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人生をやり直したら、妻の不倫を応援する第1話

この話は約1973字。当サイトでは第1〜3話を試し読みできます。

妻が、俺の従弟に一目ぼれしたんだ。

三人で離婚届を出しにいく途中、運悪く交通事故にあってしまった。

次に目を覚ましたら、なぜか三人そろって、俺と妻が婚姻届を出したばかりのあの日に戻っていた。

今度は、お互い何も言わなくても、このまちがった結婚を終わりにしようってことになった。

そして、妻は従弟と籍を入れて、二人で海外へ行ってしまった。

俺というと、国内に残って、必死に法律を勉強して、仕事に打ち込んだ。

あっという間に、5年が過ぎた。

従弟のおかげで、元妻は海外で人気のヴァイオリニストになっていた。高い出演料をもらって、たくさんのファンに囲まれているらしい。

一方で俺は、相変わらず法律事務所で、助けを求める人のために地道に働いていた。

そんなある日、親戚の集まりで、俺たち三人はまた顔を合わせることになった。

元妻は従弟に寄り添い、勝ち誇ったような顔で、俺に嫌味を言ってきた。

でも、俺が、「別の女性と結婚するつもりだ」と伝えたとたん、彼女は逆上してこう叫んだ。

「あの時は、ただの気の迷いだったのよ!なのにあなたが他の女の人とくっつくなんて、絶対に許さない!」

* * *

妻が、俺の従弟に一目ぼれしたんだ。

三人で離婚届を出しにいく途中、運悪く交通事故にあってしまった。

次に目を覚ましたら、なぜか三人そろって、俺と妻が婚姻届を出したばかりのあの日に戻っていた。

今度は、お互い何も言わなくても、このまちがった結婚を終わりにしようってことになった。

そして、妻は従弟と籍を入れて、二人で海外へ行ってしまった。

俺というと、国内に残って、必死に法律を勉強して、仕事に打ち込んだ。

あっという間に、5年が過ぎた。

従弟のおかげで、元妻は海外で人気のヴァイオリニストになっていた。高い出演料をもらって、たくさんのファンに囲まれているらしい。

一方で俺は、相変わらず法律事務所で、助けを求める人のために地道に働いていた。

そんなある日、親戚の集まりで、俺たち三人はまた顔を合わせることになった。

……

俺がホテルのロビーに着いたとき、親戚たちはまだほとんど来ていなかった。

適当に静かな席を見つけて座ると、ノートパソコンを開いて厄介な事件の検討を始めた。

事件のことに集中していると、佐々木夏美(ささき なつみ)と佐々木渉(ささき わたる)がホテルのドアを開けて入ってきた。

二人が現れた瞬間、親戚たちの視線がぱっと集まる。みんな一斉に立ち上がって、彼らの周りに駆け寄り褒めちぎっていた。

「夏美さんは本当にすごいわ。こんなに若くして海外で成功するなんて。それに、旦那さんもこんないい方で!」

「なんでも今回は、音楽家協会に招待されて演奏会のために帰国したんだって。私たち一族の誇りよ!」

「ねえ夏美さん、うちの子がバイオリンが大好きでね。あなたのこと、いつもすごいって言ってるのよ。よかったら、ちょっと時間を作って教えてあげてもらえないかしら?」

親戚たちの申し出に、夏美は目をぱちくりさせ、渉の腕に寄り添いながら、くすくすと笑った。

「あらあら、身内なんだから、そんなにかしこまらなくてもいいのに。何か分からないことがあれば、いつでも電話してくれればいいわよ!」

その一言で、親戚たちからのお世辞が堰を切ったようにあふれ出す。みんな、この薄いつながりを頼って、自分や子供の将来の道筋をつけたいのだ。

夏美は少しだけあごを上げて、自分が主役であるこの状況を心から楽しんでいるようだった。

俺はキリのいいところで仕事をやめて、イヤホンを外すと、ふぁあと一つあくびをした。

その音に、みんなの視線が一斉に俺へと向いた。

「あれ?翔太じゃないか?珍しいな、こういう集まり、一番嫌いだったはずなのに」

人だかりの中から誰かがそう呟いた。その声は、夏美の耳にも届いた。

彼女は人を見下すような視線を声のした方にやり、淡々と尋ねた。

「翔太はここ何年も、こんな集まりに来ていなかったの?」

相手がこくこくと頷く。それを見て、夏美は口の端を吊り上げ、あざけるように微笑んだ。

……

5年前、俺と夏美の人生が「やり直し」になった。俺たちは婚姻届を出したばかりで、これからお互いの親に挨拶に行くところだった。

彼女は、親戚一同が見守る中でいきなり従弟の渉のもとへ駆け寄ると、彼に強く抱きつき、好きだと想いを告げたんだ。

そして俺に離婚を突きつけてきた。本当に愛しているのは渉なのだ、と。

あの突然のことには誰もが度肝を抜かれた。今日ここにいる親戚のほとんどが、あの場面の目撃者でもあった。

「翔太は法律事務所で働いてて、毎日めちゃくちゃ忙しいらしいからな。こういう集まりには、今まで一度も顔を出したことがなかったってわけだ」

「それがなんで今日に限って来たのかしらね?もしかしたら、夏美さんの気を引きたくて、わざとかも。だって、あの件で一番恥をかいたのは彼なんだから」

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