私は胸が締め付けられる思いで城崎剛を睨みつけ、いつもよりきつい声で言った。
「城崎さん、説明しないの?私たち親子を誤解されてもいいの?」
城崎剛は目を見開き、神楽を抱き上げるとこう言い放った。
「説明も何も、今日は俺が神楽の父親だ!」
その場にいた他の親たちが私と娘を指さし、ひそひそ話を始めた。
「この子、父親を間違えてるんじゃない?」
「前に立夏ちゃん家、家族行事に参加しなかったよね。今回も母親だけ。もしかして不倫とか?」
「聞いたところによると、この城崎剛は大企業の社長で、特にお金持ちらしい。もしかしたら、立夏の母親が城崎剛を誘惑しようとして、それを娘に見られて誤解されたんじゃないかな」
その間、城崎剛は何も言わずに神楽をなだめ、小山琴菜は嘲笑するような目つきを見せた。
泣きじゃくる娘を抱きしめながら、怒りを爆発させたかったが、これ以上立夏を傷つけるわけにはいかない。
その時、誰かが城崎剛に媚びへつらうように言った。
「城崎さんと神楽くん、本当にそっくりですね。親子だってすぐ分かりますよ!」
私は城崎剛の目をちらりと見た。彼の目に一瞬の動揺がよぎり、すぐに笑ってごまかそうとした。その横で、小山琴菜は満面の笑みを浮かべていた。
どうして今まで気づかなかったのか。剛と神楽の顔立ちには確かに共通点がある。
泣き止まない立夏を抱え、私は先生にお願いして休憩室へ向かった。
立夏を落ち着かせ、ようやく彼女が眠りについたとき、私は彼女の腫れた瞼を見て心が締めつけられた。
そっと休憩室を出て、廊下の角で電話を取り出した。
「人事部の山田さん、法務部の木村さん。今すぐ私と城崎剛の婚姻届、離婚協議書、それに辞表を持って、長池幼稚園に来てください。急いで!」
詳細を話し続けていると、不意に悲鳴を聞こえた。それは娘の声だ!
私の心は一瞬で深い奈落へと落ちてしまった。
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