婚約者に裏切られた私は、幼なじみを選ぶ第3話
この話は約1638字。当サイトで読める3話の試し読みのうち、最後の話です。続きの第4話からは公式アプリで読めます。
涙がついにこらえきれずこぼれた。
私はしきりにすすり泣いた。
大介は私を見て呆然とし、手で私の顔をそっと包み、無理やり自分の方を向かわせた。
「俺はたまに帰ってお前の相手をするよ。そのあとで、幸雄のところへ行って世話をする。いいだろ?」
無反応の私を見て、大介はため息をついた。
「恵理子、これが俺の思いつく最善の方法だ。理不尽なことを言うのはやめないか?」
私は深呼吸をし、泣くのを我慢して、気持ちを落ち着かせた。
「めんどくさいわ。考えるだけで疲れる。どうせ別れたんだから、あなたは彼女と子供のそばにいればいい。私のことなんてどうでもいいじゃない」
彼は強引に私の肩を掴んで向かせた。ただ拗ねているだけだと思っているようだ。
「恵理子、本気なのか?」
私はこれ以上揉める気はなく、振り返って車に乗ろうとした。
すると彼は突然私を強く押した。「お前、ようやく本性を現したな?俺に向かってお嬢様気取りか?」
私の頭が車に衝突し、つまずいてバタリと地面に倒れた。
大介の瞳に悪意が宿り、そのまま背を向けて去っていった。
早苗はいつの間にか近くに来ていて、大介に文句を言っていた。
「恵理子は本来、立派なお嬢様なのよ。少し気性が荒いくらい、当たり前じゃない?譲ってあげなさいよ」
大介は冷ややかに笑い、手をふらっと早苗の腰に回した。
「そんな義理はないぜ?最初から彼女が俺をアプローチしてきたんだ、今さら生意気なことを言っておかしくない?」
言い終わると、私を冷たく一瞥し、また優しく早苗の方を見つめた。
「やっぱりお前がいい、思いやりがある。もし恵理子が母になったら、あの気性じゃ絶対てんてこ舞いになる。想像するだけでイライラする」
二人がじゃれ合う姿が吐き気を催し、私はもう構う気にならず、そのまま車を発進させた。
さっきの一連の出来事が頭から離れない。
心に刺すような痛みが走り、息をするのも苦しくなった。
このタイミングで携帯が鳴り、着信表示には大介の母親の名前が出ていた。
「恵理子ちゃん、聞いたわ。大介が結婚式を取りやめたって。このことは確かに彼が悪いわ。私たちを欺いて、孫がもう二歳になってからやっと白状したなんて。
私はこう思うのよ。あの子ができたのも偶然だから、恵理子の養子にすればいい。大介の心に君がいる限り、結婚に影響はないわ。
それに早苗も承諾してるの。君と争うつもりはないから。大介の婚約者は君よ。それでもダメなら、私が孫を育てるから、君の目に余ることはないわ」
私の喉が詰まり、しばらく休んでからやっとかすれた声で口を開いた。
「おばさん、私と大介は完全に別れました」
その言葉を聞いて、電話の向こうのトーンが突然険悪になった。
「やっぱり金持ちの子は話が通じないわね。当初、二人がつき合い始めた時から反対してたの。大介があんたの前でプライドを失うんじゃないかって。人間なら誰でも過ちを犯す、どうしても許せないの?」
ハンドルを握る手の力がますます強まり、指先に血の気が失せた。
「おばさん、大丈夫です。あなたの息子は今、プライドをちゃんと持って幸せです。彼と早苗はとても相性がいいので、私は自ら引き下がりました。これからも彼らのことを邪魔することはありません」
言い終わると電話を切り、ブレーキをかけて道端に停めた。
私は大口で息をした。当初、私は彼のために、身分を捨てて一緒にいたのに……
大介は時々皮肉っぽいことを言ってくるし……
その度、私はただ笑って頷くだけ……彼のそばにいて、普通の女の子になれば、真心から受け入れてくれると思っていた……
しかし家族の食事会で、私はいつも嫌がらせを受けた。
「大介くん、金持ちの娘さんとつき合ってるって聞いたけど?どこにいるの?隣にいる子じゃないよね?」
「あの子、俺たちより貧しく見えるじゃん。どう考えても金持ちの娘さんじゃないだろ?」
親戚たちが爆笑し、大介の私を見る目に、さらに嫌悪感が増していた……
私は車内にぼんやりと座り込んで、しばらくしてようやく車を走らせて家へと向かった。
縦書き表示中:本文は右から左へスクロールします(← → キーでも移動できます)
第4話は公式アプリで
当サイトでの試し読みはここまでです。アプリをインストールし、下のアプリ用コードを入力すると、この作品の第4話からそのまま読み進められます。
R97153- 下のボタンから公式アプリをインストールします(無料)。
- アプリを開き、「コードを入力」にこのコードを入れると、この作品が本棚に入ります。
作品ページへ戻る 当サイトに掲載しているのは試し読みの章だけです。