娘の作品が受賞、なのに署名はクラスメイト第1話
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子どもの成長を促すため、幼稚園では手作りポスターを描く課題が出さた。
娘は「自分でやる」と言って私の手伝いを拒み、一人で一生懸命描き上げた。
しかし、ほかの子どもたちの作品は親が代わりに描いたものばかりだった。
その中で娘の素朴な絵は埋もれてしまい、ゴミ箱に捨てられてしまう始末になった。
さらに先生から「手抜き」と名指しで批判され、保護者のグループチャットでも取り上げられた。
娘の絵に対する自信をどう取り戻させればいいのか、頭を抱えていた私。
そんなとき、偶然見た県主催の幼児美術コンクールの入賞作品の中に娘の絵を見つけた。
しかし、署名はクラスメートの名前だった。
* * *
運転手が娘を送り届けたとき、ちょうどスープが煮えたところだった。
今日は珍しく台所に立ち、娘の喜ぶ顔が見られるだろうと心弾ませていた。
しかし、名前を何度呼んでも、普段なら飛びついてくるはずの娘が、無言のまま自分の部屋に入ってしまった。
「どうしたの?」
ドアを開けると、娘は枕に顔を埋めたまま。
私を見るとようやく顔を上げたが、目は真っ赤に腫れ、大粒の涙がぽろぽろと流れ落ちてきた。
「ママ、正直に言って。私の絵、やっぱりダメなんでしょ?」
驚きながらも、週末の宿題だった手作りポスターを思い出した。
学校では「子どものバランスの取れた成長を促すため」と説明された宿題だったが、文字も十分に覚えていない子どもたちには難しく、実際には親がやるような内容だった。
私は絵の仕事をしているため、この程度の宿題なら簡単に仕上げられる。
しかし、娘は「自分でやる!」と言って私を部屋から追い出した。
「だって、私は絵が好きなんだもん!頑張って、ママみたいにすごい画家になる!」
普段から私の仕事を見ている影響もあってか、娘の絵は筆使いこそ幼いものの、配色や構図、センスの面では同年代の子どもの中で抜きんでていた。
私は惜しみなく褒め、少しだけアドバイスをして彼女を励ました。
額装された絵を抱え、彼女は月曜日が来るのを楽しみにしているようだった。
先生に褒められることを期待していたのだろう。
しかし、今の娘の様子を見る限り、その期待は裏切られたのだと分かった。
「どうしたの?先生に叱られたの?それとも誰かに何か言われた?」
頭を撫でながらそう聞くと、娘は突然私に抱きつき、大声で泣き出した。
「先生が宿題をチェックしたとき、私の絵を見て、『真面目にやってない』って言って、ゴミ箱に捨てちゃったの!
次も手抜きだったら、ママを幼稚園に呼ぶって言われたの!」
何か誤解があるのではないかと思い、娘を落ち着かせてスマートフォンを開いた。
すると、保護者グループチャットには先生からの新しいメッセージが届いていた。
「以下は今回の手作りポスターの優秀作品です。【画像】【画像】」
「次に、不真面目な作品と判断したものについてご報告します。以下の生徒の保護者の皆様には、宿題の監督にご協力いただければと思います。
なお、他の保護者の不快感を避けるため、一部のみ掲載しております」
メッセージには、いくつかの「不真面目」とされた作品の画像も添付されていた。
さらに、その保護者たちの名前をタグ付けして注意喚起が行われていた。
私と娘の名前もその中に含まれていた。
他の保護者たちは「了解しました」と返信をしていたが、優秀とされた作品の多くは、明らかに親が描いたか、ほとんど親が手伝ったものばかりだった。
一方で、「不真面目」とされた作品は、すべて子どもたちが自分の力で仕上げたものだった。
その事実に黙っていられなかった私は、グループチャットにメッセージを送った。
「先生、優秀作品の基準とは何でしょうか?」
「子どもが自分で描いた作品が『不真面目』と判断される理由を教えてください」
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