生まれ変わって家族から逃げたら、みんな後悔し始めた第3話
この話は約1316字。当サイトで読める3話の試し読みのうち、最後の話です。続きの第4話からは公式アプリで読めます。
家に着いた途端、スマホが鳴った。
親友がためらいがちに切り出す。
「詩織、この間話した男の人、会ってみる気ある?実はもう、こっそりあなたの写真送っちゃったんだ。
そしたら、向こうも詩織のこと、かなり気に入ってくれてて、一度会いたいって。
亮介ともうすぐ結婚するってわかってるけど、でも彼のあなたに対する態度って、誰が見ても……」
彼女が言い終わる前に、私はきっぱりと答えた。
「うん、会う約束、お願いできる?」
親友は明らかに絶句し、しばらくしてから弾んだ声で言った。
「やっと吹っ切れたんだね!任せて、すぐに手配するから!」
その時、たくましくて力強い腕が、背後から私を抱きしめた。
「何を手配するんだ、そんなに嬉しそうに」
聞き慣れた声。
振り返らなくても、それが亮介だとわかった。
私はそっと、彼の手を振り払った。
「別に」
あまりに冷たい口調だったからか、彼は一瞬、虚を突かれたようだった。
彼が何かを言いかけると、瑠奈のSNSの投稿が目に入ったらしい。
写真の中の瑠奈は両親の真ん中に座り、三人は幸せそうに笑っている。
まるで、彼らこそが本当の家族であるかのように。
【今日は泳ぎに行けなくて残念だったけど、愛してくれる人がそばにいればそれで十分!】
【P.S.手をぶつけちゃってすっごく痛いよ。新しい一年、悪いことが全部なくなりますように!】
次の瞬間、亮介は目を真っ赤にして私を指さした。
「瑠奈が毎年、お前と泳ぎに行くのをどれだけ楽しみにしてるか知ってるだろ!なんで今年は一緒に行ってやらなかったんだ!
手をぶつけたってどういうことだ?お前がやったのか?
あいつは実の妹だろうが!なんでお前はそんな人間なんだ!」
前世でも、彼はこの誕生会に来たがっていた。
あの頃の私は、彼がただ私の家族と一緒に誕生日を祝ってくれるのだと思っていた。
でも、後になって気づいた。
私の誕生日は一週間前だとあれほど伝えたのに、彼が覚えていたのは、やはり今日という日だった。
日付を間違えたのではない。人を間違えていたのだ。
青筋を立てる彼を見ながら、こんな風に頭ごなしに問い詰められるのは、もう何度目だろうと思い出せなかった。
彼を家族に紹介してから、二人きりで過ごす時間はほとんどなくなった。
彼はいつも言っていた。
「妹さんも誘おう。一人じゃ寂しくて可哀想だろ」
私たちのデートは、いつも楽しそうに笑い合う彼と瑠奈が前を歩き、私は遠く後ろに取り残される、というものだった。
映画を観る時でさえ、瑠奈が私と彼の間に座っていた。
そのことで数え切れないほど喧嘩もしたけれど、返ってくるのは決まって、彼の嫌悪に満ちた一言だった。
「あの子がお前の妹だから、俺も一目置いているんだ。お前は少し疑いすぎじゃないか?」
彼の目には私は陰気で、瑠奈は太陽のように映っていた。
愛と太陽の光を浴びて育ったお姫様が、何か悪いことをするはずがあるだろうか?
亮介の無関心な態度は、私の嫉妬深さを際立たせるだけだった。
親友でさえ彼の無関心に気づいていたのに、前世の私は、砂に頭を突っ込むダチョウのように、現実から目を背けていた。
けれど今世の私は、もう本当に疲れてしまった。
「ええ、私はずっとこういう人間よ」
亮介の指が、宙で固まった。
縦書き表示中:本文は右から左へスクロールします(← → キーでも移動できます)
第4話は公式アプリで
当サイトでの試し読みはここまでです。アプリをインストールし、下のアプリ用コードを入力すると、この作品の第4話からそのまま読み進められます。
R29130- 下のボタンから公式アプリをインストールします(無料)。
- アプリを開き、「コードを入力」にこのコードを入れると、この作品が本棚に入ります。
作品ページへ戻る 当サイトに掲載しているのは試し読みの章だけです。