運命の過ちは、あなただけを想っていたから第2話
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それは、私が雄一の恋人になったちょうど一年目のことだった。
写真の中の二人は、これ以上ないほどお似合いに映っている。
震える手で、その受理証明書にに押印された公印を検索すると。
検索結果が即座に表示された。
――雄一は私を騙していた。
私の婚姻届受理証明書は、偽物だった。
涙が止まらず、かつては宝のように大切にしていたその書類を濡らした。
何度も何度も見つめた……
偽物だった。まるで、雄一との夫婦としての関係そのもののように。
携帯を開き、雄一に電話をかけようとしたその時。
――砂絵子のSNS投稿が表示された。
【雄一の妻になって10年目~変わらず愛してるよ】
写真は、雄一と彼女が十指を組んだものだ。
コメント欄には数え切れないほどの【お幸せに!】が並んでいる。
流れで「いいね」を押してしまった……
しばらくして、雄一からの着信がきた。声には疲れがにじんでいる。
「梨帆、ここまでなるとは思わなかった。動画はもう削除させたから。
すべてが片付けるまで、しばらく外に出ないでくれ」
その言葉が、私の最後の期待を粉々に打ち砕いた。
必死に悔しさを押し殺し、喉の詰まりをこらえて聞いた。
「雄一、あの受理証明書はどうなの?」
雄一の声には、わずかな後ろめたさが混じった。
「梨帆、あの時砂絵子の病状はかなり深刻だった。お前と付き合ってると知ってから、彼女は何度も自殺を図ったんだ。彼女を落ち着かせ、これ以上自分を傷つけさせないために、婚姻届を出すしかなかった……
でもその後、お前が結婚を迫るから……仕方なく業者に頼んで場所を設け、あの証明書を作ったんだ……」
彼の口から直接聞いて、ついに涙をこらえきれなかった。
「私が迫ったっ!!?その時、私たち付き合ってからもう十年よ!それに……妊娠に気付いたんだから。結婚を望んだって、どこが間違ってるの!?ねえ――雄一!」
「じゃ、どうしろっていうんだぁああああ!砂絵子と離婚して、お前と結婚しろって?彼女を死なせたいのかぁっ!?」
彼の声には隠し切れない苛立ちと嫌気が込められ、やがて深い諦めに変わった。
「梨帆、少しは俺の立場も察してくれよ……」
私は黙ったまま涙を流した。
――私が察しなかった?
砂絵子のために7度も挙式を延期し、親しい人たちの間ではもう笑い種だった。
あれほど待ち望んだウェディングドレスは、体に合うものからきつくなり、ついにはもう着られなくなった。
私が……察しなかった?
私が沈黙するのを見て、雄一はまた口調を和らげた。
「もう少しだけ時間をくれないか?……赤ちゃんのためにも」
私は絶望的に目を閉じ、彼の望む通り「わかった」と答えた。
雄一はようやく満足したように、形だけの言葉を添えた。
「お前が望むものは、いつか必ず全部あげるから」
でも、もう私は何も欲しくない。
電話を切り、私は自分で心を込めて飾り立てたこの家を見回した。
突然、全てが空しく思えてならなかった。
あまりに長い間、雄一が「家庭」をくれるのを待ち続けてきた。
でも今、全てが笑い話のように思える。
砂絵子が何の苦労もなく手にしているものを、私は十年も必死で待ち続けていたのだ。
胎動を感じて、苦い思いに駆られた。
かつてはどれほど待ち望んでいた赤ちゃんだろう。今、この子に申し訳ないと思わずにはいられない。
ろくな父親も選べずに。
――心身ともに味わってきた苦しみを、この子にもう一度味わせたくはない。
再び病院で定期健診を受けた時、医師は告げた。
「赤ちゃんはとても元気ですよ」
私が中絶のことを尋ねると、医師は表情を厳しくして諭した。
「この時期の中絶は母体にも大きなリスクがあります。本当によく考えてください」
私の虚ろで苦渋に満ちた表情を見て、医師は心を痛めたように、一枚の同意書を手渡した。
「もう決めたのならば……方法はあります。ですが、父親の署名による同意が必要です」
私はその紙を握りしめ、ぎゅっと握った拳が震えている。
……
エスカレーターで降りている時、ずっとぼうっとしている。
次の瞬間!転びそうになったところを、雄一がさっと腕を伸ばして支えた。
彼は私を抱き寄せ、恐ろしさの余りそっと手をお腹に当てた。
「梨帆、さっき何考えてたんだ?危うく大事故になるところだったぞ!」
その時、私はようやく我に返り、かつては目を離せないほど愛したこの顔を見つめた。
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