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妊娠七ヶ月、夫がナイトランにはまっちゃった第3話

この話は約1123字。当サイトで読める3話の試し読みのうち、最後の話です。続きの第4話からは公式アプリで読めます。

指先に力が入りすぎて、爪の色まで変わっていた。下腹も、きゅっと痛んだ。

子供ができたとき、あんなに喜んでくれたのに……

高級ホテルでお祝いまでしてくれて、私への気遣いだって、それまでの何倍も増えていったのに……

だから、本気で信じていた。

彼も同じ気持ちで、この子の誕生を待っているのだと。

けれど、私は間違っていた。

あれはただ、裏切りのあとに残った、罪悪感のほころびにすぎなかった。

ベッドに倒れ込んだまま、涙が後から後から溢れ続けた。

大きく張ったお腹に手を添えながら、今までにないほどの絶望感を味わっている。

「……ママは、どうしたらいいの?」

情けない考えが、ほんの一瞬だけ胸をかすめた。

もし、あの二人がまだ、「最後の一線」を越えていなかったら……と。

そんなわずかな期待も、次の投稿であっさりと打ち砕かれた。

【妻に悪いとは思ってるよ。でも十ヶ月とか、さすがに我慢できないだろ??

しかもあの若い子が甘えてくるし、妻と電話してるときもいつも抱きついてくるし……

あんなの断れねーよな??分かるだろ(笑)】

文字を読んだだけで、胃がひっくり返った。

洗面所へと駆け込むなり、ひどくみっともない音を立てて吐いた。

——思い当たる。

電話の途中で、彼が急に黙り込むときがあった。

理由を聞けば、「何でもないよ。帰ったら何作ろうかなって考えてた」と、いつもの優しい声音で言う。

彼の嘘が、そんなにもうまかった。

赤ちゃんのために選んだものを嬉しそうに話していたその裏で、彼は別の女の機嫌を取っていたのだ。

怒りも、悲しみも、全部通り越して——

胸の奥が、静かに、冷たく沈んでいく。

コメント欄は、みるみるうちに荒れていった。

【クズ。ほんと消えてほしい】

【奥さん気づいて!!マジで見てられない】

【最低。なんでバレないと思えるわけ?】

三十分ほど経って、隼人がまた返信を送ってきた。

【俺との結婚は両親に反対されたんだけど、嫁は勝手に婚姻届出したんだよ。

妊娠七ヶ月じゃ中絶なんて無理だし、離婚しても実家は絶対助けない。

母子家庭でどうやって生きてくんの?

だから万が一バレたとしても、ひとしきり泣いて騒がせてやればいい。俺がしっかり謝れば済むことだ。

安心して家庭に戻るために、あの若い子にもマンション買ってやるつもりだ。604号室、ちょうどあいつの誕生日な。それが今まで付き合ってくれたお礼だ。

両方にちゃんと筋通してんだし、俺ってむしろいい男じゃね?(笑)】

この何年間、積み上げてきたすべてが、音もなく崩れ落ちてゆく。

私の弱さも。

私の愛情も。

全部、彼に都合よく使われていたのだ。

その投稿の中でも、一文だけはどうしても引っかかった。

「ひとしきり泣いて騒がせてやればいい」?

そんなもので何が済めると思うの?

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