結婚5年、夫が私の初夜を競売にかけた第3話
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雲人は気まずそうにスマホを隠すと、話をそらした。「ちょっと待たせただけだろ。そんなに仏頂面になることか?そのうち……努力するから。いつか抱けるようになるかもしれないだろ」
彼の投げやりで、どこか蔑むような表情に、私の心は引き裂かれるようだった。
涼子に対しては、彼は潔癖症など微塵も感じさせず、激しく抱き合っていた。なのに私に対しては、生理的な嫌悪感を「努力」することすら一生できないのだ。
拳を強く握りしめたが、もはや手の痛みなど、心の痛みに比べれば何でもなかった。
雲人は自分のタキシードを選びながら、何でもないことのように言った。「しっかり風呂に入っておけよ。今夜はオークションに連れて行ってやる。目玉の商品があるらしくてな、今夜は誰もがそれを目当てに来る。俺たちも冷やかしに行こう」
その言葉を聞いた瞬間、私は電流が走ったような恐怖に襲われ、拒絶した。「行きたくないの。オークションなんて興味ないわ」
すると、雲人の顔が瞬時に険しくなった。
「何のわがままだ?涼子が気を利かせて、お前にジュエリーをいくつか競り落としてやろうと言ってくれたんだぞ。いい年して子供みたいな真似をするな。行きたくなくても行くんだ。
結婚してからというもの、家で洗濯と飯炊きしかしてないだろ。おかげでお手伝いさんの仕事がなくなって困ってるんだ。これじゃどっちが雇われてるのか分からん。外の世界を知らなさすぎる。早く俺について来い!」
私は傷だらけの両手に視線を落とし、突然滑稽に思える。
これほど長年、私は彼の潔癖症に合わせるため、朝昼晩とシーツを洗い、毎日彼の衣服を手洗いしてきた。彼の目には、それは単なる家政婦の行為でしかなかったのだ。それどころか、そんなにまで場違いなことだったのだ……
私が手を見つめたまま動かないのを見て、雲人の忍耐は限界に達した。彼は私を強引に、専用の「消毒液入り」の浴槽へと突き落とした。
風呂上がり、彼は覚悟を決めたように私の体を拭いてくれたが、その顔には明らかな嫌悪が浮かんでいた。
私を拭き終えると、彼は自分自身を念入りに消毒し、私を車に押し込んで会場へ向かった。
オークション会場では、人々はグラスを片手に談笑し、これから始まる競売の話題で持ち切りだった。
私を見つけるなり、涼子が笑みを浮かべて駆け寄ってくると、私の手をまじまじと覗き込んだ。
消毒液で何度も洗われた両手は赤くただれ、皮膚は薄く剥け、無数の湿疹が広がっている。
「あら、星奈さん、お肌がなんて繊細なんでしょう。雲人さんが触れるのを大事にしてるんでしょうね、壊れちゃいそう」
その直後、誰かが追い打ちをかけるように言い放った。「ハハハ、大事になんてしてない、触りたくないんだよ!じゃないと5年も経ってまだ『生娘』だって話じゃないか!」
またもや爆笑の波が次々と押し寄せ、容赦なく私を飲み込んだ。
私は眉をひそめ、熱くなった頬を隠しながら、冷ややかに言い返した。「もう十分でしょう?」
雲人が「ちっ」と舌打ちをした。その黒い瞳には、明らかな不快感が溜まっている。「お前を『生娘』と褒めてやってるんだぞ。良し悪しも分からないのか?普通なら喜ぶところだ。身の程を知れ」
私の顔色が晴れないのを見て、同席していた一人の男がグラスを差し出してきた。「まあまあ、奥さん、冗談を真に受けないでよ。彼は褒めてるんですよ。さあ、一杯どうぞ。これ、すごく高いワインなんですから」
周囲の視線が一斉に私に突き刺さった。
この人たちが私の「初夜」を競売にかけようとしていることに気づき、すべてを悟った。
私は差し出されたグラスを冷たく押し返した。「ただの美術品のオークションでしょう?それに、お酒を飲む習慣はありません」
その言葉を聞いた雲人はグラスをギュッと握り締めた。怒りを必死に抑え込んで言った。「せっかくの好意を無下にするな。家に引きこもりすぎて馬鹿になったか?冗談も通じない、酒も飲まない。一体何様のつもりだ!」
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