子なしを誓った夫、義妹と双子を作ってました第3話
この話は約1729字。当サイトで読める3話の試し読みのうち、最後の話です。続きの第4話からは公式アプリで読めます。
四人が出かけて行った後、私は激痛に耐えながら腕の傷に薬を塗った。床に散乱した荷物を見つめていると、ある考えが脳裏をよぎった。
私は荷物をすべて取り出し、きれいに整理した。
服やシーツから拾い集めた髪の毛を見つめ、私は口角に微かな笑みを浮かべる。
ちょうどベッドのシーツを敷き終えた時、玄関のドアが勢いよく蹴り開けられた。
修造が私に向かって大声で叫ぶ。
「青葉、早く来い!百合が腹痛を起こした、急いで診療所へ行って薬を買ってきてくれ!」
寝室のドアが乱暴に押し開けられ、修造が百合を抱きかかえて飛び込んできた。
五十を過ぎた修造は、普段ならバケツ一杯の水を持たせただけでも腰が痛いと騒ぐくせに、今は飛ぶような足取りだ。
百合をベッドに寝かせた修造の額にはうっすらと汗が滲み、その顔は百合への心配で満ちていた。
かつて私は、修造のために十五回も流産を経験したが、彼が今ほど必死になっている姿など、一度たりとも見たことがない。
度重なる流産で私には重い後遺症が残り、前回など床を転げ回るほどの痛みに襲われた。
それでも修造は、「我慢すれば治るだろ」と冷たく言い放つだけだった。
愛されていないと、誤魔化すことすら面倒になるらしい。
私がその場に立ち尽くしていると、修造が怒鳴りつけた。
「早く行けよ!何をぼーっとしてるんだ!」
私が振り返ろうとした瞬間、百合の心の声が聞こえてきた。
[青葉、見たでしょ?私がちょっとお腹が痛いフリをしただけで、修造は夜中だろうとあんたに薬を買いに行かせるのよ。
診療所なんてとっくに閉まってるわ。わざとあんたをからかって、修造の心に誰がいるのか分からせてやりたかっただけなのよ!]
振り返り、百合の得意げな視線と真っ向からぶつかる。私の声は途端に冷え切った。
「この人は仮病よ。お腹なんて痛んでないわ」
次の瞬間、百合は途端に涙ぐんで言った。
「姉さん、嘘じゃないわ。本当にすごく痛いの」
ドアの外にいた双子たちも、すぐさま部屋に飛び込んできて私に向かって叫んだ。
「おばさん、俺たちが来た今日から、ずっと俺たちを目の敵にしてるじゃないか!」
「私たちが気に入らないなら、今夜にでもお母さんを連れて帰るわ。おじさんの還暦祝いなんて出なくていい」
百合もいかにも可哀想な顔を作って言った。
「姉さん、私たちが歓迎されないなら、今すぐ子供たちを連れて出て行くわ!」
百合はそう言いながら、無理して立ち上がろうともがき、双子たちの手を引こうとした瞬間――
「あっ」と声を上げ、その場に崩れ落ちた。
双子たちは一斉に駆け寄り、私を激しく突き飛ばした。私は床に倒れ込み、あの子たちは私の指の上を無残に踏みつけていった。
先ほど負った腕の傷が再び擦れ、血が滲み出す。
修造が私に向かって怒号を飛ばした。
「青葉、お前はやりすぎだ。出て行け!
百合たちの前に顔を出すな。俺の還暦祝いが終わるまで、この家には戻ってくるな!」
顔を上げ、修造の激怒した表情を見つめた。その目には私への怨恨しかなく、一片の優しさも存在しない。
沈黙の数秒間、三つの声が同時に脳内に響き渡った。
[青葉、自分の立場が分かった?修造の心の中じゃ、あんたなんて何の価値もないのよ!]
[ババアはさっさと出て行け。今まで世話してくれた義理がなきゃ、俺が自分の手で追い出してやってるところだ!]
[青葉、よくも百合をいじめてくれたな。お前なんて俺たちにとってはただの無料の家政婦にすぎない。もう利用価値などとっくにないんだよ!]
私は顔面を蒼白にしながら、口の中に広がる苦味を噛み殺し、痛む体を引きずってゆっくりと床から立ち上がった。
床で擦れた腕はヒリヒリと痛み、傷口は再び開いている。
だが、そんなものは、今の心の奥底にある絶望には到底及ばない。
丸三十年もの間、修造は私を騙し続け、十五もの尊い命を無駄に奪い去ったのだ!
丸二十年もの間、私が身を粉にして育ててきたのは、恩を仇で返すようなろくでなしの双子だったのだ!
よろめきながらも立ち上がり、目から溢れそうになった一粒の涙を拭う。
身を翻し、ドアの外へと一歩、また一歩と歩みを進める。
修造。今日の決断を、絶対に後悔しないでね。
還暦祝いの当日には、あなたたち全員に、とびきりのプレゼントを贈ってあげるから!
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