妊娠中の私に酒を強いた夫、もう二度と愛さない第2話
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「わかった、わかった。しつこいな」
私は顔を上げて翔吾を見た。
すると、彼は私の話なんてまったく聞いていなかったようで、ただ適当に相づちを打っているだけだった。
手元のスマホで、ものすごいスピードで誰かにメッセージを返していて、その口元には笑みが浮かんでいる。
翔吾はタオルで髪を雑に拭くと、そのままドアの方へ歩いて行った。
「結婚記念日のプレゼントは、適当に選んでおいて。決まったら連絡してくれればいいから」
そう言うと、彼は私をちらっと見て、眉をひそめた。
「金は渡してるだろ。化粧でもして顔を綺麗にしておけよ。なんでそんなに老けてるんだ?お前のその顔、見てるだけでうんざりする。これじゃ仕事の付き合いに連れていけないだろ?」
バンッという音を立てて、翔吾はドアを閉めて出て行った。
テーブルの上には、私が綺麗に並べたバラの花があって、その真ん中に、妊娠の検査結果が置いてあった。彼が少しでも周りを見てくれていたら、気づいてくれるはずなのに。
最近、よく眠れないし、食欲もなかったから、体もむくんでいた。
病院で診てもらったら、妊娠していることが分かった。
ずっと待ち望んでいた赤ちゃんだったから、自らおしゃれの頻度を抑えて、あとは医者の言う通りに過ごした。
つい昨日までは、翔吾に、「あなたもうすぐで父親になるんだよ」って、伝えるのを心待ちにしていたのに。
結婚して3年。私たちの間に、やっと新しい命が来てくれたんだって。
ずっとほしかった赤ちゃんで、この子が翔吾の心をつなぎ止めてくれるって、そう信じていた。
しかし今思えば、こんな家庭で生まれるなんて、この子にとってあまりにも残酷なことだ。
この結婚生活には、もう期待はなかった。
でも、この子のことだけは、翔吾とちゃんと話し合う必要があると思った。
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