ママ、助けて!パパが私を車に閉じ込めた第1話
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「ママ、助けて!パパが私を車に閉じ込めた!」
季節は夏、午後2時、太陽が照りつける中、娘から電話がかかってきた。
すぐに必死の捜索を始めた。夫が電話に出た時、彼は苛立たしげだった。
「お前うるさいな!結衣の娘の機嫌が悪いんだ。遊園地を一緒に歩いているところだよ」
そういうと、夫は一方的に電話を切った。
この時、私の心にはただ一つの思いしかなかった。
娘よ、無事でいて!
* * *
午後2時、出張で隣の街にいた私は、5歳の娘の菜々子からの電話を受けた。
おそらく、タブレットからかけてきたのだろう。
声を震わせ泣きながら、恐怖でいっぱいの娘の声が聞こえた。
「ママ、ママ、早く助けて!」
「パパに車の中に閉じ込められたの」
頭が一瞬真っ白になり、意識が遠のきそうになった。
「泣かないで......今すぐママが行くから、どこにいるのか教えて!」
菜々子は少し落ち着きを取り戻しながら泣き声で言った。「わたし......」
しかし、そこで通話が途切れてしまった。
急いでかけ直したが、すでに電源が切られていた。
何度かけ直しても、やはり電源が入っていない。
電池が切れたのかもしれない。でも、そこで大事なことを思い出した。
慌てて夫の柳一輝の電話をかけた。
応答なし。
何度かけても、出ない。
その間、会社の同僚に頼んで、警察にも連絡してもらった。
私はその間も一輝に必死で電話をかけ続けた。
そして、車に飛び乗り、帰宅の道を急いだ。
しばらくすると、ついに電話がつながった!
「何度もかけてくるなよ、忙しいんだ!」と一輝が苛立った声で言った。
電話越しに、女の子の笑い声が聞こえてきた。
「パパ、あれに乗りたい!」
パパ?
どうして女の子が彼を「パパ」と呼んでいるの?
だが、今はそのことを気にしている場合ではない。
私は焦りながら問い詰めた。「一体どこにいるの?菜々子が車に閉じ込められているのよ!」
「早く菜々子を助けに行って……」
電話の向こうでは、子どもの遊ぶ声しか聞こえない。
気づくと、どうやら電話は女の子に奪われていたようだった。
その子は不機嫌そうに言った。
「パパ、遊んでくれるって言ったのに……電話なんてしないで」
彼はすぐにその子をなだめた。
「分かったよ、もう電話しないよ!」
「ほら、今すぐ切るからな」彼の声は優しく穏やかで、電話越しで叫ぶ私の声などまるで無視されていた。
「お願い、切らないで……」車の中で私は狂ったように叫んだが、「プープー」と聞き慣れた音がなり、画面を確認すると電話はすでに切れていた。
悔しさと焦りで涙が溢れ、携帯を壊しそうになった。
その時、同僚からの電話がかかってきた。警察は所轄署に引き継いだとのことだった。
彼らは「救助者の正確な位置」を求めていると言った。
でも、場所なんて、私も知らない。
自分に冷静になるよう言い聞かせ、深呼吸をして、気を落ち着かせようとした。
今、最も重要なのは娘の居場所を突き止めることだ。
そこで、夫の友人や同僚に電話をかけ始めた。
しかし、何の手がかりも得られなかった。
「今日は休暇だって言ってた」
「どこに行くかは聞いてないよ!」
幼稚園の先生はこう言った。「菜々子は午前中にパパがお迎えに来ましたよ!」
午前中から連れて行かれていた?
でも、行き先を聞いても先生は何も知らないという。
「あ、そうだ!その時、菜々子ママと一緒にもう一人女の子が来ていましたよ!」
すぐにその子がどこの幼稚園の子か、どんな子かを聞いた。
「その子は、髪が金色で、くるくるしていました」
一瞬で分かった。
その女の子の苗字は「柴田」だろう。
なぜなら、一輝のかつての初恋に、結衣という女性がおり、彼女の髪も金色で、くるくるしているからだ。
一輝は高校時代からずっと結衣を追いかけていた。
彼女のために、より良い大学や仕事を捨て、両親とも仲が悪くなった。
しかし、結衣は結局、御曹司と授かり婚をしてしまった。
一輝は彼女の結婚式の招待状を受け取り、魂が抜けたようになっていた。
彼は酒に溺れ、自分を傷つけ、そして川に飛び込んだ。
そんな彼を助けようも私も一緒に川に飛び込んだが、泳げない私は溺れそうになり、結局通行人に助けられた。
助けられた後、彼は私を抱きしめ、こう言った。
「井上里奈、結婚しよう」
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