富家の若旦那の愛、私には遠すぎる第3話
この話は約599字。当サイトで読める3話の試し読みのうち、最後の話です。続きの第4話からは公式アプリで読めます。
次のゲームには私は参加できなかった。金持ちの男たちと美女たちが「ピラニアチャレンジ」に興じている。
スタッフが大きなガラス水槽を運び込み、その中にはピラニアが泳いでいた。
参加者は手袋をつけて手を水槽に入れ、誰が一番長く耐えられるかで賞金を獲得するルールだ。
私は、もう一人の手を怪我した美女と一緒に、ただ休むしかなかった。
すると、直樹が私の前に立ち、冷たく見下ろして言った。
「初めてか?」
私は静かに頷いた。
「なんで僕の釣り竿を掴んだんだ?他のじゃなくて」
「ただ、他の女たちとの距離を考えたんだ。直樹さんの釣り竿が一番遠かったから、その間に少しでも時間を稼げると思ったの」
実はそれだけじゃなく、周りの人たちがこうたに媚びているのを見ていたから、適当に釣り竿を掴んでも、誰も私をすぐに引き上げる勇気がないだろうと思った。結局、負けるのは間違いなかった。
直樹だけは、最初からこうたに気を使っていなかった。多分、金持ちの中にも派閥があるのだろう。
直樹は私の話を受け入れてくれたのか、私の体をじろじろと見つめていた。
「いいね、頭も使えるじゃないか。今夜、僕と一緒に行かない?」
「今夜、まだ何か予定があるの?」
「何も知らずに来たのか?」
私は戸惑いながら首を振った。
「おバカだな!」
直樹が私の耳元で囁いた。
私の顔はすぐに赤くなった。
一晩付き合えば、特別報酬がもらえる。
せっかく船に乗ったんだから、断る理由はなかった。
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