十年の介護の末、叔父が遺産を奪いに帰ってきた第1話
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建国記念日の日、叔父の結婚式で、突然祖父が片麻痺になった。
叔父は慌てる様子もなく、「今日は晴れの日だ。二、三日待って病院に連れて行けばいい」と言った。
私は叔父の言葉を聞き入れず、すぐに救急車を呼んだ。
迅速な救命処置のおかげで、祖父の命は助かった。
しかし叔父は激怒し、叔母を連れて海外へ去ってしまった。
そのため母は一人で老人の世話を引き受けることになった。
十年後、祖父母の命が風前の灯火となった時、叔父は息子を連れて帰国した。
二人の老人は全ての財産を実の息子に遺した。
その時私たちは初めて知った。この十年間、祖父母は私が余計な口出しをしたことを恨んでいたのだと......
言い争いの最中、従弟は私を階段から突き落とし、私は上肢切断を余儀なくされた。
もう母には苦労をかけたくないと思い、私は自ら命を絶った。
次に目を開けた時、私は建国記念日の日に戻っていた......
* * *
祖母の看病を母と共にして十年、もう終わりが近づいていた。
病床でやせ細っていく老人を見ていると、私の胸も締め付けられた。
それでも気持ちを奮い立たせ、母と一緒に祖母の最期を看取ろうとしていた。
誰も予想していなかった。十年も消息不明だった叔父が、この時期に突然病室に現れるなんて。
しかも叔父だけでなく、七、八歳の子供とスーツを着た弁護士まで連れていた。
いつも温厚な母でさえ、叔父を見た瞬間に顔を強張らせた。
私も例外ではなく、冷たい表情で辰哉に退室を求めた。
「出て行ってください。さもないと警備員を呼びます」
それを聞いた辰哉は、唇を歪めて言った。「生意気な小娘が、俺に指図するとはな。どの面下げて」
その言葉が終わるか終わらないかのうちに、病床から祖母の激しい咳が響いた。
「みんな家族なんだから、騒ぎ立てないで。人に笑われるじゃないか」
「お母さん、辰哉はこれだけの年月、あなたたちを放っておいたのに、どうしてまだ庇うの!」
祖母が叔父の味方をするのを見て、母は怒り心頭だった。
あの建国記念日の休暇、田村辰哉は結婚式を挙げていた時、祖父が宴席で突然片麻痺になった。
私は慌てて救急車を呼ぼうとしたが、辰哉に止められた。
私は医学部出身ではないが、さすがに大人として片麻痺が何を意味するか分かっていた。
祖父が脳卒中になってから何年も経つのに、辰哉はいつも言い訳ばかり。
仕事が忙しいだの、恋愛で忙しいだの。
二人の老人の面倒を見る時間なんて、一度もなかった。
ほとんどの日々、家の内外の世話は母が一手に引き受けていた。
もし本当に何かあったら、結局苦労するのは母なのだ。
だから私は辰哉の言うことは聞かず、断固として救急車を呼んだ。
その結果、辰哉は私たちと絶縁し、そのまま国外へ出て行った。
大学から社会人になったこの数年で、私もずいぶん成長した。
もう辰哉と言い争うのはやめて、祖母の方を向いた。
「おばあちゃんが呼び戻したんですか?」
正確な住所が分からなければ、辰哉がここを見つけるはずがない。
祖母は気まずそうに頷き、すぐに平静を装って言った。
「今日お前たち母娘を病院に呼んだのは、死ぬ前に後のことをはっきりさせておきたかったからだよ」
母はそんな言葉を聞きたくなくて、また涙がこぼれた。
母は祖母を諫めるように言った。「お母さん、そんなこと言わないで。死なないでよ」
祖母は手を振って、母に慰められるのを制した。
「私が死んだら、家はお前に、預金は辰哉にやる。そうすれば兄妹で争うこともないだろう」
「弁護士さんもいることだし、問題なければ契約書にサインしておくれ」
祖母の言う家というのは分かっていた。田舎にある数十年前に建てられた二階建ての家だ。
田舎の家はもともと価値が低く、まして数十年前の建物なら尚更だ。
疑問に思ったのは、預金?
祖父母は普通の農民だったはず。預金なんてあるはずがない。
そして何より重要なのは、この薄情者の辰哉は、一日も老後の面倒を見なかったのに、遺産を相続する資格があるのか。
眉をひそめながら、まだ呆然としている母の前に立ち、祖母に尋ねた。「契約書を結ぶのは構いませんが、預金額くらい教えてくださいよ」
私は祖母をじっと見つめ、その目に一瞬の動揺を見た。
そして続けて祖母が話題をそらし、預金額に正面から答えないその態度は、私の推測を裏付けるものだった。
ここには何か裏があるに違いない。
私の追及に、祖母は観念したように言い放った。「1600万円だ」
その数字を聞いて、私は驚愕した。
田舎の古い家なら、せいぜい5、600万円の価値しかない。
今回の入院費用だけでもその金額を超えている。
それなのに、老夫婦を顧みなかった息子に1600万円をポンと渡すつもりなのか。
母も気付いたようだ。「お母さん、前にお金がないって言ってたじゃない?」
「前にお父さんの葬式の時、私の貯金を全部使って、遥香は私を助けるために三つもバイトして家計を支えてくれたのに」
「どうしてそんな薄情なの。お金を出して助けてくれなかったなんて」
祖母は母の涙ぐんだ目に気後れしたのか、顔を横に向けてしまった。
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