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命を拾った俺は、もう妻を愛さないと決めた第3話

この話は約1151字。当サイトで読める3話の試し読みのうち、最後の話です。続きの第4話からは公式アプリで読めます。

その動作で、首に巻いていたマフラーがずれてしまった。

途端に、美智瑠の瞳にこれまでにない怒りの炎が灯った。

俺は慌ててマフラーを引き上げ、目立つ縫合痕を隠そうとした。

だが、美智瑠は一歩前に詰め寄り、俺の手首を乱暴に掴んで叫んだ。

「あんた、それ何!?首にそんなものつけて帰ってくるなんて!外で女とイチャついてた証拠でしょ?本当に最低だね!

こんなに汚らしい格好で、娘を狙うなんて?あんた、一体どこまで恥知らずなのよ!」

彼女は俺の手を振り払い、俺の腕が顔を強打する。衝撃で鼻血がどっと溢れ出た。

恭一は急いでティッシュを持ってきて俺に差し出した。

「触るな!」

俺は彼を睨みつけ、怒りの声を上げた。

こいつが俺の車のナンバーを調べ、事故車であることを知りながらも、その真相を隠し、俺を陥れたことを思い出す。

鼻血を拭いながら、その怒りはさらに燃え上がっていった。

その時、騒ぎを聞きつけた娘が部屋から出てきた。

「パパ、ママ、何してるの?」

小さな声でそう尋ねる娘は、不安げに俺たちを見つめていた。

だが、その視線はすぐに恭一に向かう。

彼がわざとらしく目を伏せて涙を拭う仕草をすると、娘は慌てて駆け寄った。

「朝比奈おじさん、泣かないで......パパが悪いの。パパが一番悪い!」

その言葉は、鋭い刃のように俺の胸に突き刺さった。

「そんなことないよ!」と娘に言おうとする俺の言葉を、美智瑠の怒鳴り声が遮った。

「陽真、あんたいい加減にしてよ!娘の前でこんなことして、私の夫が浮気した挙句、人を責め立てる最低野郎だって全世界に宣伝したいわけ!?」

娘はその声に驚き、大声で泣き始めた。

俺が手を伸ばして彼女を抱きしめようとすると、娘は俺を拒み、恭一の胸に飛び込んだ。

その瞬間、自分が悪魔扱いされたように感じた。

「陽真さん、冷静に考えてください。子供は無垢なんです。感情的になるのはやめましょうよ」

恭一はわざとらしく俺にそう諭してきた。

俺はその言葉に堪えきれず、怒りを爆発させた。

「ふざけるな!彼女がこんな風に言うのは、誰かが吹き込んでるに決まってるだろうが!」

「朝比奈、お前、どれだけ俺の家庭に手を突っ込めば気が済むんだ?これまでは我慢してきたけど、娘を使ってお前の下劣な企みの道具にするなんて絶対に許さない!」

俺が言い放った瞬間、娘はさらに声を上げて泣き始めた。

「私は浮気するパパなんていらない!パパなんて大嫌い!気持ち悪い!」

恭一の顔には一瞬の動揺が浮かんだが、その目の奥にはほんのりとした得意げな色が見えた。

その光景に怒りが爆発した俺は、一気に間合いを詰めて彼の襟元を掴み、血走った目で叫んだ。

「このクソ野郎!娘に一体何を吹き込んだ!?」

それを見た美智瑠が、俺を思い切り蹴りつけて押し倒した。

「あんた、マジで頭おかしいんじゃないの!?」

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