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夫と秘書がアプリで浮気?即離婚!第3話

この話は約1890字。当サイトで読める3話の試し読みのうち、最後の話です。続きの第4話からは公式アプリで読めます。

赤ちゃんが大声で泣き出す。

私もとっさに大きく動いたせいで、出産のときの傷口が開いてしまい、激痛が走った。

引き裂かれるような痛みをぐっとこらえて、赤ちゃんを抱き上げる。

赤ちゃんの頭にはかすり傷ができていて、声が枯れてしまうほど泣いていた。

そんな赤ちゃんを見て、菜々子もかなり怯えているようだ。

「わざとじゃないんです」

慶がすぐに菜々子を慰める。

「そんなに心配しなくたって大丈夫だ。君は母親になったことがないんだから、赤ちゃんの扱いがわからなくて当たり前だ。

それに君自身もまだ熱があるんじゃないか?」

もう我慢の限界だった私は、菜々子の顔を思いっきり叩いた。

「出ていって!

あなたが何を考えてるか、私が気づいてないとでも思ったの?」

しかし次の瞬間には、慶がすごい勢いで私の頬を叩いたのだった。

私を叩いた後、慶は自分の手を見て呆然として、少し後悔しているようだったが、顔にはまだ怒りが浮かんでいる。

「菜々子は子供を産んだことがないんだから、うまく抱っこできないのは仕方ないだろ?そんなにきつく当たる必要はないんじゃないか?」

そう言い終えると、慶は泣きながら部屋を飛び出していった菜々子を追いかけていった。

その様子を見ていた同僚たちもそそくさと帰っていく。

私は慶の遠ざかっていく背中を見つめていた。

以前の私たちは、なんでも話せる親友であり、かけがえのない恋人同士だったのに。

私に会いたい一心で、慶は朝一緒に学校に行くためだけでも、マンションの下で一晩中待っていてくれたこともあった。

18歳のころは、お金も全然無かったのに、なけなしのお小遣いを使って、一輪の花を買ってくれた。

私が「大きい家に住みたい」と言うと、必死に会社を立ち上げ、接待で飲み過ぎて入院するまで頑張ってくれたこともある。

私たちはいつから、こんなふうに変わってしまったのだろう?

それはたぶん……慶が何百通もの履歴書の中から、菜々子を見つけ出したあのときから。

慶は言っていた。「華やかな経歴の持ち主より、素朴で誠実そうな子のほうがいい。それにうちの会社には若い力が必要だから」と。

だから、慶は周りの反対を押し切って、菜々子を採用した。

私も履歴書を見たが、大学もあまり有名ではなく、職務経験もまったくなかった。

しかし、慶の心を本当に惹きつけたのが、履歴書に書かれていた一文だと私は知っていた。

【この仕事がどうしても必要なんです。重い病気の父と、寝たきりの母が……】

慶も苦労してきた人だから、自分と同じように大変な人の力になってあげたかったのだろう。

私はそのことが分かっていたから、それ以上は何も言わなかった。

しかし、菜々子は仕事でミスばかりした。

慶の高級スーツにお茶をこぼしたり、大事な契約書の数字を間違えたり……

慶もかなり顔に出ていたので、私は言ったことがある。「どうしても無理なら、もう辞めてもらったら?少し多めにお金を渡してあげれば……」

だが、慶は少し迷ってから、「わざとじゃないんだから、今はいいよ」と言うだけだった。

そのとき私は気づいた。自分は慶のことが、少し分からなくなっていると。

その後、菜々子はSNSのアカウントを開設し、「秘書と社長の日常」のような投稿を始めた。

そして、いつも真面目でクールな慶が、なんとその動画に一緒に出るようになったのだった。

慶は写真を撮られるのが大嫌いで、家に飾ってある結婚式の写真でさえ、横顔しか写っていないのに。

理由を聞くと、慶はこう説明した。「少しでも収入を増やしたいから、こうやって動画を投稿しているらしいんだ。だって、彼女の家は大変だろ……」

周りの人たちも、慶は変わった、親しみやすくなったと慶の変化を口にした。

でも、この変化の原因がなんなのか、分かっているのは私だけだった。

慶の気持ちは、菜々子のせいで、いつも揺れ動くようになっていたのだ。

しまいには、SNSなんてまったくやらなかった慶が、菜々子と399日もアプリのログイン連続記録チャレンジなんかを続けて……

私が入院している間、慶から【出張に行く】とだけメッセージが来た。

そして、私のために高価な産後ケアヘルパーを雇ってくれた。

そのおかげで私は、毎日赤ちゃんの世話に集中できた。

ある日、携帯を見ていたとき、ふと魔が差して、菜々子のアカウントを開いてしまった。

すると、ちょうど更新されたばかりの動画が一本あった。

それは菜々子の投稿で、高級ホテルの部屋が映っていた。ベッドが二つあり、ソファでは慶が真剣な顔で契約書を読んでいる。

添えられた文章はこうだった。【社長と出張中。でもホテルが満室で、ツインルームしか空いてなかった。気まずい】

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