元彼の親友と、まさかのハッピーエンド第1話
この話は約2129字。当サイトでは第1〜3話を試し読みできます。
私は彼氏に、「胸が大きすぎる」って嫌がられていた。
彼はそれを理由に、1000万円を渡してきて、私に「胸を小さくする手術を受けろ」と言った。
そんな時、いきなり謎の誰かから1億円が振り込まれてきた。
しかも、【拓也の言うことは聞くな】というメッセージ付きで。
私はスマホを握りしめて、こっそり彼氏の親友にメッセージを送った。【あなたの言うことを聞かせたいなら、お金だけじゃ足りないのよ】
すると、相手からはすぐに返信がきた。【なんの話だ?意味がわからない】
私は返した。【そう?じゃあ、今から病院に行ってくるね】
そしたら、相手はやっぱり焦ったようだ。【ほかに何が欲しいんだ?】
【あなたって、18センチあるの?】
【俺は24センチだ】
【口で言うだけじゃ信じられない。見せてよ】
このあと私は、彼のすごさを、身をもって思い知らされることになった。
* * *
私の名前は中山美咲(なかやま みさき)。京市でも有名な御曹司、白石拓也(しらいし たくや)の彼女。
まあ、もうすぐ元カノになるけどね。
それもあって、拓也には、ちょっとお仕置きしてやろうと思ったのだ。
なんでちゃんと別れてから、次の人を探さないのかって?
もとと言えばこれはぜんぶ、拓也がまいた種なんだ。
拓也はどうやら私のスタイルが気に入らないようで、胸を小さくしろってしつこく言ってくるのだ。
もっとムカつくのは、私に隠れて裏アカ作って、ほかの女の子にちょっかい出してるみたい。
だからよく考えた結果、別れる前に浮気してやることに決めた。
夜、寝る前に、私はフォロワーがもうすぐ一万人になるアカウントに、初めて顔出し写真をアップした。
キャプションは【彼氏募集!イケメンで、めんどくさくない人】と書き込んだ。
条件は【身長180以上、サイズ18センチ、腹筋が割れていること】
写真を投稿したら、たった30分でフォロワーがうなぎ登り。あっという間に10万人を超えてしまいそうだった。
おだてるコメントと自撮り写真だらけのDMの中で、あるメッセージが私の目に留まった。
【彼氏、いるんじゃない?】
なんでこの人は、私がフリーじゃないって知ってるんだろう?
そう思いながら、その人のプロフィールを開いてみた。
そこで確認してみると、そのIPアドレスは私と同じ市内になってるようだが、アイコンは真っ黒で、投稿の履歴もゼロだった。
ただ自己紹介に、【完璧より、少し足りないくらいがいい】の一言だけが書かれていた。
それを見た途端、なぜか妙な予感が頭をよぎった。
この人、絶対に私のこと知ってる。
まさか、拓也だったりして。
だとしたら、ぜんぜん面白くなくなるんだけど。
そう思いながら返信しようかどうしようか迷ってたら、向こうのほうがしびれを切らしたみたい。
【そんなことして、彼氏の気持ち考えたことある?】
【乗り換えるにしたって、ネットで探すなんてやり方はよくないじゃない】
【ネットには悪いやつがいっぱいいるんだから】
【だまされて海外に売り飛ばされたりしたらどうするんだ?】
……
それを見て、私はこの人が拓也であるはずがないことを確信した。
でもこの口ぶりだと、たぶん拓也と仲がいいんだろうね。
一体、誰なんだろう。
DMの画面を見てたら、ふと、相手のIDに見覚えがある気がした。
さかのぼってみると、この人、ずいぶん前から私の投稿に「いいね」してくれてることに気が付いた。
時々、コメントまでくれることもあった。
拓也でさえ知らないアカウントなのに、こんなに長く見ててくれたなんて。
もしかしてこの人、私のこと好きなのかも。
半信半疑のまま、試しにこう返信してみた。【じゃあ、私と付き合ってみる?】
メッセージを送った瞬間、すぐに既読がついた。
こうなると、私の好奇心は、すっかりかき立てられた。
拓也の友達はだいたい会ったことあるけど……こっそり私を想ってくれてる人って、一体誰なんだろう?
数秒の沈黙のあと、また立て続けにメッセージが届いた。
【どういう意味?】
【俺に、君の彼氏になれってこと?】
【冗談はやめてくれ。正直に言うけど、俺と拓也は親友なんだ】
【彼を裏切るようなこと、絶対にできないから】
【そう。じゃあね】私はそう返した。
そのメッセージを送ると、私はDMを閉じてスマホをおいて、そのままベッドにもぐりこんだ。
次の日の朝、目覚めて私はまずSNSを開いてDMを確認してみた。
やっぱり、思った通りだ。
彼から大量のメッセージが来ていたのだった。
【じゃあねって、どういうことだよ!?】
【ちゃんと説明しろ!】
【彼氏を募集するって言ったよね、ヤケになってるだけ?それとも本気なのか?よく考えてみたけど、俺も付き合うのはアリっちゃアリだと思ってる】
【でも、浮気相手になるつもりはないから、ちゃんと俺を彼氏にしてくれるなら考えてもいいよ】
【ってなんで黙ってるんだ】
【寝たのか?】
【それとも、ほかの男としゃべってるのか?!】
そして、見ていくと相手からのメッセージはさらに続いていた。
【俺が付き合うって言ってるだろ。もう、ほかのやつを探すな】
さらにその後もまだまだ、メッセージが立て続けに送られていた。
【もう浮気相手でもいい!どうせ拓也だってロクなやつじゃないし。この前だって、あいつは君に隠れてナンパしてたんだ!】
縦書き表示中:本文は右から左へスクロールします(← → キーでも移動できます)