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もし海棠の花が再び咲く時が来たなら第3話

この話は約890字。当サイトで読める3話の試し読みのうち、最後の話です。続きの第4話からは公式アプリで読めます。

莉央は突然泣き出した。「佐藤さん、私のためにお姉ちゃんと喧嘩しないで」

「私は大丈夫だから、お姉ちゃんが怒るのは当然だし……」

莉央の泣き声は小さく、まるで深く傷ついたようだった。

津一は私を見つめ、その視線が冷たく凍りついた。

「お前、莉央が俺に好かれるから嫉妬してるんだろ。

俺が彼女に優しくしてることを嫉妬してるんだろ。

みんなが彼女を愛してることを嫉妬してるんだろ。

清瀬瑠夏、お前はもう昔のお前じゃない。

今のお前はもう歪んでしまった、そうだろ?」

彼はそう言って、莉央を抱えて背を向け、部屋を出て行った。

私は彼らが遠ざかる姿を見つめていた。

ふと気づいた。いつの間にか、自分の涙が乾いていた。

それも悪くない。

この数日間、津一のことで何度も泣いた。

これからは本当に、もう彼のことで涙を流すことはないだろう。

夜になり、共通の友人たちのグループチャットが突然賑やかになった。

津一がグループに一言書き込んだ。

【突然結婚したくなったんだけど、どうしよう?】

グループは一瞬で盛り上がった。

【佐藤さん、ついに瑠夏を嫁にもらうのか?】

【もう『奥さん』って呼ばなきゃね】

グループのメンバーが次々と私に言った。【おめでとう、ご祝儀はいくらでいいの?】

【佐藤さん、いつ私たちを呼んで、結婚式を行うの?】

グループは賑やかになり、メッセージが次々に流れた。

私はそのまま、何かを返信して、誤解を解こうとした。

私は彼の『奥さん』じゃない。

津一が結婚したい相手は私じゃない。

でも、津一は私より一歩早く動いた。

【何を勝手に言ってるんだ】

【俺が結婚したいのは、清瀬瑠夏じゃない】

そう言うと、彼は莉央をグループに追加した。

さらに宣言するみたいに書き込んた。

【よく見ておけ、これが本当の奥さんだ】

賑やかなグループは突然静まり返った。

しばらく誰も言葉を発しなかった。

津一が書き込んた。【どうしてみんな黙ってるんだ?】

【お前ら、ちゃんと挨拶しろよ】

グループ内では、少しずつ何人かが莉央に挨拶し始めた。

私はしばらく考えた後、メッセージを送った。

【おめでとう、末永く幸せでありますように】

それを送信してから、すぐにそのグループを抜けた。

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