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嫌われた娘は、もう家には帰らない第3話

この話は約1036字。当サイトで読める3話の試し読みのうち、最後の話です。続きの第4話からは公式アプリで読めます。

今年の入学式、クラスの中で私の親だけが来なかった。

両親そろって他県に出稼ぎに行っている同級生が2人いたが、それでもそれぞれ1人はわざわざ帰ってきていた。

それなのに私の両親は、わずか数百メートル先の寮で、引っ越したばかりの有希の部屋の片付けを手伝っていた。

入学式に顔を出すための時間さえ、2人にはなかった。

在校生代表としてステージへ向かおうとしたその時、ふと、両親が険しい表情でこちらに向かって歩いてくるのが見えた。

すると、小学校時代の同級生のお母さんが、嬉しそうに私へ手を振った。

「真季、お父さんとお母さん、道を間違えたみたいね。ちょっと遅れちゃったのよ」

私は皮肉な笑みを浮かべた。

きっと2人とも、知り合いから「親失格」だと思われたくなかったのだろう。だから、仕方なくおばさんに連れられて私の隣まで来たのだ。

母は苛立ったように愚痴をこぼした。「これ、いつまでやるの?有希ちゃんが寮で待ってるのよ。私がご飯を買ってあげないといけないのに」

父は我関せずと腕を組んだ。

「あとでお前が真季ちゃんと一緒に、あの何とかいう入場式参加してやれ。今年はお前があいつを担当する番だろ」

母は、前の生徒たちが記念写真を撮っている様子を見て、眉をひそめた。

「嫌よ。あんな恥ずかしいこと。みんなが見てるじゃない」

「お前が行けよ」

父は当然のように断った。

「俺はあんな目立ちたがりみたいなこと、絶対やらないからな」

2人は声を潜めて言い争い始めた。

先生が私の名前を呼んだことにも、2人はまったく気づいていなかった。

私は誰にも声をかけず、彼らの横をすり抜けて、1人でステージへと歩み上がった。

もし今日、両親と一緒にこの儀式をするのが有希だったら。

2人はこんな態度を取っただろうか。

答えは、きっと違う。

ステージでは、親友が私を待っていた。

両親の態度を話すと、親友は怒りながらも困惑していた。

どうして私の両親が、妹にだけここまで肩入れするのか、彼女には理解できなかったのだ。

私は静かに言った。

「昔は、自分の何がいけないんだろうって思ってた。

だから、ずっと一番を取って、お菓子もおもちゃも買わないで、家事も何でもできるようになって、誰から見ても聞き分けのいい子になろうとした。

でも、それでも2人は変わらなかった。何も変わらなかった。

それで、少しずつ分かったの。親のえこひいきなんて、そもそも理屈の通るものじゃないんだって。

もう、これからは2人を変えようなんて思わない。ただ自分のことを……

孤児だと思えばいいよね」

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