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初恋に溺れた夫、義母に追い出される第1話

この話は約1619字。当サイトでは第1〜3話を試し読みできます。

結婚して一年、私は妊娠した。

佐藤慎也(さとう しんや)は私をお姫様みたいに甘やかしてくれた。

お義父さんもお義母さんも佐藤家の恩人だと言ってくれていた。

私はずっと、こんな暖かい家族にめぐり会えて、自分はなんて幸せなのだろうと思っていた。

あの日、あんなことが起こるまでは。

私はやっと、すべては仕組まれた嘘だったと気づいたのであった。

* * *

結婚して一年、私は妊娠した。

佐藤慎也(さとう しんや)は私をお姫様みたいに甘やかしてくれた。

お義父さんもお義母さんも佐藤家の恩人だと言ってくれていた。

私はずっと、こんな暖かい家族にめぐり会えて、自分はなんて幸せなのだろうと思っていた。

あの日、あんなことが起こるまでは。

私はやっと、すべては仕組まれた嘘だったと気づいたのであった。

妊娠してから私はやたら眠くなるようになった。

一日二十四時間のうち、10時間以上寝てしまうこともザラだ。

その日は昼間に水を飲みすぎたせいか、眠っている途中で尿意で目が覚め、トイレへ行こうとベッドから起き上がろうとした。

しかし電気をつけると、隣で寝ているはずの慎也の姿がないことに気がついた。

名前を呼んでみたが返事がなく、部屋にいる気配もない。

スマホを見ると、すでに深夜一時をすぎていた。

こんな時間に、慎也はどこへ?

少し気にはなったが、深く考えずにトイレを済ませ、またベッドに戻って眠ろうとした。

でも、慎也が帰っていないせいか、どうにも落ち着かず、浅い眠りを繰り返した。

さらに夜も更けた頃、突然ベッドが沈む感覚と同時に、鼻先にふわりと桃の甘い香りが漂ってきた。

私は一瞬で目が覚め、胸の奥がドクンとはねた。

妊娠中は夫の浮気が増える、ネットでよく見る話だ。

妻が妊娠中は性行為が難しくなるため、外でつまみ食いする男がいると。

まさか、慎也も外で食べてきた?

いやそんなわけない、慎也は性欲に振り回されるタイプじゃないし、結婚後の頻度だって決して高くなかった。

でもじゃあ他に何が?

なによりあの香水の匂いはどう説明すれば?

考えているうちに、私はまた眠気に負けてしまった。

翌朝、目が覚めてから昨夜のことを聞くと、慎也は一瞬だけ固まり、それからすぐに「会社の同僚がどうしても急ぎの書類が必要だったから、夜中に届けに行ったんだ」と答えた。

説明自体はおかしくないが、どうしても胸のざわつきが消えなかった。

それから少し注意して様子を見ていると、確かに慎也は最近どこかおかしかった。

慎也の帰宅はどんどん遅くなり、家に戻ってからトイレに篭る時間もやたらと長くなった。

男の人にとってトイレは第二の家だという話は聞くが、それにしても長すぎる。

そして何より、私が近づくと、必ずと言っていいほどスマホの画面を切り替える。

あの夜のことと合わせて考えれば、怪しいとしか思えなかった。

そこで、慎也がシャワーを浴びるためにスマホを手放したタイミングを見計らい、私はこっそり中を確認したが、何も見つからなかった。

私の勘違い……?

そう思いかけた頃、慎也が「今日は残業だ」と言った日、帰ってきた彼の体からまたあの桃の香りがした。

とても薄い、洗い流した後のような残り香だったが、私はもともと嗅覚が鋭く、そのわずかな匂いをはっきりと感じ取った。

そしてその夜、ついに証拠を見つけた。

彼のラインが、パソコンの方でログアウトされていなかったのだ。

画面には、一番上に固定されたうさちゃんというアカウントとのトーク。

そこには最新の二つのメッセージが残っていた。

一つ目はうさちゃんの【もう、狂いそう】、そして慎也の返事は、【あと少し我慢して。仕事が終わったらすぐ会いに行く】。

私が震える指でチャット履歴を遡ろうとしたその瞬間、ラインが強制的にログアウトされた。

慎也がスマホ側で何か操作したのだとすぐに悟った。

彼はいつも慎重な人だ。

今回パソコンにログインしっぱなしにしていたのは、私が妊娠後期で、パソコンは放射線があるから触らないと思っていたからだろう。

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