化け羊第2話
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村の人たちはみんな村長を持ち上げて、すっかり気分良くさせてた。
村長は一度咳払いをして、真面目な顔で言った。
「同じ村の仲間だから、この子羊を煮込んだスープ、私一人じゃ食べきれない。みんなで一緒に味わおうじゃないか」
その言葉に、阿部は目をパッと輝かせて、「じゃあ山田の家で晩餐会を開こう!新鮮な羊肉がすぐに味わえるな!」と提案した。
母羊が絶望的な目で見てる中、母は庭で鍋を起こして、四匹の子羊の皮を剥いで大鍋に入れて煮込んだ。
しばらくすると、煮込みの香りがふわっと漂い始めて、空気中に広がって、思わず唾を飲み込んじゃった。
村の人たちがどんどん集まってきて、母はスープを一人一杯ずつ配り始めた。みんなガツガツ食べ始めて、咀嚼する暇もなく胃に流し込んでた。
手元のスープと、母羊の様子を見てると、あまりにも可哀想に思えて、私は飲む気になれなかった。
阿部はスープを一杯飲み干して、私が手をつけてないのを見ると、私の碗を奪って飲み干した。そして、「ほんとにもったいないな。こんな美味しいスープもわからないなんて、代わりに飲んでやるよ」って言った。
それから、母羊の後ろにいる二匹の子羊を見て、ニヤリと笑顔を浮かべた。
「これだけじゃ足りないな。もう二杯くらい飲めたらいいのに」
母は笑いながら、「お金さえあれば、何でも手に入るよ?」って言った。
阿部はポケットを弄りながら鼻で笑った。「金なんてなんでもないさ。俺が金持ちになったら、お前ん家の羊全部買い取ってやるよ」
晩餐会の後、母は庭で嬉しそうにお金を数え始めた。
「こんな贅沢な暮らしができるなんて、思ってなかったよ。明日は町に行って乳牛を二頭買ってきな。牛乳を搾って朝食に使えるから」
父はぼんやりとタバコを吸いながら、時々羊の囲いで縮こまってる母羊を見てた。
母は不機嫌そうに父を睨んで、「どうしたの、心配なの?残った子羊は雄だけだから、売らずに育てたら、成長したら母羊と交配させて、また子供を産ませれば、お金には困らなくなるよ」と言った。
父は聞こえないふりをして、羊の囲いに行き、母羊の頭を撫でた。
「恨まないでくれ。大きくなったらどうせ売るんだから。あの時の苦労を考えたら、今食べられた方がマシだろ」
母羊は鋭い目で父を睨み返し、じっと見つめてた。
母はその様子を見てすぐに棒を手に取り、母羊を叩き始めた。
「動物相手に何話してんの!餓死しないで飼ってやってるだけでも恩なんだから!殺しても文句言わせないよ。交渉なんかする必要ないだろ!」
母羊は叩かれて傷だらけになったけど、怒りで母を噛み砕きそうな顔をしてた。
私の背中に冷や汗が流れ、こっそり自分の部屋に逃げ込んだ。
夜中、また母羊の「メェーメェー」という鳴き声で目が覚めた。
母羊がうちに来てから、毎晩この変な音が聞こえてくる。
気になって、暗闇の中で起き上がり、羊の囲いに行ってみた。
普段、母羊は羊の囲いで寝てるけど、今は見当たらなくて、二匹の子羊だけが目を閉じて寝てた。
羊の囲いの中には小さな部屋があって、そこから漏れる光と一緒に、母羊の「メェーメェー」という声と、ベッドが打たれるような音が聞こえてきた。
そっとその小さな部屋の隣まで行って、ドアの隙間から中を覗いた。父がベッドの上で体を動かしてるのが見え、母羊の姿もわずかに見えたけど、父の体に隠れてよく見えなかった。
必死に目を見開いて見ようとしたけど、突然ドアが閉まって、大きな力が私の髪を引っ張って外に引きずり出された。
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