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ママ、助けて!パパが私を車に閉じ込めた第1話

この話は約1713字。当サイトでは第1〜3話を試し読みできます。

「ママ、助けて!パパが私を車に閉じ込めた!」

季節は夏、午後2時、太陽が照りつける中、娘から電話がかかってきた。

すぐに必死の捜索を始めた。夫が電話に出た時、彼は苛立たしげだった。

「お前うるさいな!結衣の娘の機嫌が悪いんだ。遊園地を一緒に歩いているところだよ」

そういうと、夫は一方的に電話を切った。

この時、私の心にはただ一つの思いしかなかった。

娘よ、無事でいて!

* * *

午後2時、出張で隣の街にいた私は、5歳の娘の菜々子からの電話を受けた。

おそらく、タブレットからかけてきたのだろう。

声を震わせ泣きながら、恐怖でいっぱいの娘の声が聞こえた。

「ママ、ママ、早く助けて!」

「パパに車の中に閉じ込められたの」

頭が一瞬真っ白になり、意識が遠のきそうになった。

「泣かないで......今すぐママが行くから、どこにいるのか教えて!」

菜々子は少し落ち着きを取り戻しながら泣き声で言った。「わたし......」

しかし、そこで通話が途切れてしまった。

急いでかけ直したが、すでに電源が切られていた。

何度かけ直しても、やはり電源が入っていない。

電池が切れたのかもしれない。でも、そこで大事なことを思い出した。

慌てて夫の柳一輝の電話をかけた。

応答なし。

何度かけても、出ない。

その間、会社の同僚に頼んで、警察にも連絡してもらった。

私はその間も一輝に必死で電話をかけ続けた。

そして、車に飛び乗り、帰宅の道を急いだ。

しばらくすると、ついに電話がつながった!

「何度もかけてくるなよ、忙しいんだ!」と一輝が苛立った声で言った。

電話越しに、女の子の笑い声が聞こえてきた。

「パパ、あれに乗りたい!」

パパ?

どうして女の子が彼を「パパ」と呼んでいるの?

だが、今はそのことを気にしている場合ではない。

私は焦りながら問い詰めた。「一体どこにいるの?菜々子が車に閉じ込められているのよ!」

「早く菜々子を助けに行って……」

電話の向こうでは、子どもの遊ぶ声しか聞こえない。

気づくと、どうやら電話は女の子に奪われていたようだった。

その子は不機嫌そうに言った。

「パパ、遊んでくれるって言ったのに……電話なんてしないで」

彼はすぐにその子をなだめた。

「分かったよ、もう電話しないよ!」

「ほら、今すぐ切るからな」彼の声は優しく穏やかで、電話越しで叫ぶ私の声などまるで無視されていた。

「お願い、切らないで……」車の中で私は狂ったように叫んだが、「プープー」と聞き慣れた音がなり、画面を確認すると電話はすでに切れていた。

悔しさと焦りで涙が溢れ、携帯を壊しそうになった。

その時、同僚からの電話がかかってきた。警察は所轄署に引き継いだとのことだった。

彼らは「救助者の正確な位置」を求めていると言った。

でも、場所なんて、私も知らない。

自分に冷静になるよう言い聞かせ、深呼吸をして、気を落ち着かせようとした。

今、最も重要なのは娘の居場所を突き止めることだ。

そこで、夫の友人や同僚に電話をかけ始めた。

しかし、何の手がかりも得られなかった。

「今日は休暇だって言ってた」

「どこに行くかは聞いてないよ!」

幼稚園の先生はこう言った。「菜々子は午前中にパパがお迎えに来ましたよ!」

午前中から連れて行かれていた?

でも、行き先を聞いても先生は何も知らないという。

「あ、そうだ!その時、菜々子ママと一緒にもう一人女の子が来ていましたよ!」

すぐにその子がどこの幼稚園の子か、どんな子かを聞いた。

「その子は、髪が金色で、くるくるしていました」

一瞬で分かった。

その女の子の苗字は「柴田」だろう。

なぜなら、一輝のかつての初恋に、結衣という女性がおり、彼女の髪も金色で、くるくるしているからだ。

一輝は高校時代からずっと結衣を追いかけていた。

彼女のために、より良い大学や仕事を捨て、両親とも仲が悪くなった。

しかし、結衣は結局、御曹司と授かり婚をしてしまった。

一輝は彼女の結婚式の招待状を受け取り、魂が抜けたようになっていた。

彼は酒に溺れ、自分を傷つけ、そして川に飛び込んだ。

そんな彼を助けようも私も一緒に川に飛び込んだが、泳げない私は溺れそうになり、結局通行人に助けられた。

助けられた後、彼は私を抱きしめ、こう言った。

「井上里奈、結婚しよう」

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