和紙文年下の弟に転生した彼に執着されて · 第1話設定≡

年下の弟に転生した彼に執着されて第1話

この話は約2010字。当サイトでは第1〜3話を試し読みできます。

攻略失敗、飛び降りリセット!手に入れたのは千億円の富豪ステータス、そしてスタートから年下の狼系イケメン付き!

* * *

攻略失敗後、元の世界に戻った私。

しかし、攻略対象の彼は、18歳のイケメン「弟」に憑依した。

彼は一目で私を見抜き、家に連れて帰ってくれと懇願してきた。

まさか深夜に私のベッドに忍び込んで私を「噛む」なんて!

「やめて!犬かよ!」

だが、彼は怒るどころか、悪戯っぽく笑いながら私の手のひらに頭を擦り寄せてきた。

「ワン!」

ただ彼が知らないのはーー実は私には婚約者がいるってこと!

高所からの急落で襲う無重力感に、身体は一瞬痙攣した。

感覚が徐々に戻り、ゆっくりと目を開けて辺りを見回した。

なんと、豪華なオフィスの中にいるではないか!

しかも、高級な本革製の社長椅子を独占中!

「これって......元の世界に戻った?」

状況を把握する間もなく、ドアをノックする音が聞こえた。

「どうぞ!」筋肉反射が頭よりも早く働いてしまった。

すると、端正な顔立ちの男性秘書が入ってきた。

「浅川社長、本日、孤児院への寄付イベントがございます」

「社長?孤児院への寄付?」頭が混乱していた。

その時、耳元でシステムの機械音が響いた。

「おめでとうございます、浅川真奈さん、大当たりですよ!」

懐かしい名前を聞いて、思わず動きを止める私。

攻略ミッションは失敗したはずでは?

「何の大当たり?」

システムの冷たい機械的な声が続いた。

「元の世界が影響を受けないように、

浅川さんが異世界に移動した後、別の人間を代理に送り込んだのです。

代理の人物は、ビジネスの天才でした。

7年でアルバイトの平社員から、会社の女性社長へ――現在の資産は2000億円です」

「2000億円!!」

目玉が飛び出しそうなほど驚いた。攻略成功報酬の20億円の100倍ではないか!

「こんなこと、あり得るの!?」

システムは即答した。「もちろんです。

どうぞご自由に『女性社長ライフ』を楽しんでください!」

機械的な冷静な声のはずなのに、妙に嫉妬めいた響きが混じっている気がした。

突然手に入った2000億円の喜びも束の間、私の脳裏に浮かんだのは、佐藤颯真だった。

慌てて質問した。「システム、私が離れた後......

颯真はどうなったの?」

冷たく返ってくるシステムの言葉。「死亡しました」

「え?」

その直後、システムは私が飛び降りた瞬間の映像を目の前に再生してきた。

「今のところ、颯真の結末は、ヒロインの佐倉遥と愛憎渦巻く関係になり、最終的には二人とも飛び降り自殺。完全に死亡しています!」

システムがそう言い終わると、静かに沈黙した。

目の前に映し出されたのは、あの日の飛び降りの瞬間。私は確かに飛び降り、そして颯真は迷うことなく、そのすぐ後を追ってきた。

しかし最後の最後まで、彼は私の手を掴むことができなかった。

彼の目は今にも裂けそうなほど見開かれ、もう魂のない「佐倉遥」と共に地面へと叩きつけられ、肉塊と化していくのだった。

その瞬間、私の頭上に浮かぶ赤い数字が「99」から一気に「100」に変わった!

......

この光景を見た私は、ただただ呆然。

「私、生きてると彼の攻略の邪魔だったってこと?......死んだら攻略成功するなんて、どういうことよ!?」

同時に、彼の声がどこからか聞こえてきた。

「真奈、お前が死んだって、俺から逃げられると思うなよ!」

彼の顔がまるで目の前にあるかのように迫ってきた。

その瞬間、背筋がぞくっと寒くなり、身体が思わず震えた。

私の異様な様子に、目の前の男秘書の表情は、狂喜から呆然、そして怯えへと目まぐるしく変わっていった。

もしかして、この人、ストレスのせいで精神を病んだのでは?という不安が彼の顔から滲み出ていた。

彼はおそるおそる尋ねてきた。「社長......心理カウンセラーの三浦先生をお呼びしましょうか?」

その一言で我に返った私は、大きく息をついて柔らかな本革製の回転チェアにもたれかかった。

「大丈夫。さっき言ってたイベントって何だっけ?」

秘書はほっと胸を撫で下ろし、きびきびと答えた。

「あ、孤児院への寄付イベントです。社長が寄贈したビルの完成披露式で、院長がテープカットにお越しいただきたいと」

その言葉に、私は改めて「2000億円を持つ富豪である実感」というものが湧いてきた。

「午後に延期して。今はちょっと疲れているの」

生死をさまよったばかりの私は、正直、今すぐテープカットに出かける気分ではなかった。

そんな私の状態を察した秘書は、さすが選び抜かれた人材だけあって、見た目が端正なだけでなく、とても気が利く。

「社長、少し気分が優れないのですね?」

私が弱々しく「うん」と答えた。

彼は納得顔をしつつ、何やら神秘的な口調でこう言った。

「では、社長を『あの場所』にお連れしましょう。リフレッシュできますよ」

「あの場所?」眉をひそめつつ、心の中でこう思った。「まだ何か、私の知らない驚きがあるのか?」

縦書き表示中:本文は右から左へスクロールします(← → キーでも移動できます)