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時を経ても君に会えず第2話

この話は約1506字。当サイトでは第1〜3話を試し読みできます。

彼は私より先にそれを拾い上げたが、その眼差しはまるで何か汚らわしい物を見るかのようだった。

「深雪、妊娠したふりまでして、そんなことまでするのか?」

その光景を見て、私は急におかしくなった。

人は証拠を目の当たりにしても、都合の悪いことは見ようとしないのだと。

次の瞬間、私が宝物のように大切にしていたエコー写真は、私の顔めがけて彼に叩きつけられた。

紙の鋭いエッジが私の肌をヒリヒリと傷つけた。

私は顔を覆い、顔をしかめながら目の前の男を見た。

かつて私が深く愛した顔は、今は見慣れないほど歪んでいた。

昔の彼は、私を愛し、守ってくれた。

私の好きな花をわざわざ選び、心のこもったサプライズを色々と用意してくれた。

怪我をした時は、私を抱きしめて慰めてくれた。

「痛いか?怖がるな、俺がいる」

だが、記憶を失った彼は、私に目を向けることさえしなかった。

彼が怪我をしたと知り、私は急いで病院へ駆けつけた。

しかし、彼の目に映る嫌悪感とよそよそしさが、私の心を深く刺した。

かつて私を手のひらで大切に扱ってくれた男の、私を見る目はまるで汚物を見るようだった。

五千段の階段をひざまずき、一段一段頭を地面につけながら、神様に裕志が私のことを思い出してくれるようお願いした。

額と膝は擦りむけ、赤く腫れ上がって見る影もなかった。

しかし、最後に手に入れたのは、彼が紗奈を連れて帰ってきたことだった。

「なぜ君と結婚したのかわからないが、責任は取る。離婚はしない。

俺が覚えているのは、紗奈を一生愛すると約束したことだけだ」

その二つの言葉は、私たちの過去と愛をすべて否定した。

彼は実に上手く演じていた。少しも疑う余地がないほどに。

彼に追い出された三日後、私は友人に会いに行った時だった。

たまたま個室から彼と彼の友人たちのからかいの声を聞いてしまった。

「藤田さんは本当にすごいな。あいつを好きにさせると言えば好きにさせるし、離婚させると言えば離婚させる。まるで犬みたいに扱ってるじゃないか!」

裕志はだるそうに答えた。

「あいつは俺と結婚するために、うちの母と共謀して紗奈を追い出したんだ。当然の報いだ」

その時初めて知った。愛とは、彼が紗奈の復讐のために仕組んだ芝居に過ぎなかったのだと。

私に彼への深い愛情を抱かせ、偽の記憶喪失という大義名分を利用して、私を辱め、復讐するためだった。

個室では笑い声が止まなかったが、私はどうやってそこを去ったのか覚えていない。

ただ、その瞬間、彼への愛は消え去ったことを知っている。

思考を切り替え、私は腰をかがめて地面に落ちたエコー写真を拾い上げ、冷静な声で言った。

「私が妊娠しているかどうかは、もう藤田さんには関係ありません。お二人の末永い幸せを心からお祈りします!ですから、もう行ってもよろしいでしょうか?」

空気が凍りついた。

以前のような大騒ぎもなく、復縁の話も出なかった。

そんな私を見て、彼の瞳孔は激しく収縮した。

喉仏が二度上下し、最終的に歯の間から絞り出すように言った。

「君の料理は上手いから、最近紗奈の食欲がないんだ。戻って彼女のために妊婦向けの料理を作ってくれ」

私に命令することにかけては、彼はいつも上手だった。

しかし、私はもう拒否することのできない人間ではない。

「裕志、私たちはもう離婚したの。藤田家にはたくさんの料理人がいるわ。私より上手な人がたくさんいるはずよ」

私は冷たく、少し苛立ちを込めて言い放ち、踵を返して去ろうとした。

しかし、彼は私の拒否と抵抗を無視して、私の手首を掴み、出口へと向かった。

その力は私の骨を砕くほど強かった。

私は彼に無理やり藤田家の別荘に連れ戻された。私が二度と足を踏み入れたくない場所へ。

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